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『F1のテクノロジー4』の内容ちょっと紹介 [F1]

刷り上がった本を受け取りました。12月19日(月)発売です。Fテク1〜3は赤基調の表紙でしたが、今度は青です。お間違いなく。

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例によって、立ち読みできない方のために、少し内容を紹介します。『4』は解説&写真集です。メカの。3年くらい経って2011年を振り返ったときに、「あぁ、あの年はそうだった、そうだった」と思ってもらえるようにするのがコンセプト。

というわけでまず、2011年シーズンの技術トレンドについておさらいします。エキゾーストブローイングとDRSはとくに念入りに(画像はすべてデザイン確認用データ。文字はダミー。店頭に並ぶ本と一部デザインが異なる場合があります)。

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12チーム12台の技術的な特徴にスポットをあててまとめました。

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プッシュロッド式のフェラーリとプルロッド式のフォース・インディア(マクラーレン製)のギヤボックスなどは、対比させてみるとおもしろいかと。ぜひ、本を手にとってご確認ください。写真を大きく使ってどーんと取り上げています。

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実は一連の取材でもっとも感銘を受けたのはザウバーが使用するタカタ製シートベルトでした。奥深いストーリーが隠れていました。2012年はシートベルトの開発競争が激化すること必至?

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2011年から供給を始めたピレリタイヤについてまとめています。こんなふうに開発して、こんなところで作って、こんなふうにデリバリーされます、と。

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マクラーレンをはじめ、4チームにギヤボックスの内部パーツを供給するのがイギリスのリカルド。リカルドはこんな会社です、リカルドが作るトランスミッションはこんなトランスミッションです、という紹介を、SUPER GT GT500/FIA GT1用やらル・マン用やらパリダカ用やらWRC用やらを引き合いに出して、しています。

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ページの数だけ作ったラフもお役ご免。裏面を再利用するためプリンターのカセットへ。さぁ、『5』の構想を練るか(気が早すぎ)。

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異音アゲイン [VWゴルフVI 1.2TSI]

修理してもらってから700kmほどしか走っていないのに、復活しました。アイドリング時の異音が。まるで、鉄骨にリベットを打ち込んでいるかのような音(少し大げさですが、まったく的外れでもありません)。

原因はわかっていて、エンジンルーム内における燃料パイプの共振です。詳しくは、過去エントリーをご参照ください。

http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2011-10-17

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燃料パイプの「かしめ」をきつくすることで、とりあえず異音は消えました。完全に対症療法です。「いやぁ、うちのサービス車両(代車などで使用する車両)も音してますよ。1.4でも出ますが、1.2はひどいですね」とサービスアドバイザーの弁。なぐさめになっていません……。

燃料は半分以上残っていましたが、気分転換を兼ねて給油。ついでにドライブスルー洗車しました。機械にお金を入れていると、ブラシを下げた若い店員が寄ってきて、「しっかし、汚いですねぇ」と言いながら、ホイールキャップを洗ってくれます。

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ついでにタイヤの内圧を調べたら、4輪とも1.6kg/cm2でした。くだんの若い店員が「少なっ!」と言いながら充填してくれます。

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内圧が適正値(プラスαが好み)に戻ったおかげで、動きがパシッとしました。クルマがきれいになると、遠出したくなりますね。

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【レースな世界紀行2004】その1の2 [レースな世界紀行 2004]

「つづきを読みたい」という声(少数ですが)に押され、調子に乗ってつづきをアップします。「その13」まであります。最後までつづくかどうか。

その1の2
トヨタF1新車発表会
ドイツ・デュッセルドルフ〜ケルン

「見せたい村がある」というので、取材後、アンダーソンさんの案内に従って近くの村でランチをとった。「13世紀からそのまま」という城郭都市で、石と木でできた瀟洒な建物が並ぶ。ヨーロッパの村や町や都会に来るといつも思うのだけれど、通りに電柱のない景色はそれだけで価値がある(と日本の無粋な街並みを思い浮かべつつ、そう思う)。ソーセージとマッシュポテトを食し、地ビール(酵母を濾過しないタイプだった)をのどに流し込んだ。

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ナイフとフォークを動かしながら、「もし、あなたがトヨタと関係なかったとしたら、どんな市販車がお気に入りですか」と少々いじわるな質問をしたのだが、「それでもやっぱりトヨタのLS430を選ぶね。快適なのが一番」と答えた。
「元ラリードライバーだからスポーティなクルマが好みなのかと思っていました」
 と感想を述べると、
「そんなことはないよ。ジャガーのクーペも好きだ。スタイルがいい。乗るとがっかりするのが難点だが」
との返答。

TMGに戻ってリハーサルの見学。チームの首脳陣にオリビエ・パニスとクリスチアーノ・ダ・マッタが加わって、組み上がったばかりのステージをぞろぞろと歩いている。パニスはシックな革ジャン姿、ダ・マッタはダボダボのジーンズを履いたルーズな格好だ。

発表会本番でダ・マッタは、「今年の目標は?」という司会者からの質問に対し、「チームが成し遂げた進化がトップチームとのギャップを縮め、勝てるチームに成長するための大きなステップになることを信じている」と優等生的な発言をしたのだが、リハーサルでは「毎戦ポールポジション、毎戦優勝」と答えて、場内から小さな笑いを誘っていた。こっちが本音だろう。

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さて、夜はケルシュである。シャンパーニュ地方で作った発泡性ワインだけがシャンパンと名乗ることを許されているように、ケルンで醸造したビールにのみ、ケルシュと名乗ることが許されている。といって、お高くとまった飲み物では全然なくて、飲みやすい。何も知らされずに飲んだら下面発酵の代表選手ピルスナーと間違えそうだが、実は上面発酵である。これはケルシュなのだ、と意識して飲めば、ピルスナーとは喉ごしも異なるし、香りもまた別だ。

実のところ、ケルシュが飲めるから、ケルンが好き。アルト・ビールが飲めるからデュッセルドルフも好き。どこに行ってもうまいビールが飲めるから、ドイツが大好きだ。

ケルシュを飲んだのは金太郎というジャパニーズ・レストランだ。大聖堂から西へおよそ1km、ルネッサンス・ホテルの近くにある。金太郎はTMGに務める日本人スタッフの御用達になっている縁で、おじゃました次第。トヨタF1のポスターやら、ドライバーのサイン入りミニチュアモデルやらが壁に貼り付けてあって、どれだけTMGのスタッフに贔屓にされているかを窺うことができる。

カウンターの端ですしを握っているAさんという板さんもまた人物で、忙しく手を動かしながらちゃっかり客の会話を聞いていて、絶妙な合いの手を入れる。元来レース好きだったのか、来店する客の影響でレース好きになったのかは未確認だが、無類のレース好きであることは確かだ。ニュルブルクリンクで24時間レースが行われた際は、関係者のひとりがおにぎりの出前をAさんに注文した。注文するほうもするほうだが、受けるほうも受けるほうだ。Aさんは深夜のアウトバーンをカッ飛ばし、100km離れたニュルブルクリンクに無事おにぎりを届けたそうである。ものすごく、「人物」である。

ケルンにいることを忘れさせてくれる料理の味による影響が大なのだと思うけれど、ケルシュと日本食がこれまた良く合う。金太郎で味わったのと同じように、日本でケルシュと日本食を組み合わせることができないのがいかにも残念。ま、ケルンならではの楽しみ、としておこう。

デュッセルドルフからケルンに宿泊地を移した翌日は、ホテルで1日の大半を過ごした。夕方になってのそのそと行動を開始。近所のキオスクでポテトチップを買い、冷蔵庫から瓶入りケルシュを取り出して腹ごなし。夜は再び金太郎でケルシュ(飲んでばかり)。

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しかし、ホテルというものは、どうしていつも乾燥しているのだろう。乾燥しきった部屋で喉を痛め、これがもとで体調を崩すといった経験が以前に何度もある。何も僕だけに限った経験ではないようで、ホテルでの使用を前提にした携帯型の加湿器もあるようだ。が、あいにく持ち合わせていない。

といって、手をこまねいて乾燥に耐えているわけでもない。バスタブに湯を張ることもやってみたが、どうも効果が薄いようだ。ベッドから距離が離れていることに原因があるように思う。濡れたタオルをハンガーに掛け、部屋の一隅に吊すこともやった。これはなかなかいい。

なかなかいいが、作業が完了するまでに時間がかかるのが難だ。とくに泥酔して一刻も早くふとんにもぐり込みたいときなど、もどかしくて仕方がない。こういう場合どうするかというと、床に水を撒くのである。洗面所に置いてあるコップに水を満たし、ベッドの周囲に5〜6杯も撒く。これで完了。夜中にトイレに起きたときに濡れたカーペットを踏みつけて不快な思いをすることもあるが、湿度環境面は快適だ。朝にはすっかり乾いていて、部屋の乾燥具合を思い知ることになる。良識ある大人がすることではないが……。

トヨタのF1新車発表会はつつがなく終了。ダ・マッタはリハーサルでの威勢のいいコメントをぐっと呑み込んで、台本通りの言葉を残し、ステージの奥に消えた。帰国便に乗るのは日曜日の夕方で、フライト時刻までたっぷり時間があるというのに、手持ちぶさたであった。ドイツの日曜日ほど買い物に向かない日はない。店という店はシャッターを閉め、シャッターのない店は出入り口のドアを厳重にロックし、「今日は絶対に商売しません」と宣言するかのように強固な意志を主張している。それを知ってか知らずか(おそらく先刻重々承知なのでしょう)、通りにもまったく人気がない。

これはTMGに務める日本人スタッフから聞いた話なのだが、日曜日に庭の芝刈りをしたら、近所の住人から「そんなこと日曜日にするんじゃない」とたしなめられたそうである。「日曜日にしないでいつするんだ」と思ったそうだが、怒られるんじゃあ仕方がない。同様にして、日曜日の洗濯も禁物なのだそう。彼の国ではとにかく、日曜日は何もしてはならないような雰囲気が漂っている。

仕方なく(と言ったら失礼ですね)、「難波(なにわ)」というラーメン屋に寄った。だがここでもラーメンは食べない。理由は至極簡単。アルト・ビールを腹に収めるため。ドイツ滞在をアルト・ビールで締めくくれるのだから、ショッピングを堪能できずとも幸いとすべきである。あ、空港でもしこたまピルスナーを飲んだっけ。
(つづく)

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【レースな世界紀行2004】その1の1 [レースな世界紀行 2004]

調べものがあって2004年に書いた原稿をあさっていたら、出張した折に書いておいたなぐり書きのようなテキストが出てきました。ブログをやっている時期だったらブログに上げていたのでしょうが、始める2年前だったので、備忘録やら雑記帳やらに残しておくようなつもりで書いたのでしょう。

これが、読み返してみると、書いてある内容が人ごとのように新鮮。ほとんど覚えていないことばかり。「あ、こんなことあったんだ」と。テキストの中で登場する人物に、7年(もうすぐ8年)の歳月を感じます。20回か30回か40回にわけて、アップしていこうと思います。不定期で。途中で前触れもなくぷつっと終わるかもしれませんが……。

その1の1
トヨタF1新車発表会
ドイツ・デュッセルドルフ〜ケルン

松飾りがとれてすぐ、飛行機に乗った。参戦3年目を迎えるトヨタF1の新車発表会に出席するためである。会場はトヨタF1の開発・製造、チーム運営の中枢であるTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)で、目的地はドイツ・ケルンの郊外である。

最終目的地はケルン、と言い換えた方がいいだろうか。ストレートにケルンには向かわず、北に40kmほど離れたデュッセルドルフに宿泊先を設定したのだから。なぜか?旅の一団を構成する3名のうちひとり、すなわち僕にまったく主体性がなかったからである。「初日はデュッセルに泊まろうか」「いいですよ」てな具合で決まった次第。

理由らしい理由があるとすれば、トヨタからTMGに派遣されている日本人スタッフの多くがデュッセルドルフに住んでいること。当地の自治体がさかんに日本企業を誘致した甲斐があって、いまやデュッセルドルフには約7000人もの日本人が住んでいるという。街を歩けばごくふつうに日本人の姿を見かけるし、日本の食材を扱ったスーパーマーケットもあれば、最新の書籍や雑誌(もちろん日本の)が手に入る本屋もあり、串揚げ屋もあれば、ラーメン屋もある。ゆえに、TMGの日本人スタッフはデュッセルドルフに住み、毎朝トヨタ車を運転して職場のあるケルンまでドライブを決め込んでいるのである。

こうした日本人スタッフらと夕飯でもご一緒しようと、僕ら取材陣はケルンにそっぽを向き、宿泊地にデュッセルドルフを選んだのだった。が、見事に肩すかしを食らった。トヨタは新車のシェイクダウンをフランス・マルセイユ近郊のポールリカール・サーキットで行っており、TMGの主だったスタッフも彼の地に赴いていて不在だったからだ。

だから、僕ら3人衆は久々の海外渡航で疲れ切った表情を浮かべつつ、「越佐(えっさ)」というラーメン屋で静かに食事をとったのである。でも、いいのだ。デュッセルドルフにはアルト・ビールがある。焙煎した麦芽が醸し出す暗褐色の液体は、わずかに苦みの利いた香りでもってチクチクと鼻の奥を刺激しつつ、控えめな炭酸でのどの奥をチロチロと突っつく。僕はこのアルト・ビール200ml入り一杯2.5ユーロ也を2杯は胃袋の中に収めるつもりでいたから、腹がふくれるラーメンを頼まずに、チャーハンと餃子をオーダーした。賢い選択だと自画自賛。満腹ゆえに時差ボケによる“深夜の目覚め”を経験せず、2日目の朝を迎える。

 メルセデス・ベンツC180ディーゼル(レンタカーです)の助手席に収まり、小1時間のドライブでTMGに着いた。この日のテーマは、TMGを巨大組織に育て上げた立役者、オベ・アンダーソンさんのインタビューと、翌日に行われる新車発表会の設営・リハーサル風景を取材することである。

「午後にイギリスに行かねばならない」と聞いていたから、あえて午前中に取材を申し込んだのに、念のため「今日のご予定は?」とたずねると、「一日空いているよ」とにっこり応えるアンダーソンさんであった。

「過去のラリー活動で獲得したトロフィーの写真を撮りたいんですが。どこにありますか?」と質問すると、「ほとんど家にあるな」の答え。すかさず、「では、インタビューのあとお宅におじゃましてもいいでしょうか」と切り出すと、「ああ、いいよ」と軽く答えてくれた。言ってみるものだ。

TMGから30分くらい、と聞いていた我々は、アンダーソンさんが運転するレクサスLS430の尻を追っかけた。およそ10分、一般道を周囲の流れに合わせて走ったアンダーソンさんのLS430は、おもむろにアウトバーンの進入ランプに舵を切った。ここまでは予想の範囲内。だが、このあとアンダーソンさんは僕らの予想をはるかに超えた行動に出る(というより、僕らの予想が甘すぎた)。

見覚えのある道だな、と思ったとおり、アンダーソンさんがたどるのはF1ヨーロッパGPの舞台としてあまりにも有名な、というよりヨーロッパのみならず日本でも“クルマを鍛える過酷な舞台”として有名な、ニュルブルクリンクへと向かう路線だった。

LS430は追い越し車線をまっしぐらに突き進む。速度計の針は180km/hの目盛りを挟んで行ったり来たりを繰り返していた。「この調子で行ったら本当にニュルに行っちゃったりして」と、車内では冗談交じりの会話が行われていたのだが、あながち間違った発言でもなかった。着いた先はニュルブルクリンクを抱えるアイフェル山麓、草原と木々とワインディングロードしかないような、いかにもローカルな風景が広がっている。

アウトバーンを降りたアンダーソンさんは、左足ブレーキを駆使して巨体をいとも簡単に操り、居宅へと我々を案内したのである。確かにTMGからは30分ほどのドライブだったが、その距離は約60km。この距離を毎日往復するのはさぞかし大変と思いきや、「あえてこの地に家を求めたんだよ」と、スウェーデン生まれのアンダーソンさんは説明した。

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「ケルンは夏暑いから、涼しい高原に家を求めたんだ。ここはサマーハウスとして使われていたところで、1930年代の築。過ごしやすくて気に入っているよ。ロングドライブ? 全然苦にならない。私は運転するのが好きだから」

「まさか」と否定されることを念頭に置きつつ、「たまに、ニュルブルクリンクに行ったりもするんですか」と質問すると、「ああ、行くよ」と、元ラリードライバーのアンダーソンさんは平然と答えるのだった。「レクサスLS430がデビューしたとき、トヨタはオーストラリア人のジャーナリストをニュルブルクリンクに招いて試乗会を開いたんだ。そのとき、私はアラン・ジョーンズ(元F1ドライバー)と一緒にLS430をドライブした。隣にジャーナリストを乗せてね」

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 ワインディングロードから横にそれ、クルマの往来によってタイヤの通り道だけ地面が窪んだ未舗装路を100mも走ると、アンダーソン邸にたどり着いた。家の左手に馬小屋。「私は興味ない。妻の趣味だ」と言いながら、スペイン生まれの馬にはカルロス、フランス生まれの馬にはディディエと、ラリードライバーに由来する命名をしているところに、少なからぬ関与を感じ入る次第。(つづく)

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東京モーターショーで気になったコト(ニスモ編) [クルマ]

ニスモが手がけたクルマが気になったというより、東京モーターショーの開幕直前に発表された、ニスモの本社移転(東京都品川区南大井から横浜市鶴見区へ)と、ニスモブランドの拡大計画(日産の主力車種に対する高性能プレミアム・スポーツバージョンの代名詞となるよう位置づけ)の方が衝撃的で、気になりました。

ジューク・ニスモ・コンセプトが、その方向性を示唆している、ということでしょうか。新生ニスモに期待高まりますね。

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ニスモ新グローバル本社の完成イメージ図です(写真:日産自動車)。

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「あちらもニスモです」の声に振り返ってみると、リーフでした。リーフ・ニスモコンセプト。Nissan LEAF NISMO RCを見てしまった後では、感激薄なのも致し方ないかと……。

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過去エントリーです↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2011-10-01

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東京モーターショーで気になったエンジン(富士重工業編) [クルマ]

ダウンサイジングターボ出てきましたね。ベースは新型インプレッサに搭載するFB16型で、ボア×ストロークは78.8×82mm。ストローク/ボア比は1.04(ちなみにFB20型は1.07)。ターボチャージャーの配置にしてもインタークーラーの配置にしても、水平対向エンジンであるがゆえに妥協を強いられているでしょうが、水平対向であることが大事なのです。運転(操縦?)中に「水平対向」を感じられるような出来だといいですね。

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吸気系はFB20型と同様に樹脂製。展示してあるエンジンには、お化粧が施してあります。

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ツインスクロール式ターボチャージャーはど真ん中に配置。EJ20型はエンジン後方配置でした。2LディーゼルのEE20型に近い配置です(EE20型は触媒&DPF一体ユニットがあるので、ターボは向かって左側にオフセットしています)。やはり遮熱板にお化粧が施してあります。

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EE20型の高圧インジェクターはセンター配置ですが、FB16ターボはサイド配置(吸気側)。EE20型はコモンレールを横置きに搭載していますが、FB16ターボは縦置きで、各バンクに1本配置。

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FB16ターボは、「スバル・アドバンスト・ツアラー・コンセプト」に載っている想定。チェーン式縦置きCVTを搭載したAWD。かつハイブリッド。

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東京モーターショーで気になったエンジン(ダイハツ編) [クルマ]

挑戦する姿勢が気になるからでしょうか。ショー会場で真っ先に向かったのがこのエンジンの展示ブースでした。660cc・直列2気筒ターボ。660ccの排気量で効率を考えるなら、3気筒よりも冷却損失とフリクション低減面で有利な2気筒というわけです。発表されているスペックは47kW/6000rpm、110Nm/2000rpm。ターボチャージャーで強制的にEGRを導入するシステムが特徴のひとつ。

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狙いはポンプロス低減とノッキング抑制効果。EGRを強制的にいれていくと、あるところで燃えにくくなるので、新技術のアクティブ着火システムで燃焼しやすくする考え。よく見ると、点火コイルのコネクターが気筒あたり2個ついています。一方が通常の点火系、もう一方は高周波のコントロール信号と電源信号を伝えるアクティブ着火系。

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キロヘルツ単位の高周波を点火プラグにかけると、イオン(電気を帯びた物質)を探りながら火花が移動し、移動速度を上げつつまわりの空気を巻き込んでプラズマ化するのだそう。燃焼の初期、1000分の1秒から3秒の間にアクティブ着火をし、その後はイオンともうひとつ別の方法(特許出願中)を組み合わせて燃焼状態をモニターし、フィードバック制御するそう。

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スペックの詳細は教えてくれませんでしたが、ヒントはくれました。ボア/ストローク比はミラ・イースが積むKF型(63.0×70.4mmで、1.1)と同等を狙っているそう。つまり、ロングストローク。

圧縮比は660cc・3気筒NAのKF型より高いと断言。つまり、11.3より上ってことです。しかも、ミラーサイクルはしていない。なぜなら、「660ccしかない排気量でミラーサイクル入れたら(実効圧縮比落としたら)厳しい」から。レギュラーガソリンの燃焼限界に挑戦、というわけです。

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排気側カム、とがっていますね。ぱっと開けて、ぱっと閉じる。コストのこともありますが、排気側VVTはあえて見送ったそう。排気干渉はなく、脈動は使える。2気筒特有のこの特徴をうまく使うと、VVTでできることはあまりないから、というのが採用を見送った理由。

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D-X(ディークロス)に搭載するエンジン、という想定です。往復慣性力はバランサーシャフトで打ち消せるとして、課題はトルク変動による振動でしょう(とくに低回転域)。「振動を考えるとクルマ側も頑張らないといけない」ので、新規プラットフォームとの組み合わせが不可欠。でも、そんなに先の話ではない、というニュアンスでした。

楽しみです。


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東京モーターショーで気になったモノ(86/BRZ編) [クルマ]

気がついたら過去のエントリーでクルマ全体が写った写真を取り上げていない。ので、反省を込めて(?)紹介しましょう。大いに話題の86/BRZですが、個人的には後ろ姿が好きです(写真はトヨタ86)。

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フロントとリヤが対になっていないと落ち着かない方のために、前も。

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クルマそのものも気になりますが、どう開発したのか詳しく知りたいゾ、と感じたのはアイシン・エーアイ製の中容量6速縦置きマニュアルトランスミッション。「AZ6」の製品名が与えられています。コンパクトですね。アルテッツァで使用していた6速MTがベースという話ですが、「約8割の部品を新たに設計」したのなら、新設計でいいでしょうと外野は思うのですが、だめなのでしょうか。

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気になるのは、
・シンクロ仕様の最適化、新規コントロール系構造採用などによりシフト荷重低減
・シフト荷重特性の最適化によるメリハリ感向上
を、具体的に、どんな手段で達成したのか、という点。

ギヤの連なり、美しいですね。チャンファー(シンクロナイザーの爪)のチューニングなども当然、手を付けていることでしょう。まず、操作してみたいですね。

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トヨタ紡織のブースには、86/BRZ用の吸気システムが展示してありました。

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スバルのブースで目を引いたのは、BRZのSUPER GT GT300クラス参戦車両。クオリティの高さはGT500に匹敵すると思うのですが、GT500は3.4L・V8を積まなければいけないので、ま、ありえませんね。

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後ろ姿も素敵。バンパーがぱっくり割れているところが空力的に意味ありげで、いいですね。

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東京モーターショーで気になったモノ(NSK編) [クルマ]

思わず手を叩いて(叩いたのは胸の内で)よろこんでしまいました。あまりにも企業のカラーがはっきり現れているので。下の写真にある展示物は、一見すると単なるモーターユニット(EVドライブシステム)です。

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NSKの提案は、モーターユニットを小型化すると、結果として車重が軽くなって航続距離が延びますよね、という提案。そこで目を付けたのがモーターの高回転化。モーターを高回転化すると電流を下げられるので小型化できる。ただし、高回転ではギヤが対応できないし音も大きくなるので、減速する必要があります。出力が同じなら、超高速モーター+減速機の方が、従来のモーターより小型化できるとの試算。

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展示物のモーターは4万rpmを想定。これを1万回転まで落とすのに減速機をつないでいるわけですが、その減速機、遊星ギヤならぬ遊星ローラーです。ハーフトロイダルCVTの開発で培った技術を応用したわけです。歯車を使わないので音の面で圧倒的に有利。サンギヤならぬサンローラーにモーターの回転が入り、3個の遊星ローラーを通じてリングに伝わる間、4分の1に減速される仕組み。おもしろい!

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近くには、ハーフトロイダルバリエーターを横置きにパッケージしたモジュールが置いてありました。いわゆる、FF用のトロイダルCVTです。レシオカバレッジは6.5。伝達効率は97%。特徴はいくつかあって、まずはクラッチやトルクコンバーターなどの発進デバイスが不要なこと。

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バリエーターと遊星歯車機構の組み合わせでギヤードニュートラル状態(変速比無限大)を作りだしているからですね。動力伝達系の中で動力を循環させておくことができるので、エンジンからの動力はつなぎっぱなしでオーケー。発進して速度に乗ると、遊星歯車への動力伝達を(クラッチで)断って、ハーフトロイダルバリエーター直結で駆動します。

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もうひとつの特徴は、モーター/ジェネレーターを備えていること。変速比無限大であることを効果的に使うと、大きなトルク増幅をかけられる。ということはつまり、小さなモーターで駆動できるし、ごく低速域までエネルギー回生ができる(ので効率を高められる。燃費が稼げる)というわけです。

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以上、あくまで計算上は、ですが、「前輪駆動用高効率トロイダルバリエーター」を積んだクルマに乗ってみたいとの思いが再燃する出会いでした。こうした出会いのあるところが、東京モーターショーのおもしろさ、でしょうか。

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東京モーターショーで気になったモノ(ブリヂストン編) [クルマ]

しばらく外出しない(できない?)ので、TMSネタでつなぎます。前回エントリーの流れでブリヂストンから。もっとも気になったのはコレ。「CAIS(カイズ)」と名付けられた技術です。Contact Area Information Sensingの略。

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タイヤトレッドの振動から路面状態を判断する技術です。トレッド面がいきなりアスファルトと叩くのと、水膜を叩いてからアスファルトを叩くのでは、振動の波形が違う。それを路面状態の判定に生かしています。乾燥/半湿/湿潤/シャーベット/積雪/圧雪/凍結の7種類に分類して判別することが可能。

現状、凍った路面にいきなり差し掛かった際など、感知した情報をドライバーに伝えることで注意を喚起する、といった使い方を想定しているようです。車両運動制御に応用したらおもしろそう、と説明員さんに伝えたところ、「自動車メーカーさんと議論しているところ」との回答でした。

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Gセンサーと小型発電機の組み合わせですが、発電機がかわいらしい。接地した際の衝撃で重りが回転。タイヤが1回転して、再び接地した際に、その衝撃で重りを加速、というメカニズム。50km/h時に60ミリワットの発電能力があるそう。この電力でセンサーを駆動すると同時に、車載解析装置に向けて無線で情報を送ります。

近くに置いてあったのは、「エコピアEP001S」。両立が難しい転がり抵抗性能とウェットグリップ性能を示すラベリング制度で、両性能とも最高グレードを達成したのが特徴。東京モーターショーの直前に発表されたタイヤです(発売は2012年7月頃の予定)。「クリアケース被っているので、見にくいし、撮影しにくい」という不満の声があったそうですが、確かに……。

展示してあるタイヤが偶然にも我が車と同じサイズだったので、じとぉーっと眺めてしまいました。交換するタイミングはまだ先でしょうが。

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ちょうど「非空気入りタイヤ」のプレゼンテーションをしていたので、こちらもじとぉーっと眺めました。まずは低速走行ゆえに負荷の大きくない電動カートから実用化、というメッセージでしょうか。トレッド、スポーク部ともに100%再生利用可能だそう。

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