【IMSA GTP】アキュラARX-06のギヤボックス(LMDh共通) [モータースポーツ]
2023年IMSAの開幕戦、デイトナ24時間はメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)60号車(アキュラARX-06)が総合優勝を果たしました。
2年連続でデイトナ24時間を制したことになります。
2位はウェイン・テーラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポーツのアキュラARX-06 10号車で、アキュラのワン・ツー。
アキュラは2年連続でワン・ツー・フィニッシュを果たしました。
ARX-06の60号車はギヤボックスの温度上昇の問題を抱えながらの走行だったことが伝えられています。
GTPクラスを走るLMDh車両のギヤボックスは全車共通で、Xトラック製。
P1359の名称を持つ横置き7速です。
メインシャフト前端(ベルハウジング側)にボッシュ製のモーター/ジェネレーターユニット(MGU。これも共通)を搭載しているのが特徴。
セミドライサンプのオイル潤滑システムを備えているそう。
ケーシングはマグネシウム合金製で、重量は78kg。
Xtrac P1359 Transverse LMDh Gearbox
P1359のベースとなっているのは、かつてLMP1やLMP2、GTPの前身であるDPiで用いられたP1159です。
P1159は2014年のWEC LMP1規定に合わせて開発されたギヤボックスで、LMP1向けは7速、LMP2とDPi向けは6速です。
P1159は、元をたどると1999年ル・マン24時間ウィナーのBMW V12 LMRや、2003年のベントレー・スピード8が搭載したギヤボックス(6速)に行き着くのだそう。
Xtrac P1159 Transverse LMP Gearbox
つまり、ハードウェアの信頼性は折り紙付きというわけです。
今回のMSRの場合、ギヤボックスの冷却系に何らかの不具合が発生して温度が上昇し、対処に追われたということでしょうか。
アキュラARX-06が搭載するエンジン(2.4L・V6ツインターボ)については、例によってThe RACER Channelが素晴らしい動画を公開しています(ギヤボックスも映っています。ベルハウジングはオレカ製)。
https://www.facebook.com/serakota/
2年連続でデイトナ24時間を制したことになります。
2位はウェイン・テーラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポーツのアキュラARX-06 10号車で、アキュラのワン・ツー。
アキュラは2年連続でワン・ツー・フィニッシュを果たしました。
ARX-06の60号車はギヤボックスの温度上昇の問題を抱えながらの走行だったことが伝えられています。
GTPクラスを走るLMDh車両のギヤボックスは全車共通で、Xトラック製。
P1359の名称を持つ横置き7速です。
メインシャフト前端(ベルハウジング側)にボッシュ製のモーター/ジェネレーターユニット(MGU。これも共通)を搭載しているのが特徴。
セミドライサンプのオイル潤滑システムを備えているそう。
ケーシングはマグネシウム合金製で、重量は78kg。
Xtrac P1359 Transverse LMDh Gearbox
P1359のベースとなっているのは、かつてLMP1やLMP2、GTPの前身であるDPiで用いられたP1159です。
P1159は2014年のWEC LMP1規定に合わせて開発されたギヤボックスで、LMP1向けは7速、LMP2とDPi向けは6速です。
P1159は、元をたどると1999年ル・マン24時間ウィナーのBMW V12 LMRや、2003年のベントレー・スピード8が搭載したギヤボックス(6速)に行き着くのだそう。
Xtrac P1159 Transverse LMP Gearbox
つまり、ハードウェアの信頼性は折り紙付きというわけです。
今回のMSRの場合、ギヤボックスの冷却系に何らかの不具合が発生して温度が上昇し、対処に追われたということでしょうか。
アキュラARX-06が搭載するエンジン(2.4L・V6ツインターボ)については、例によってThe RACER Channelが素晴らしい動画を公開しています(ギヤボックスも映っています。ベルハウジングはオレカ製)。
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【IMSA GTP】ポルシェ963の“9RD”エンジンなどについて [モータースポーツ]
IMSAの2023年開幕戦となるデイトナ24時間(1月28日〜29日)を前に、詳細な情報があちこちから出てきています。
GTPカテゴリーにLMDh車両の「963」を投入するポルシェもそのひとつ。
LMDh車両は新しいLMP2シャシーがベースで、2022年までのDPiと同様、マルチマチック、オレカ、ダラーラ、リジェの4社から選択することが可能です。
ポルシェはマルチマチックを選択しました。
やはりDPiと同様、LMDhもマニュファクチャラー独自のボディとエンジンを採用することができます(ただし、空力性能はパフォーマンスウィンドウに収める必要があり、エンジンは最高出力の上限が定められています)。
963のフロントセクションは、956/962へのオマージュ。
リヤの一文字テールランプは、992型911からの引用です。
エンジンは918スパイダーに起源を持つ4.6L・V8ツインターボを搭載。
当ブログの関連エントリーはこちら↓
【LMDh】ポルシェ963のエンジン
https://serakota.blog.ss-blog.jp/2022-06-26
最高出力は520kW (707ps)に制限。最低重量は180kg以上と規則で定められています。
918スパイダーが搭載するエンジンはドライサンプを採用していたこと、高出力化に有利なフラットプレーン・クランクシャフトを採用していたこと、低重心化やリヤサスペンションのマウントに向いているショートストロークを採用していたこと(エンジンの高さを抑えられる)が採用の決め手だったと、パワートレーン開発責任者のシュテファン・モーザー氏は説明しています。
90度の角度を持つバンク間には、ヴァン・ダー・リー(Van der Lee)製のターボチャージャーが2基収まっています。
過給圧はわずか0.3bar。大排気量+低過給のコンセプトで、これにより自然吸気エンジンに近いレスポンスを手に入れたそう。
ハイブリッドシステムは共通で、最高出力が30〜50kWに規定されているモーター/ジェネレーター・ユニット(MGU)はボッシュ製。
システム最高出力は520kWに規定されているので、MGUが力行している間、エンジンの出力はMGUの出力を差し引いた出力しか発生させることはできません(WECのハイパーカーと同様の規定)。
MGUは車両ミッドに搭載するエンジンとXトラック製7速トランスミッションの間(ベルハウジング)に搭載。
1.35kWhの容量を持つバッテリーはWAE(旧ウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング)製で、システム駆動電圧は800V。
ポルシェ内部で「9RD」と呼ばれるエンジンの主要スペックは以下のとおり。
9RD
形式:V型8気筒
排気量:4593cc
バンク角:90度
ボア:96mm
ストローク:81mm
最高出力:>515kW(700ps)
最高回転数:>8000rpm
ポルシェ963のインフォグラフィックはこちら↓
(クリックで拡大)
https://www.facebook.com/serakota/
GTPカテゴリーにLMDh車両の「963」を投入するポルシェもそのひとつ。
LMDh車両は新しいLMP2シャシーがベースで、2022年までのDPiと同様、マルチマチック、オレカ、ダラーラ、リジェの4社から選択することが可能です。
ポルシェはマルチマチックを選択しました。
やはりDPiと同様、LMDhもマニュファクチャラー独自のボディとエンジンを採用することができます(ただし、空力性能はパフォーマンスウィンドウに収める必要があり、エンジンは最高出力の上限が定められています)。
963のフロントセクションは、956/962へのオマージュ。
リヤの一文字テールランプは、992型911からの引用です。
エンジンは918スパイダーに起源を持つ4.6L・V8ツインターボを搭載。
当ブログの関連エントリーはこちら↓
【LMDh】ポルシェ963のエンジン
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最高出力は520kW (707ps)に制限。最低重量は180kg以上と規則で定められています。
918スパイダーが搭載するエンジンはドライサンプを採用していたこと、高出力化に有利なフラットプレーン・クランクシャフトを採用していたこと、低重心化やリヤサスペンションのマウントに向いているショートストロークを採用していたこと(エンジンの高さを抑えられる)が採用の決め手だったと、パワートレーン開発責任者のシュテファン・モーザー氏は説明しています。
90度の角度を持つバンク間には、ヴァン・ダー・リー(Van der Lee)製のターボチャージャーが2基収まっています。
過給圧はわずか0.3bar。大排気量+低過給のコンセプトで、これにより自然吸気エンジンに近いレスポンスを手に入れたそう。
ハイブリッドシステムは共通で、最高出力が30〜50kWに規定されているモーター/ジェネレーター・ユニット(MGU)はボッシュ製。
システム最高出力は520kWに規定されているので、MGUが力行している間、エンジンの出力はMGUの出力を差し引いた出力しか発生させることはできません(WECのハイパーカーと同様の規定)。
MGUは車両ミッドに搭載するエンジンとXトラック製7速トランスミッションの間(ベルハウジング)に搭載。
1.35kWhの容量を持つバッテリーはWAE(旧ウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング)製で、システム駆動電圧は800V。
ポルシェ内部で「9RD」と呼ばれるエンジンの主要スペックは以下のとおり。
9RD
形式:V型8気筒
排気量:4593cc
バンク角:90度
ボア:96mm
ストローク:81mm
最高出力:>515kW(700ps)
最高回転数:>8000rpm
ポルシェ963のインフォグラフィックはこちら↓
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【IMSA GTP】アキュラ、BMW、キャデラック、ポルシェのサウンド聞き比べ [モータースポーツ]
IMSAの2023年シーズンが、1月28日〜29日のデイトナ24時間で開幕します。
YouTubeのThe RACER Channelが興味深いコンテンツを立て続けにアップロードしておりまして、トップカテゴリーのGTPに投入されるアキュラ、BMW、キャデラック、ポルシェのテックツアーは見物です。
ここでは、サウンド(主に排気音)比較の動画を取り上げます。
アキュラARX-06は2.4L・V6ツインターボエンジンを搭載(60号車がポールポジションを獲得しました)。
Acura ARX-06 / 2.4L V6 Twin Turbo
BMW M Hybrid V8は4.0L・V8ツインターボを搭載。
BMW M Hybrid V8 / 4.0L V8 Twin Turbo
キャデラックV-LMDhは5.5L・V8自然吸気エンジンを搭載しています。
Cadillac V-LMDh / 5.5L V8 NA
ポルシェ963は4.6L・V8ツインターボです。
Porsche 963 / 4.6L V8 Twin Turbo
どもサウンドがお好みでしょう。
デイトナのバンクを全開で駆け抜ける音は、何度聞いてもいいですね。
https://www.facebook.com/serakota/
YouTubeのThe RACER Channelが興味深いコンテンツを立て続けにアップロードしておりまして、トップカテゴリーのGTPに投入されるアキュラ、BMW、キャデラック、ポルシェのテックツアーは見物です。
ここでは、サウンド(主に排気音)比較の動画を取り上げます。
アキュラARX-06は2.4L・V6ツインターボエンジンを搭載(60号車がポールポジションを獲得しました)。
Acura ARX-06 / 2.4L V6 Twin Turbo
BMW M Hybrid V8は4.0L・V8ツインターボを搭載。
BMW M Hybrid V8 / 4.0L V8 Twin Turbo
キャデラックV-LMDhは5.5L・V8自然吸気エンジンを搭載しています。
Cadillac V-LMDh / 5.5L V8 NA
ポルシェ963は4.6L・V8ツインターボです。
Porsche 963 / 4.6L V8 Twin Turbo
どもサウンドがお好みでしょう。
デイトナのバンクを全開で駆け抜ける音は、何度聞いてもいいですね。
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【F1】ホンダRA109の空力開発(幻) [F1]
ちょっと気を抜いたら発売から1ヵ月以上が経過してしまいました。
2009年のF1でダブルタイトルを獲得したブラウンGPが投入した車両、BGP001について、さまざまなエピソードを網羅したのが『GP Car Story Vol.42 Brawn BGP001』です。
この本のなかでは、BGP001の空力開発について、2022年に取材したエピソードが2本収録されています。
2012年12月に発売した『Motor Fan illustratedt特別編集 F1のテクノロジー5』では、ブラウンGP001になる前、本来ならばホンダRA109となるはずだった車両の空力開発について掲載しています。
タイトルは『幻となったRA109の空力開発』
このページの写真は、「RA109中間形状」の風洞モデルです。
童夢の風洞でのカット。
RA109はどのようなコンセプトで、どのようにして開発が行われたか、を説明しています。
2008年2月21日の開発最初期仕様の風洞モデルや、ノーズ形状をCFDで検討した様子などについて紹介しています。
フロントウイング翼端板の影響や開発について。
「ドラゴンノーズ」なるノーズを開発していました。
スリットディフューザー(ダブルディフューザー)の開発についてもまとめています。
GP Car Storyで興味を持たれた方、『F1のテクノロジー5』もおすすめです。
さすがに新品の入手は困難ですが、電子版なら現在でも入手可能。
ASB電子雑誌書店
https://www.as-books.jp
GP Car StoryのブラウンBGP001号は、Amazonにもまだ在庫があります(もちろん、ASB電子雑誌書店でも取り扱っています)。
https://www.facebook.com/serakota/
2009年のF1でダブルタイトルを獲得したブラウンGPが投入した車両、BGP001について、さまざまなエピソードを網羅したのが『GP Car Story Vol.42 Brawn BGP001』です。
この本のなかでは、BGP001の空力開発について、2022年に取材したエピソードが2本収録されています。
2012年12月に発売した『Motor Fan illustratedt特別編集 F1のテクノロジー5』では、ブラウンGP001になる前、本来ならばホンダRA109となるはずだった車両の空力開発について掲載しています。
タイトルは『幻となったRA109の空力開発』
このページの写真は、「RA109中間形状」の風洞モデルです。
童夢の風洞でのカット。
RA109はどのようなコンセプトで、どのようにして開発が行われたか、を説明しています。
2008年2月21日の開発最初期仕様の風洞モデルや、ノーズ形状をCFDで検討した様子などについて紹介しています。
フロントウイング翼端板の影響や開発について。
「ドラゴンノーズ」なるノーズを開発していました。
スリットディフューザー(ダブルディフューザー)の開発についてもまとめています。
GP Car Storyで興味を持たれた方、『F1のテクノロジー5』もおすすめです。
さすがに新品の入手は困難ですが、電子版なら現在でも入手可能。
ASB電子雑誌書店
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GP Car StoryのブラウンBGP001号は、Amazonにもまだ在庫があります(もちろん、ASB電子雑誌書店でも取り扱っています)。
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2023年F1の主なルール変更点 [F1]
Formula1.comが2023年のF1シーズンに導入される新しい規則に関し、10項目を取り上げて紹介しています。
詳しくはこちら↓
https://www.formula1.com/en/latest/article.from-cutting-curfews-to-grid-penalties-10-rule-changes-you-need-to-know.5EN5ENd23oOqFDnw8fD0rp.html
F1のテクニカルおよびスポーティングレギュレーションはこちらからダウンロードできます(英語版)↓
https://www.fia.com/regulation/category/110
1. ライドハイトとデュフューザーの調整
ポーポシング(空力的な理由で、高速走行時に車体が激しい上下動を繰り返す)対策を強化するため、以下の4点の変更が加えられます。
・フロアエッジを15mm持ち上げる
・ディフューザー・スロート部の高さを持ち上げる
・ディフューザー・エッジのスティフネスを上げる(変形しにくくする)
・追加のセンサー装着を義務づけ(より精度高くポーポシングをモニター)
2. ロールフープを強化
2022年第10戦イギリスGPでアルファロメオのジョウ・グアンユーがひっくり返った状態でスライドしたアクシデントを受け、ロールフープはラウンドした構造の一択となりました(12.4.1)。
アルファロメオC42のようなブレード型では、地面に突き刺さって効果を失う恐れがあるためです。
さらに、ロール構造のテストに横方向と垂直方向に加え、前方に荷重を掛けるテストが加えられました(13.3.1)。
Alfa Romeo C42(Blade Type)
Alpha Tauri AT03(Round Type)
3. 最低重量を変更
2022年は開幕直前に最低重量が引き上げられ、798kgに定められました。これにより、最低重量オーバーだったチームは少し楽になった経緯があります(逆に、頑張ったチームはアドバンテージを失いました)。
2023年は796kgに規定されています(4.1)。
4. リヤビューミラーの面積を拡大
ドライバーの視界確保のため、鏡面の幅が従来の150mmから200mmに拡大されます(14.2.2)。
50mmの高さに変更はありません。
5. スプリントレースの開催数を倍増
土曜日に行うスプリントレースの開催数は、2022年の22戦中「3」から2023年は23戦中「6」に倍増します。
第4戦アゼルバイジャン
第10戦オーストリア
第13戦ベルギー
第18戦カタール
第19戦アメリカ(COTA)
第21戦ブラジル
6. チームメンバーの労働時間を短縮
金曜日の労働禁止時間が1時間長くなり、2024年にはさらに制限が強くなります。
また、水曜日と木曜日に関しても同様で、管理が厳しくなります(2024年はさらに)。
7. 新予選フォーマットとDRSを検証
予選はQ1、Q2、Q3の3つのセッションに分けて行っていますが、「リバイズド・クオリファイイング・フォーマット(RQF)」と名づけ、Q1はハードタイヤ、Q2はミディアム、Q3はソフトの使用を義務づけるトライを行うそう。
現行規則では、ドライタイヤ13セット、インターミディエイト4セット、ウエット3セットの使用が認められていますが、RQFではそれぞれ11セット、4セット、3セット(ドライのみ削減)に制限されます。
DRSに関してはこれまで、スタート後(再スタート後、セーフティカー走行明け)3周目以降に使用が許可されていましたが、これを1周早めるトライを実施します。
RQFと新しいDRSについては、スプリント・セッションのあるイベントで運用し、効果を検証。ルール統括/レース運営側の期待どおりの効果が得られれば、2024年に正式に導入されます。
8. ギヤボックス変更の理由拡大
これまではギヤボックスの仕様変更を行う場合、「信頼性の問題を解消するため」か「コスト削減のため」でなければなりませんでした。
新規則では、「材料、プロセス、または独自の部品が利用できなくなった」という理由も認められることになりました。
性能上有利になるような変更が認められないのはこれまでどおりで、変更した内容はFIAを通じ、全チームに通知されます。
9. グリッド降格ペナルティの明確化
2022年シーズンにはグリッド降格ペナルティについて混乱が見られたので、その対策を打ってきました。
「15グリッドより多いグリッド降格ペナルティを受けたドライバー、または最後尾グリッドからスタートするようペナルティを受けたドライバーは、他の、予選を通過したドライバーよりも後方でスタートする。上記のドライバーの相対的な位置は、予選順位に従って決定する」(意訳)ことになります。
10. 燃料温度に関する規則が緩和
「車載されている燃料はガレージを出た時点で、外気温より10℃を超えて下回ってはならない、もしくは、10℃以下であってはならない」(意訳)と定められました。
以前は20℃が上限でした。
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F1のテクニカルおよびスポーティングレギュレーションはこちらからダウンロードできます(英語版)↓
https://www.fia.com/regulation/category/110
1. ライドハイトとデュフューザーの調整
ポーポシング(空力的な理由で、高速走行時に車体が激しい上下動を繰り返す)対策を強化するため、以下の4点の変更が加えられます。
・フロアエッジを15mm持ち上げる
・ディフューザー・スロート部の高さを持ち上げる
・ディフューザー・エッジのスティフネスを上げる(変形しにくくする)
・追加のセンサー装着を義務づけ(より精度高くポーポシングをモニター)
2. ロールフープを強化
2022年第10戦イギリスGPでアルファロメオのジョウ・グアンユーがひっくり返った状態でスライドしたアクシデントを受け、ロールフープはラウンドした構造の一択となりました(12.4.1)。
アルファロメオC42のようなブレード型では、地面に突き刺さって効果を失う恐れがあるためです。
さらに、ロール構造のテストに横方向と垂直方向に加え、前方に荷重を掛けるテストが加えられました(13.3.1)。
Alfa Romeo C42(Blade Type)
Alpha Tauri AT03(Round Type)
3. 最低重量を変更
2022年は開幕直前に最低重量が引き上げられ、798kgに定められました。これにより、最低重量オーバーだったチームは少し楽になった経緯があります(逆に、頑張ったチームはアドバンテージを失いました)。
2023年は796kgに規定されています(4.1)。
4. リヤビューミラーの面積を拡大
ドライバーの視界確保のため、鏡面の幅が従来の150mmから200mmに拡大されます(14.2.2)。
50mmの高さに変更はありません。
5. スプリントレースの開催数を倍増
土曜日に行うスプリントレースの開催数は、2022年の22戦中「3」から2023年は23戦中「6」に倍増します。
第4戦アゼルバイジャン
第10戦オーストリア
第13戦ベルギー
第18戦カタール
第19戦アメリカ(COTA)
第21戦ブラジル
6. チームメンバーの労働時間を短縮
金曜日の労働禁止時間が1時間長くなり、2024年にはさらに制限が強くなります。
また、水曜日と木曜日に関しても同様で、管理が厳しくなります(2024年はさらに)。
7. 新予選フォーマットとDRSを検証
予選はQ1、Q2、Q3の3つのセッションに分けて行っていますが、「リバイズド・クオリファイイング・フォーマット(RQF)」と名づけ、Q1はハードタイヤ、Q2はミディアム、Q3はソフトの使用を義務づけるトライを行うそう。
現行規則では、ドライタイヤ13セット、インターミディエイト4セット、ウエット3セットの使用が認められていますが、RQFではそれぞれ11セット、4セット、3セット(ドライのみ削減)に制限されます。
DRSに関してはこれまで、スタート後(再スタート後、セーフティカー走行明け)3周目以降に使用が許可されていましたが、これを1周早めるトライを実施します。
RQFと新しいDRSについては、スプリント・セッションのあるイベントで運用し、効果を検証。ルール統括/レース運営側の期待どおりの効果が得られれば、2024年に正式に導入されます。
8. ギヤボックス変更の理由拡大
これまではギヤボックスの仕様変更を行う場合、「信頼性の問題を解消するため」か「コスト削減のため」でなければなりませんでした。
新規則では、「材料、プロセス、または独自の部品が利用できなくなった」という理由も認められることになりました。
性能上有利になるような変更が認められないのはこれまでどおりで、変更した内容はFIAを通じ、全チームに通知されます。
9. グリッド降格ペナルティの明確化
2022年シーズンにはグリッド降格ペナルティについて混乱が見られたので、その対策を打ってきました。
「15グリッドより多いグリッド降格ペナルティを受けたドライバー、または最後尾グリッドからスタートするようペナルティを受けたドライバーは、他の、予選を通過したドライバーよりも後方でスタートする。上記のドライバーの相対的な位置は、予選順位に従って決定する」(意訳)ことになります。
10. 燃料温度に関する規則が緩和
「車載されている燃料はガレージを出た時点で、外気温より10℃を超えて下回ってはならない、もしくは、10℃以下であってはならない」(意訳)と定められました。
以前は20℃が上限でした。
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【TAS 2023】Hondaシビック・タイプR-GTコンセプト [モータースポーツ]
まさか2024年のSUPER GT GT500クラスに投入する車両が発表されるとは思っておらず、『東京オートサロン2023』では、軽い気持ちでホンダの記者会見に臨んでおりました。
ま、しかし、ベールをまとった状態でも「ただ者ではない」感はプンプン漂ってはおりましたが。
まさか、シビック・タイプRがベース車両だとは(モノコックは全車共通で、FRの駆動方式も、2.0L直4直噴ターボエンジンをフロントに縦置き搭載することも共通で、スタイリング上のベース車両がという意味ですが)。
「2ドアではなく4ドア(シビック・タイプは5ドアですが)がベース車でもいいんだ」との疑問が湧きましたが、規定上は2017年から「4ドア可」になっていたのだそう。
これまで誰も4ドアをベース車に選択しなかっただけの話らしく。
展示車両はモックアップで、スプリッターやディフューザーは2016年までの規定に合致しており、ゆえにスプリッターは長く、ディフューザーは現行規定より高い状態です。
ただしスケーリングは行われており、空力的に使えるフロントフェンダーの張り出し部分は、現行GT500車両のNSX-GTよりも広くなっていることがわかります。
Honda Civic Type R-GT Concept
Honda NSX-GT
フリックボックスの調整しろが増えたのは、開発側にとっては好都合でしょう。
ルーフからリヤデッキにかけてのラインと形状は、NSXとシビックでは違いが大きく、これまでNSXの開発で蓄積してきた知見をそっくりそのまま生かすわけにはいかないのが悩ましい点(だそう)。
後端にデッキ(平らな部分)がないのも、空力的には困りものだとか。
現状はドアノブの形状も含めてリヤドアが残っていますが、このあたりの(面倒な)処理をどうするか、ルール統括側と煮詰めつつ、空力パッケージを最適化していくことになります。
進捗が楽しみですね。
https://www.facebook.com/serakota/
ま、しかし、ベールをまとった状態でも「ただ者ではない」感はプンプン漂ってはおりましたが。
まさか、シビック・タイプRがベース車両だとは(モノコックは全車共通で、FRの駆動方式も、2.0L直4直噴ターボエンジンをフロントに縦置き搭載することも共通で、スタイリング上のベース車両がという意味ですが)。
「2ドアではなく4ドア(シビック・タイプは5ドアですが)がベース車でもいいんだ」との疑問が湧きましたが、規定上は2017年から「4ドア可」になっていたのだそう。
これまで誰も4ドアをベース車に選択しなかっただけの話らしく。
展示車両はモックアップで、スプリッターやディフューザーは2016年までの規定に合致しており、ゆえにスプリッターは長く、ディフューザーは現行規定より高い状態です。
ただしスケーリングは行われており、空力的に使えるフロントフェンダーの張り出し部分は、現行GT500車両のNSX-GTよりも広くなっていることがわかります。
Honda Civic Type R-GT Concept
Honda NSX-GT
フリックボックスの調整しろが増えたのは、開発側にとっては好都合でしょう。
ルーフからリヤデッキにかけてのラインと形状は、NSXとシビックでは違いが大きく、これまでNSXの開発で蓄積してきた知見をそっくりそのまま生かすわけにはいかないのが悩ましい点(だそう)。
後端にデッキ(平らな部分)がないのも、空力的には困りものだとか。
現状はドアノブの形状も含めてリヤドアが残っていますが、このあたりの(面倒な)処理をどうするか、ルール統括側と煮詰めつつ、空力パッケージを最適化していくことになります。
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【TAS 2023】マツダのドライビングサングラス(参考出品) [クルマ]
『東京オートサロン2023』には、前年スキップしたマツダが復帰していました。
こちら↓は、2023年のスーパー耐久シリーズST-5クラスに参戦する「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」。
「マツダがサポートする参加型モータースポーツ出身ドライバーに、スーパー耐久レースへのステップアップ、挑戦の機会を提供する狙い」の車両です。
いい色ですね。
こちら↓は、やはり2023年のスーパー耐久シリーズ、ST-Qクラスに参戦する「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」。
バイオディーゼル燃料を使用。
目を引いたのは、MAZDA SPIRIT RACING COLLECTIONの展示アイテムでした。
発売予定(年内?)のドライビングシューズは試着が可能でした(試着した経験があるので、今回は試着を見送りました。サイズのあたりはおおよそついております)。
シューズにも増してひかれたのは、参考出品のドライビングサングラス。
チタンフレームに偏光グラスは好みのど真ん中に刺さりますし、カタチもいい。
発売時期は「遠いかなぁ」とのことでしたが、次の情報を楽しみに待ちたいと思います。
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こちら↓は、2023年のスーパー耐久シリーズST-5クラスに参戦する「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」。
「マツダがサポートする参加型モータースポーツ出身ドライバーに、スーパー耐久レースへのステップアップ、挑戦の機会を提供する狙い」の車両です。
いい色ですね。
こちら↓は、やはり2023年のスーパー耐久シリーズ、ST-Qクラスに参戦する「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」。
バイオディーゼル燃料を使用。
目を引いたのは、MAZDA SPIRIT RACING COLLECTIONの展示アイテムでした。
発売予定(年内?)のドライビングシューズは試着が可能でした(試着した経験があるので、今回は試着を見送りました。サイズのあたりはおおよそついております)。
シューズにも増してひかれたのは、参考出品のドライビングサングラス。
チタンフレームに偏光グラスは好みのど真ん中に刺さりますし、カタチもいい。
発売時期は「遠いかなぁ」とのことでしたが、次の情報を楽しみに待ちたいと思います。
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【TAS 2023】トヨタAE86 H2 Concept&AE86 BEV Concept [クルマ]
『東京オートサロン 2023』(1月13日〜15日、幕張メッセ)に行って参りました。8時間ほぼ立ちっぱなしでしたが、そのうち4時間くらいは立ち話していたような……。
しょっぱなのプレスカンファレンスはいつものようにTOYOTA GAZOO Racingでした。
1月6日に公開されたブースのイメージ図にAE86が2台(小さく)並んで描いてあることから、SNS界隈では憶測が飛び交っていましたが、水素エンジン車とバッテリーEVに換装した車両でした。
水素エンジン車のほうはAE86 H2 Concept(右)、バッテリーEV(BEV)に換装した車両はAE86 BEV Concept(左)です。
こられの車両を開発した狙いについては、動画を見ていただくのが一番です(手抜き)。
保有車(大切に乗り続けている誰かの愛車)に対する“愛”です。
水素エンジン車のエンジンルームは、4A-Gが載るオリジナルとほぼ同じで、吸気系の一部が異なる程度。
AE86 H2 Concept
BEVは大きく様子が異なっています。
縦置きパワートレーン(モーター+6速MT)のBEV、いいですね。
手前に見えているのがモーター。奥の四角いのがインバーターで、インバーターの下にトランスミッションが隠れています。
AE86 BEV Concept
いま一番乗ってみたいクルマかも。
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しょっぱなのプレスカンファレンスはいつものようにTOYOTA GAZOO Racingでした。
1月6日に公開されたブースのイメージ図にAE86が2台(小さく)並んで描いてあることから、SNS界隈では憶測が飛び交っていましたが、水素エンジン車とバッテリーEVに換装した車両でした。
水素エンジン車のほうはAE86 H2 Concept(右)、バッテリーEV(BEV)に換装した車両はAE86 BEV Concept(左)です。
こられの車両を開発した狙いについては、動画を見ていただくのが一番です(手抜き)。
保有車(大切に乗り続けている誰かの愛車)に対する“愛”です。
水素エンジン車のエンジンルームは、4A-Gが載るオリジナルとほぼ同じで、吸気系の一部が異なる程度。
AE86 H2 Concept
BEVは大きく様子が異なっています。
縦置きパワートレーン(モーター+6速MT)のBEV、いいですね。
手前に見えているのがモーター。奥の四角いのがインバーターで、インバーターの下にトランスミッションが隠れています。
AE86 BEV Concept
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【WEC】2023年シーズン(シーズン11)暫定エントリーリスト [モータースポーツ]
2023年に11回目のシーズンを迎えるWEC(FIA世界耐久選手権)の暫定エントリーリストが発表されました。
LMGTE Proが2022年シーズン限りで終了したので、2023年シーズンはハイパーカー、LMP2、LMGTE Amの3カテゴリーで構成されます。
ハイライトは13台がエントリーするハイパーカー・カテゴリーでしょうか。
壮観でしょうね。
(クリックで拡大)
車両の種類は「7」で以下のようになります。カッコ内は規格/登場年。
キャデラックV-LMDh(LMDh/2023年) 1台
ヴァンウォール・ヴァンダーヴェル680(LMH/2023年) 1台
ポルシェ963(LMDh/2023年) 4台(ワークス2台/プライベーター2台)
トヨタGR010ハイブリッド(LMH/2021年) 2台
フェラーリ499P(LMH/2023年) 2台
プジョー9X8(LMH/2022年) 2台
グリッケンハウス007(LMH/2021年) 1台
ヴァンウォール(実体はバイコレス)とグリッケンハウスはノンハイブリッドです。
(クリックで拡大)
2024年からLMDhでの参戦を表明しているアルピーヌはLMP2にエントリー(2台)しています。
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壮観でしょうね。
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キャデラックV-LMDh(LMDh/2023年) 1台
ヴァンウォール・ヴァンダーヴェル680(LMH/2023年) 1台
ポルシェ963(LMDh/2023年) 4台(ワークス2台/プライベーター2台)
トヨタGR010ハイブリッド(LMH/2021年) 2台
フェラーリ499P(LMH/2023年) 2台
プジョー9X8(LMH/2022年) 2台
グリッケンハウス007(LMH/2021年) 1台
ヴァンウォール(実体はバイコレス)とグリッケンハウスはノンハイブリッドです。
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富士モータースポーツミュージアム:ゾーン15(ほか絶景など)編 [モータースポーツ]
富士モータースポーツミュージアム最後のゾーン「15」は、「これからのモビリティとモータースポーツ」がテーマ。
「カーボンニュートラルに向けた新たな挑戦」としてスーパー耐久シリーズに参戦するMAZDA2 Bio concept(バイオディーゼル燃料を使用)とORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept(水素エンジン車)が紹介されています。
車両展示がないのは、どちらも「現役だから」だそう。
富士モータースポーツミュージアム
https://fuji-motorsports-museum.jp
駆け足(比喩です)でしたが、これで展示車両の見学は終了(見逃し多数です)。
3階に移動すると、絶景が広がっていました。
最終セクターからメインストレートを望む位置にカフェスペースがあります。
テラスもあります。
物販コーナーもありましたが、見学時間の都合から泣く泣く素通り。
近くに、世界各地のサーキットレイアウトをランダムに重ねた地球儀様のオブジェがありました。
富士スピードウェイもどこかに隠れています。
3階から1階に降りるエスカレーターから見た風景。
こちらも絶景ですが、心残り感をたっぷり感じます。
素晴らしいミュージアムでした(再訪誓う)。
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「カーボンニュートラルに向けた新たな挑戦」としてスーパー耐久シリーズに参戦するMAZDA2 Bio concept(バイオディーゼル燃料を使用)とORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept(水素エンジン車)が紹介されています。
車両展示がないのは、どちらも「現役だから」だそう。
富士モータースポーツミュージアム
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駆け足(比喩です)でしたが、これで展示車両の見学は終了(見逃し多数です)。
3階に移動すると、絶景が広がっていました。
最終セクターからメインストレートを望む位置にカフェスペースがあります。
テラスもあります。
物販コーナーもありましたが、見学時間の都合から泣く泣く素通り。
近くに、世界各地のサーキットレイアウトをランダムに重ねた地球儀様のオブジェがありました。
富士スピードウェイもどこかに隠れています。
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こちらも絶景ですが、心残り感をたっぷり感じます。
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