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東京モーターショーで気になったエンジン(ダイハツ編) [クルマ]

挑戦する姿勢が気になるからでしょうか。ショー会場で真っ先に向かったのがこのエンジンの展示ブースでした。660cc・直列2気筒ターボ。660ccの排気量で効率を考えるなら、3気筒よりも冷却損失とフリクション低減面で有利な2気筒というわけです。発表されているスペックは47kW/6000rpm、110Nm/2000rpm。ターボチャージャーで強制的にEGRを導入するシステムが特徴のひとつ。

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狙いはポンプロス低減とノッキング抑制効果。EGRを強制的にいれていくと、あるところで燃えにくくなるので、新技術のアクティブ着火システムで燃焼しやすくする考え。よく見ると、点火コイルのコネクターが気筒あたり2個ついています。一方が通常の点火系、もう一方は高周波のコントロール信号と電源信号を伝えるアクティブ着火系。

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キロヘルツ単位の高周波を点火プラグにかけると、イオン(電気を帯びた物質)を探りながら火花が移動し、移動速度を上げつつまわりの空気を巻き込んでプラズマ化するのだそう。燃焼の初期、1000分の1秒から3秒の間にアクティブ着火をし、その後はイオンともうひとつ別の方法(特許出願中)を組み合わせて燃焼状態をモニターし、フィードバック制御するそう。

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スペックの詳細は教えてくれませんでしたが、ヒントはくれました。ボア/ストローク比はミラ・イースが積むKF型(63.0×70.4mmで、1.1)と同等を狙っているそう。つまり、ロングストローク。

圧縮比は660cc・3気筒NAのKF型より高いと断言。つまり、11.3より上ってことです。しかも、ミラーサイクルはしていない。なぜなら、「660ccしかない排気量でミラーサイクル入れたら(実効圧縮比落としたら)厳しい」から。レギュラーガソリンの燃焼限界に挑戦、というわけです。

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排気側カム、とがっていますね。ぱっと開けて、ぱっと閉じる。コストのこともありますが、排気側VVTはあえて見送ったそう。排気干渉はなく、脈動は使える。2気筒特有のこの特徴をうまく使うと、VVTでできることはあまりないから、というのが採用を見送った理由。

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D-X(ディークロス)に搭載するエンジン、という想定です。往復慣性力はバランサーシャフトで打ち消せるとして、課題はトルク変動による振動でしょう(とくに低回転域)。「振動を考えるとクルマ側も頑張らないといけない」ので、新規プラットフォームとの組み合わせが不可欠。でも、そんなに先の話ではない、というニュアンスでした。

楽しみです。


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