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【人テク2022】日野ダカールラリー車両のLICモジュール [モータースポーツ]

思わぬところで“発見”があるのも、『人とくるまのテクノロジー展』の楽しみのひとつです。

ジェイテクトのブースで見つけたコレもそのひとつ。

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日野自動車の2022年ダカールラリー参戦車両が搭載する「高耐熱LIC搭載モジュール」です。

LICはリチウムイオンキャパシタの頭文字をとったもの。

展示品は30直列モジュールで、幅222×高さ172×奥行き602mm、質量は18.0kg。

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鉛蓄電池からの置換が可能な12V系モジュール(質量2.5kg)も展示されていました。

2024年のSOPを予定。

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HINO 600シリーズをベースにした参戦車両は、排気量8866ccの直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載。最高出力は588kW(800ps)、最大トルクは2430Nm。

これに、206kW(280ps)のモーターを加えたハイブリッドシステムで、システム最高出力は794kW(1080ps)と発表されています。

HINO Team SUGAWARA×ダカールラリー2022のダイジェスト動画はこちら↓



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【人テク2022】三五(Sango)の水素エンジン用排気システム [モータースポーツ]

スーパー耐久シリーズに参戦する、いわゆる「水素エンジンカローラ」の排気システムです。

エンジンはGRヤリスが搭載するG16E-GTS型、1.6L・直列3気筒直噴ターボがベース。

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「いい音しているな」と思っていたのですが、音色づくりしていたのですね。

三五製で、フルチタン。

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「水素らしい音色」がテーマだったそうですが、水素だろうがガソリンだろうが、音は基本的にエンジンの気筒数と回転数で決まってしまうので、「軽くて高い音」を狙ってチューニングしたそう。

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レクサスLFA(何度聴いても、いい音しています)などの音色づくりで培ったノウハウが生かされています。

GRヤリスの排気システムも三五が音色を提案。

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最新事例はSUBARU BRZ用STIパフォーマンスマフラー(アフターパーツ)です。

音色、気になりますね。

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水素エンジンカローラが奏でる音色と水素エンジンをレースで鍛える意義については、こちら↓の動画でご確認ください(2021年版)。



水素エンジン開発一辺倒ではなく、音色にまでこだわっているところがいいですね。

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【人テク2022】「自立」するホンダのライディングアシスト [クルマ]

ホンダのブースを見学していたときのことです。GMと共同開発している新しい燃料電池システムなどを順路にしたがって見学していたら、2輪に出くわしました。

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ホンダなので2輪が展示してあっても不思議ではありません。

と思って通り過ぎようとしたのですが、「自立している」と知り、目が釘付けになりました。

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自立させることが目的ではなく、「二輪車の持つ潜在的リスクである『転倒』への不安を軽減し、もっと多くの方に安心で爽快なライディングの楽しみを感じていただく」のが開発の狙い。

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前輪と後輪の操舵機構(下の写真は後輪部分)により、倒れようとする方向と反対側に車体を動かし、自立させています。

車体が小刻みにブルブル震えていて、見ていて飽きません。派手に動かないのに面白いとは、これいかに。

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動画↓だと、効果がよくわかります。



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【人テク2022】NGKのプレチャンバープラグ(開発中) [クルマ]

『人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA』(5月25日〜27日/パシフィコ横浜)が始まりました。

リアルな環境での開催は2019年以来、3年ぶりの開催かと。

取材したというより、久しぶりに顔を合わせた人と立ち話して一日終わった感じでした(まともに取材できていないことに対する言い訳)。

それでも、目についた展示物はいくつかあり(たぶん、見逃し多数)、NGKのプレチャンバープラグ(開発中)がそのひとつ。

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F1をはじめとするモータースポーツ用途ではなく、量産ガソリンエンジン向けです。

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先端はこんなふう。

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プレチャンバー(副室)はすでに、マセラティがMC20の3.0L・V6ターボエンジンに適用しています。

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プレチャンバーは冷間始動や低回転低負荷などの領域を不得意とするので、マセラティのエンジンの場合は、そうした領域で使う通常のスパークプラグ(Side Spark Plug)も燃焼室の端に配置しています。

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NGKのプレチャンバープラグは、コンベンショナルなスパークプラグをプレチャンバープラグに置き換えるだけで(既存の取り付け孔を使用可能)、全領域でプレチャンバーイグニッションが可能になるのが特徴。

つまり、補助プラグは不要というわけ。

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量産エンジンへの適用、待ち望んでおります。

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ちなみに、ホンダF1パワーユニットへの適用については、『ホンダF1のテクノロジー』をご参照ください。

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同じNGK(日本特殊陶業)製です。

使っている材料も含めてまったく別物ですが。



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ドッグクラッチ式トランスミッションのドッグ [モータースポーツ]

E-TECH HYBRIDと呼ぶハイブリッドシステムを搭載するルノー・アルカナは、変速機構に「F1をはじめとするモータースポーツで使用されるドッグクラッチを採用し」と説明しています。

いきなり本題にいきますが、下の写真の矢印の先がドッグクラッチの「ドッグ」です。

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写真は2015年のスーパーフォーミュラが搭載していたリカルド製6速トランスミッションです。

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車両前方、エンジン側からの眺め。

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メインシャフトに伝わってきた力はカウンターシャフト側のギヤに伝わります。メインシャフトのギヤとカウンターシャフトのギヤは常に噛み合っています。

カウンターシャフトのギヤはカウンターシャフト上を空転しています。

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カウンターシャフトに噛み合っているのはクラッチリングで、このクラッチリングをセレクターフォークで動かします(バレルを回転させることにより)。

クラッチリングとカウンターシャフト上のギヤの側面にはそれぞれドッグがあり、このドッグが噛み合うことで(丸囲み部分)カウンターシャフトに力が伝達されます。

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アルカナの変速機構部分です↓

だいぶ様子が異なりますが、スリーブ/ハブ/シンクロナイザーリングといった回転同期機構を持たない点では共通しています。

変速時間短縮が主な狙い。

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ルノー・アルカナについてはこちらを↓



トルク切れのあるコンベンショナルなドッグクラッチ式トランスミッションと、トルク切れのないシームレスな変速を実現しているF1のトランスミッションについては、こちら↓で解説しています。



こんな感じで。

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【LMH】プジョー9X8のディテール [モータースポーツ]

レースリバリー(実戦仕様のカラーリング)が公開されたプジョー9X8、オンライン記者会見ではディテールがチラッと写っていたので確認していきましょう。

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ヘッドライトは最新プジョーの量産モデルに共通する(といっても、208の上級グレードには採用されていますが、それより新しい308には採用されず)ライオンの3本の爪あとをモチーフにしたデイタイムランニングライトが採用されています。

LEDの光源が6ユニット収まっています。2023年のル・マンもこのままでしょうか。

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新しいライオンエンブレムです。

エンブレムの奥に三角形のダクトが見えます。

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フロントフェンダー上面の開口部まわりにはフェンスが追加されています。

ホイールハウスから出てくる乱れた流れは「外へ」流す意図でしょうか。

熱交換器の冷却風はサイドポンツーン上面から取り入れる構造。

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リヤウイングレスであることに変わりはありませんが、リヤフェンダー後端にフラップが追加されています。

これとカウル後端のガーニーフラップで空力の前後バランスを調整する考えでしょうか。

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フロントの開口部、大きいですね。

フロントのホイールセンターの横あたりに縦渦を流す目的(?)のカナードが追加されています。

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前すぼまりのサイドポンツーンとフロントフェンダーの関係がおもしろいですね。

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フロアのエッジ部はラウンドした処理。

サイドポンツーンの前端にもスリット状の開口部があるように見えます。

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【LMH】プジョー9X8はモンツァ6時間で実戦デビュー [モータースポーツ]

プジョーは5月20日にオンラインで記者会見を開き、ポルトガルのポルティマオ・サーキットと中継を結んでWECのハイパーカーカテゴリーに投入するLMH車両、9X8(ナイン・エックス・エイト)のレースリバリー(実戦投入車両のカラーリング)を発表しました。

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グレー基調ですね。

記者会見では、7月10日に決勝レースが行われる第4戦モンツァ6時間(イタリア)で実戦デビューを果たすことも発表されました。

93号車と94号車の2台で参戦します。ドライバーラインアップも正式に発表され、ポール・ディ・レスタ、ロイック・デュバル、ミケル・イエンセン、グスタボ・メネゼス、ジェームス・ロシター、ジャン-エリック・ベルニュの6名で臨みます。

当初はケビン・マグヌッセンがメンバーに入っていましたが、ハースからF1に復帰したため、開発ドライバーのロシターがレギュラードライバーに昇格しました。

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23ページのプレスキットはこちら↓のリンクで閲覧できます。

https://indd.adobe.com/view/5cdd60a9-a564-41b4-9458-ac083c59f553

チームのタイトルスポンサーを務めるトタルエナジーズ発の動画です。



ディテールの観察は別の機会で。

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日産サクラのバッテリーとリヤサスペンション [クルマ]

「軽」の電気自動車、日産サクラ、発表されましたね(同時に、三菱自動車のeKクロスEVもデビュー)。

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搭載するリチウムイオンバッテリーの総電力量は20kWhです。

取材会場に展示してあったバッテリーパックを見て、「こんなに小さいの?」と思いました。

下の写真は2010年に発売された初代リーフが積んでいたバッテリーパックで、容量は24kWh。

Nissan Leaf 24kWh(2010)
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古いイメージにとらわれすぎていました。

サクラのバッテリーパック(20kWh)はこの大きさ。

体積エネルギー密度が大きく向上していることをうかがわせます。

Nissan Sakura 20kWh
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だいぶ小さく済ませられるようになったとはいえ、軽自動車のサイズを考えれば大物部品であることに変わりはありません。

サクラのプラットフォームはガソリンエンジンを積むデイズ/ルークスがベースです。

トーションビーム式(TBA)のリヤサスペンションだと、いわゆるセンタートンネル部分に搭載するバッテリーパックと左右のトレーリングアームをつなぐビーム(左右方向の棒)が干渉してしまいます。

下の写真はルークスのリヤサスペンションです。

Nissan Roox 2WD
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サクラは「トルクアーム式3リンク」を採用しています。

TBAは平面視した際、後輪の中心よりも前方にビームが位置していますが、トルクアーム式3リンクの場合、ビームはタイヤ中心の近くに位置。この構造の違いによってバッテリー搭載スペースを確保しています。

後ろから覗き込むと、横力を受けるためのパナールロッド(矢印。左右2本のトレーリングアームに加え、3本目のリンク)が見えます。

Nissan Sakura
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右横から床下を覗くと、トレーリングアームの車体側取り付け点(矢印)の向こうに、駆動用バッテリーがチラッと見えます。

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【LMDh】ランボルギーニが2024年からIMSA/WECに参戦 [モータースポーツ]

ランボルギーニのモータースポーツ部門、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセ(Lamborghini Scuadra Corse)は5月17日、LMDhを選択して2024年にWECのハイパーカー・クラスとIMSAのGTPクラスからデビューすると発表しました。

ビッグニュースが続きますね。

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あんまり新規エントリーの発表が続いているので、自分の頭の中を整理する目的で、現時点で判明しているメーカー/チームの動向をまとめてみました。

来年以降はエラいことになりそうですね。

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いろいろ調べている段階で、バイコレス(ヴァンウォール)が公開している動画に行き当たりました(今まで見逃していました)。

ギブソン製のエンジンとその後方のベルハウジング〜ギヤボックス、リヤサスペンションまわりの様子が確認できます。



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【WEC】プジョー9X8×マレリ [モータースポーツ]

プジョー・スポールは5月16日、マレリと複数年のパートナーシップを契約したと発表しました。

マレリは、今シーズン中にもWECハイパーカーカテゴリーでの参戦を予定している(首を長くして待ってます)プジョー9X8の駆動モーターと、シリコンカーバイドを用いたインバーターを供給するそう。

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マレリはプジョー・スポールに技術を提供するだけでなく、オフィシャルパートナーを務めることになります。

「Marelli」のロゴがフロントフェンダーに現れたのはそのためで、ドライバーのオーバーオールやチームウェアにもロゴが掲出されます。

プジョー・スポールは、「マレリとはプジョー905以来の長い付き合いがある」と説明しています。

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下の写真は2012年のル・マン24時間で展示されていた車両(90周年記念展示の1台。来年は100周年ですね)。

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ヘッドライトの脇にマニエッティマレリ(Magneti Marelli)のロゴを確認することができます。

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それはそれとして、実戦デビューの時期も気になるところです。

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