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急遽走ることになったフォーミュラE [モータースポーツ]

なぜだかメディアセンターに来るとFBとツイッターにつながります(よく落ちますが)。ホテルはダメ。さて、北京で開催されているフォーミュラEの開幕戦です。ワンデーイベントですので、当初は金曜日(イベントは土曜日)に走行プログラムは組み込まれていなかったのですが、急遽、セーフティカー(BMW i8)の先導で5周することになりました。

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レーシングスピードではなかったのですが、速いクルマが間近を駆け抜けていく迫力は感じられました。特有の走行音(主にインバーター由来?)も楽しめます。ただ、直角コーナーのブラインド側でクルマを待ち構えていると、予兆なく唐突にやって来る感じ、ではあります。

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どさくさに紛れて(?)カウルの下を覗きました。バッテリー容量は28kWhです(日産リーフは24kWh)。

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(クリックで拡大)

バッテリーパック単体で眺めるとこんなふう。

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佐藤琢磨選手が話してくれたところによると、レース距離を全開まま走り続けることはできないようですね。すぐにバッテリー容量がなくなってしまうと。「全開で走れるのはせいぜい2周」というのが実情だそう。

というコメントがあったので、ちょっと計算してみました。レースでは150kWに出力が制限されるので、常に150kWの出力で走り続けたとして、672秒(11分2秒)走れる計算になります。モーター最高出力の200kWで走ったとして540秒(9分)。

レースはほぼ1時間なので(途中、充電済みのクルマに乗り換えるので、合計56kWhのエネルギーを使える計算)、1時間走ると仮定して計算してみると、(いや、計算するまでもなく)平均56kWの出力でしか走れないわけです。日産リーフの最高出力が60kWですから、リーフが1時間全開で走るようなイメージでしょうか。

というような状況ですので、減速時のエネルギー回生が重要ですし、コーナーごとに効果的にエネルギーを放出してラップタイム短縮に結びつける必要があるわけです。チームもドライバーも頭使いますね。

ところで、フロントバルクヘッドの奥はこんなふう。スプリングはトーションバーを使っていますが(リヤはコイル)、コンベンショナルな設計と言っていいでしょう。サスペンションアームはスチール製。ステアリングのアシスト機構は備えていません。

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備えていないといえば、(油圧ブレーキの配分と回生ブレーキの配分を自動で制御する)協調回生ブレーキも備えていません。ローテクといえばローテクです。協調回生ブレーキの強弱に合わせて、油圧ブレーキの前後バランスをドライバーが手動で調整するわけです。「結構大変」と琢磨選手は苦笑まじりに説明してくれました。

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