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【人テク2018】マニェーティ・マレッリのF1用MGU-Kなど [モータースポーツ]

『人とくるまのテクノロジー展 2018 横浜』のつづきです。大きな見逃しがあったことに気づいて落ち込んでいるところですが、うれしい出会いもありました。

初出展のマニェーティ・マレッリ(Magneti Marelli Japan)です。

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「F1用MGU-K」なる展示品が目に付きました。確認してみるとKERS時代(2009〜2013年)のMGU-Kとのことですので、出力は60kW。現行(2014年〜)MGU-Kは120kWですが、展示品よりひとまわり大きい程度で、コンパクトであることに変わりはありません。

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こちらは現行規格のF1用インバーター。

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フォーミュラE(マヒンドラなど)に供給するモーターはパネルで紹介していました。1モーターなのに端子は6個……。そうです、6相なのですね。高効率化のため、でしょう。

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マニェーティ・マレッリ製モーター&インバーターの採用によって小型・軽量化を果たしたパワートレーンを解説するマヒンドラ・レーシングの公式動画↓



F1用の直噴インジェクター(最大噴射圧500bar)も展示してありました。となりはレース用の汎用高圧燃料ポンプ(200bar)。

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2014年にF1に新規格が導入されたときは、「ガソリンで500barかよぉ」と驚いたものですが、量産では最大1000barが量産間近と聞いて驚きました。350barが商品化されたばかりだというのに……。

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こちらは量産の48Vモーターとインバーターのセットです。出力12kWの割にだいぶコンパクトに見えます。「モータースポーツのノウハウが入っていますから」と説明されると、納得が早いです。

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2018年にデビューしたFCAのラム1500が搭載しています。5.7L・V8エンジンとの組み合わせ(矢印)。スタート/ストップ機能を受け持つと同時に、回生/力行(短時間ですが)を行います。

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ベンチテストの様子はこちら↓



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【人テク2018】フォーミュラEに供給するロームのSiCパワーデバイス [モータースポーツ]

『人とくるまのテクノロジー展 2018 横浜』のつづきです。あえて昨年と同じタイトルにしてみました。

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2017年版の情報はこちら↓

【人テク2017】フォーミュラEに供給するロームのSiCパワーデバイス
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2017-05-27

ローム(Rohm)のブースで行われたプレゼンテーションでは、SiCパワー半導体を採用すると「システムの小型・省エネ化が期待できる」との説明がありました。

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で、実際にフォーミュラEのインバーターに適用してみると、3シーズンで6kg(15kg→9kg)の軽量化と43%の小型化が実現したと説明しています。実例を提示されると、説得力がありますね。

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左からシーズン2(2015-2016年)、シーズン3(2016-2017年)、シーズン4(2017-2018年)のインバーターです。ヴェンチュリ・フォーミュラEの車両が搭載。

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詳細はこちら↓



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【F1】第6戦モナコGPのタイヤに関する情報 [F1]

第5戦スペインGPとはどの程度状況が違うのか? 確認の意味も含めて第6戦モナコGPでのタイヤに関する情報を見ていきましょう。前回はFIAからの情報のみお届けしましたが、今回はピレリ発信の情報もお届けします。

F1第5戦スペインGPのタイヤにまつわるインフォグラフィックなど↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2018-05-13

モナコGPに持ち込まれたコンパウンドは、ハイパーソフト(ピンク)/ウルトラソフト(パープル)/スーパーソフト(レッド)の3種類です。2018年から新たに追加されたハイパーソフトは初登場。

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サーキットに関する情報です。タイヤへの負荷が低いことを示しています。路面のグリップが低いので、ダウンフォースは最大限必要と分析しています。

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(クリックで拡大)

FIAの分析によるイニシャル(走り始めの)ロングラン・ペースはこちら。ハイパーソフトだけ図抜けて速いことを示しています。

イニシャル・ロングラン・ペース
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各コンパウンドのベストタイムです(ピレリまとめ)。やはり、ハイパーソフトが段違いに速いことを示しています。

コンパウンド別ベストタイム
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でも、ハイパーソフトは性能劣化(デグラデーション)によるラップタイムの落ち込みが激しいことを、次のグラフは示しています。予選で使うのはいいけどレースではどうなのでしょう……。

平均タイヤデグラデーション
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考え得るピットストップ戦略は、次のように示しています(by FIA)。どのパターンも1ストップです。スタートで履くタイヤを自由に選べる11番手以下のドライバーは、ウルトラソフト〜スーパーソフトとつなぐのがセオリーでしょうか。

考え得るピットストップ戦略
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各ドライバーの持ちタイヤです。

2018年F1第6戦モナコGP決勝レース ドライバー別持ちタイヤ
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(クリックで拡大)

ポールポジションからスタートするリカルドは、新品を1セット(ウルトラソフト)しか持っていません。

一方、最後尾からスタートするフェルスタッペンは(予選を走らなかったので)ハイパーソフトを5セットも残しています。

ストロール、ハートレー、マグヌッセン、エリクソンはハイパーソフトの新品を3セット残しています。どう使ってくるか(使わないのか?)に注目しておきましょうか。

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【人テク2018】ザイテックのFE用モーター+インバーターなど [モータースポーツ]

『人とくるまのテクノロジー展 2018 横浜』をよくよく見て回ったら、フォーミュラE(FE)関連の展示が多かったことに気づきました(例によって見逃し御免です。3日目は開場直後からすでに電池切れ状態……)。モーターやインバーターなどのハードウェアに限らず、ソフトウェア会社も「FEに絡んでいる」ことを来場者に向けてアピールしていました。

英国パビリオンにあるザイテック(Zytek)は、毎年楽しみにしているブースのひとつです。

FE向けのモーター+インバーターが展示してありました。合わせて51kg。モーター(最高出力250kW。規則の上限は200kW)とインバーターはケーブルを介さず、直接つながっています。

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「供給先から許可が出ていないので、明かせない」とのことでしたが、2チームに供給していることは明かしてくれました。調べればすぐに出てくるので確定的にお知らせしておくと、ルノーe.damsとテチーター向けでしょう。

モーターは縦置きあり横置きあり、インバーターも立てて置いたり水平に置いたりで各社異なっており、おもしろいですね。

下はシーズン5(2018-2019年)向けに開発しているDC-DCコンバーター(最高900V→12V)だそう。1.2kg。

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こちらは供給先から名前出しオーケーが出ているモーター(9.2kg)とインバーター(5.9kg)です。

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SUPER GT GT500クラスに参戦するホンダNSXコンセプトGTが2014年〜2015年に搭載していたユニットですね。

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システムの詳細はMotorsportのテクノロジー 2017 - 2018 [ モーターファンイラストレーテッド 特別編集 ] (モーターファン別冊)で触れています。

60kWを発生する実力を備えていながら、最大アシスト出力は規則で21kWに制限されていました。

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【人テク2018】カルソニックカンセイ創立80周年とカルソニックIMPUL GT-R [モータースポーツ]

『人とくるまのテクノロジー展 2018 横浜』が始まりました(5月23日〜25日/パシフィコ横浜)。いろいろとノルマがあって、毎年楽しみにしているモータースポーツ関連の展示物を見学することができていません…。「気分転換」と自分に言い訳してちょっと寄り道したりはしていますが……。

シンボルカラーである青を基調とした「BLUE GATE」で出迎えてくれるカルソニックカンセイのブースで取材していたときのことです。

「ところで知ってます?」と創立80周年のロゴマークを指さして、説明役を務めてくださった方が言いました。

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80の「8」の字は、カルソニックカンセイのルーツである、蜂巣工業所(日本ラヂヱーター(旧カルソニック)の設立母体)が製造した蜂の巣式ラジエーターのコアをモチーフにしてます。一方、「0」は英工舎(関東精機(旧カンセイ)設立母体)が製造したメーターがモチーフだそう。

https://www.calsonickansei.co.jp

知りませんでした。もっと知らなかったのは、SUPER GT GT500クラスに参戦しているIMPUL GT-Rが「80周年の特別カラーリング」だったこと。

えっ?

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あっ!

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VW I.D. Rパイクスピークの空力 [モータースポーツ]

6月24日の本戦に向けて情報を小出しにする作戦でしょうが、まんまと乗っかっています。今回のテーマは空力。

前回エントリーはこちら↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2018-04-23

パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)は標高2900mの地点でスタートし、19.99km先にある標高4300mの地点がゴールなので、海抜0m地点より平均して35%空気が薄く、平地で発生するダウンフォースより35%小さくなります。

巨大なリヤウイングも、3割5分割り引いて見る必要があるというわけです(そんな器用なことできませんが)。

VW I.D. R Pikes Peak
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いずれにしても空力は重要だということで、風洞試験は徹底的に行ったとフォルクスワーゲン(VW)は説明しています。

関連動画を公開していますが、50%スケールの風洞モデルを用いた試験は、ダラーラの風洞で行っているようですね。ひょっとして製造もダラーラ?



風洞モデルのパーツは3Dプリンターで製作したそうですが、その数は約2000だそう。ずいぶん試したものです。

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スケールモデルでの風洞試験後、ヴァイザッハにある(つまりポルシェの)実車風洞で最終確認を行っています(上下2点の写真は実車風洞)。

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風洞の空気を35%薄くすることはできないので、事前の(ANSYSのソフトを使った)シミュレーションが役に立ったそう。内燃機関を積んだクルマほどクーリング要求は高くないものの、モーターやバッテリーを冷却する必要はあります。本番でトラブルなく実力を発揮するためには、そのためのシミュレーションや試験も必要というわけです。

次回の情報公開も期待しております。

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【FE】シーズン5の開幕戦はサウジアラビア&メルセデスのファーストインフォメーション [モータースポーツ]

Gen2と呼ぶ新型マシンのデビュー戦となるシーズン5(2018-2019年)の開幕戦は、シーズン4(2017-2018年)の開幕戦と同様に香港だとばかり思っていたのですが、サウジアラビアの首都、リヤドで2018年12月に開催されることが5月17日に発表されました。

10年契約(!)だそう。フォーミュラEの開催は、中東では初となります。

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シーズン6(2019-2020年)からフォーミュラEに参戦するメルセデスが「ファーストインフォメーション」を出しました。

チーム名は「Mercedes EQ Formula E Team(メルセデスEQフォーミュラEチーム)」です。

F1やDTM(2018年シーズン限りで撤退)で培った技術的なノウハウを生かす、と説明しています。

モーターを含むハイブリッドパワートレーンは、F1でハイブリッドパワートレーンの開発を行うメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレーンズ(HPP)が担当。F1のシャシー開発を行うメルセデスAMGペトロナス・モータースポーツがサポートします。

チームの運営は、これまでDTMに参戦して多くのタイトルを獲得してきたHWA AGが担当。HWAはシーズン4からヴェンチュリのテクニカルパートナーとなってサポートを行っていますが、シーズン5はそのヴェンチュリのカスタマーチームとしてフォーミュラEに参戦。ノウハウを蓄えてシーズン6のワークス参戦に備えるというわけです。

ずいぶん入念に準備を進めていることが伝わってきます。

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【F1】マクラーレンMCL33の新型ノーズなど [F1]

マクラーレンが2018年F1第5戦スペインGPで新型のノーズを投入しました。奇っ怪な形をしています。

McLaren MCL33 Rd.5 Spanish GP
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第4戦アゼルバイジャンGPまではこんなふう。

McLaren MCL33 Rd.4 Azerbaijan GP
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ニュートラルゾーン(車両中心線の左右各250mm)から取り込んだ空気をどう制御するかが空力開発を行ううえでとても重要らしいのですが、その点に関して新しい手を打ってきたということでしょう。

なかなかいいタイミングで記事ができあがってきたので、お知らせいたします。MOTOR FAN illustrated - モーターファンイラストレーテッド - Vol.140 (モーターファン別冊)で、「最新F1マシンの設計アプローチ」についてまとめています(下の画像3点のテキストはダミー)

レクチャーしてくれたのは、アルファロメオ・ザウバーF1チームのテクニカルディレクター(だった)ヨルグ・ザンダー氏。5月2日にチームから離脱した旨の発表があったのはショックでした。インタビューは開幕戦オーストラリアGPで行っております。

ザウバーC37はどういう考えのもとで設計したの? という疑問に答えていただいています。ノーズの処理についての言及もあります。マクラーレンの新型ノーズを理解する参考になるかと。

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2018年型マシンの技術概論のページも用意しました。

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いわゆる「トビラ」です。

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ご参考まで。特集も読み応えあります(フェラーリも使っている「ドライビングシミュレーター」の記事を含みます)。



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【F1】第5戦スペインGPのタイヤにまつわるインフォグラフィックなど [F1]

2018年シーズンからの新しいサービスでしょうか。グランプリの週末に、FIAがインフォグラフィックの付いたプレスリリースをメディア向けに送ってくるようになりました。個人で楽しむにはもったいないので、お知らせします。Super Soft/Soft/Mediumの文字はこちらで載せました。

インフォグラフィックその1は走り始めのロングランペースの分析です。ミディアムは1周あたり0.2秒遅いことを示しています。それより、スーパーソフトとソフトは同じなんかい、という印象……。

イニシャル・ロングラン・ペース
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インフォグラフィックその2は、土曜日までの走行から導き出した、平均タイヤデグラデーション(性能劣化によるタイム落ち)です。

やはり、スーパーソフトとソフトは同じ。ということは、どちらを履いても大勢に影響ない?

平均タイヤデグラデーション
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インフォグラフィックその3は、考え得るピットストップ戦略。スーパーソフトとソフトの傾向が似通っているので、スタート時にどちらを履いてもあまり戦略の幅が広がらないことを示しています。ソフトの方がじゃっかんもちがいいかな、という程度。

考え得るピットストップ戦略
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以上が、土曜日のプレスリリースより。金曜日のプレスリリースには、フリープラクティス2回目で各チームがどのタイヤをどれくらい周回したかまとめたインフォグラフィックが添付してありました。

フェラーリ、レッドブル、フォース・インディアはミディアムを履いていません。ハースも転がしただけ。一方で、ミディアムでたくさん周回しているチームもあります。

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(クリックで拡大)

ピットレーンのロスタイムと、2017年スペインGPでの燃料消費量です。ロスタイムが「ハイ」とあるのは、相対的にロスが多めのサーキット、ということでしょう。

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以上、ご参考まで。それより、スタートでのマグヌッセンの動きが気がかり……。

https://www.formula1.com

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【WEC 2018】開幕戦スパ・フランコルシャン6時間のセクタータイム比較 [モータースポーツ]

2018年WECシーズン唯一のワークスLMP1カー、トヨタTS050ハイブリッド(LMP1ハイブリッド)のセクタータイムを、LMP1プライベーター勢(LMP1ノンハイブリッド)と比べてみましょう。

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トヨタが2018年のスパ6時間に持ち込んだ空力パッケージは、次戦ル・マン24時間を見据えたロードラッグ仕様でした。2017年は持ち込んだ3台のうち、7号車と8号車がハイダウンフォース仕様、9号車はロードラッグ仕様でした。セクタータイムから性格の違いが読み取れ、ロードラッグ仕様はコーナーの多いセクター2を苦手とすることがわかります。

アイデアルラップはセクターベストを足したタイムです。

2018年WEC第1戦スパ・フランコルシャン6時間 セクタータイム比較
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(クリックで拡大)

コース図
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セクター2ではLMP1プライベーター勢に突っつかれるシーンが何度となく見られましたが、タイムを見るとうなずけます(バイコレスは別にして。エンジンの馬力は出ているはずなので問題は……)。

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SMPレーシングが走らせているBRエンジニアリングのBR1(ダラーラが設計・開発・製造)は、最高速が抜きん出ています(11号車も速く、324.4km/h)。

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じゃ直線番長かというとそんなこともなく、セクター2はトヨタ7号車と互角です。仕上がってきたらおもしろいことになりそうですね。

ただ、心配事はレースの終盤、オールージュの坂を上がりきったラディヨンでバックフリップを演じ、コース外側のタイヤバリアに突っ込んだこと。大事に至らなかったのは幸いでした。ル・マン24時間までに原因が究明されるといいのですが。

観戦者による投稿動画↓


入るはずだったメインスポンサーからの資金が入らなかったため、参戦を見合わせたCEFC TRSMレーシング(ジネッタG60-LT-P1/メカクローム)の動向も心配です。

プライベーターが走らせているLMP1ノンハイブリッドは、LMP1ハイブリッド(すなわちトヨタ)に比べて37.5%多い燃料流量で走らせることができ(熱効率が同じなら、37.5%大きな出力を発生させられるポテンシャルがある)、1周あたり49.2%多い燃料を消費することができます。しかも、車重は45kg軽い。

逆に言うと、トヨタTS050ハイブリッドは、LMP1ノンハイブリッドより37.5%少ない燃料流量と49.2%少ない燃料使用量で走らされ、45kgも重い。にもかかわらず、速い。これがパワートレーンだけでなく、シャシーや空力も含めた技術力の差です(燃料流量計のシリアルナンバー申告をミスって予選タイムが抹消されるというポカはありましたけれども)。

LMP1ハイブリッドとLMP1ノンハイブリッドの性能均衡調整
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1スティントあたりの燃料の差から、順当に走るとLMP1ハイブリッドの方が多くの周回を走れる数値が設定されています(1スティントあたりの最大燃料は少ないけれども、消費量も少ないので)。このあたり、ル・マンではどう展開するのかにも注目したいところです。

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