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【ル・マン24h】観客席裏広告とホスピタリティ [モータースポーツ]

コース内側からメディアセンターのあるピットビルに向かって歩いて行くと、観客席の裏に設けてある巨大な広告幕が目に入ります。2013年以降はポルシェのビジュアルがつづいていたので今年も期待していたのですが、変わっていました。WECの広告です。空いてしまったスペースを無理に埋めているようにも見えますね。雑誌的に言うと、自社広的な扱い?

2016 Le Mans
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2015年はこんなふうでした。ずいぶん雰囲気が違います。

2015 Le Mans
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2014年はこちら。

2014 Le Mans
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カムバック前年の2013年は、ポルシェの歴代ポスターが並んでいました。ポルシェシリーズ、今年も期待していたのですが……。

2013 Le Mans
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コントロールタワー寄りも見てみましょう。こちらは2016年版。WECに参戦するマニュファクチャラーを紹介しています。

2016 Le Mans
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こちらは2015年。シンプルな意匠ですが、断然華やかですね。

2015 Le Mans
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夜がまた、雰囲気あっていいんです。

2014 Le Mans
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LMP1に参戦するメーカー系チーム&メディアホスピタリティのうち、トヨタのホスピタリティだけ昨年と違いました。2015年まではシンプルな平屋形式。

2015 Toyota
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中央に置いたトランスポーターからテントを張り出す形式で、片側をメディア、反対側をチーム用のスペースに割り当てていました。

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2016年版はハードな材料で組み上げた2層構造です。片方をメディア、もう片方をチームで使い分けているのは昨年までと同じ。

2016 Toyota
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上階にはドライバーの控え室が用意してあります。

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設営&撤収に費やすコストの絡みから、次戦以降は従来版ホスピタリティに戻すそう。

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【ル・マン24h】2016年版ヴィレッジの様子 [モータースポーツ]

メインストレートエンドから1コーナーにかけてのコース内側は、物販&プロモーションブースが集積した「ヴィレッジ」になっています。例年、日産/ニスモがスポンサードしており、「日産/ニスモ村」の様相を呈しています。 2016年のル・マンでも健在でした。

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しかし、ニスモ色は薄まっていますね。LMP1は撤退してLMP2へのエンジン供給のみですので、「2011年以降、LMP2のレースでNissanは92%のレースを制した」とか、「ル・マン全グリッドの33%はパワードbyニッサン」とか、「2011年以降、日産はLMP2で61勝を挙げている」といったコピーで、ル・マン/WECにおける実績をアピールしています。

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昨年(まで)はヴィレッジの角地に広いブースを構えていました。

2015 Le Mans / Village
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今年はフォードのブースになっていました。

2016 Le Mans / Village
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パドックからも日産のホスピタリティは消えています。昨年は遊び心満載のホスピタリティがありました。

2015 Le Mans / Paddock
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日産のホスピタリティがあった場所(は、奥に見えるESMの位置)とは異なりますが、新顔のフォードが大きなホスピタリティ施設を持ち込んでいました。

2016 Le Mans / Paddock
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ヴィレッジに戻りましょう。おや、と思わず感嘆してしまったのは、アウディR8 LMSカップ車両です。真横から眺めると何の変哲もありませんが……。

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左半分がカップカー、右半分はベース車両になっています。内装も作り分けてありました。

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TOYOTA GAZOO RACINGのブースでニュルブルクリンク24時間レースに出場した C-HRレーシングを見学できたのは収穫でした。

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誘導抵抗を低減するためのデバイス(矢印)でしょうか。中身も含めて気になりますね。

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【ル・マン24h】MOTUL主催の「24イラストレーター」展 [モータースポーツ]

「ル・マン24時間」の開催を告知するポスターの図案、「たくさん見かけます」と6月13日のエントリーなどでお知らせしました。

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それもそのはずで、24種類あったことが判明しました。ル・マン24時間に引っかけた数字です。

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なぜ正確な数字がわかったかというと、ル・マン24時間サーキットのパドックに隣接した物販エリア、通称「ヴィレッジ」でエキシビションが行われていたからです。その名も、「24イラストレーター(24 illustrateurs)」展。潤滑油メーカーのMOTUL(モチュール)が主催。

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会場にはモチュールカラーのクレーマー・ポルシェ(1995)が展示してありました。

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24人のイラストレーターによる作品が並んでいます。すべて確認することができて、すっきりしました。

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会場の一角にポスターを印刷したポストカードが積み上がっています。

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「カード1枚選んでいいよ」と書いてありますね。

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悩んだ末に、この図案を選びました。

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展示してあるポスターの脇に、イラストレーターの説明があります。

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「今年はどんなポスターかな」と楽しみにしている人は世界中にたくさんいるようです。2016年版の公式ポスターはこちら。

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サーキットに隣接したル・マン空港には、1923年に開催された第1回大会のポスターがありました(見づらくてすみません)。

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「Each race start is a new challenge, every creation is a new adventure」との思いで、モチュールはクルマとモーターサイクルをアートと結びつけたプロジェクトを推進しています。2010年に始めたそのプロジェクトの名は、「St'art with Motul」。

存分に楽しめました。素晴らしいプロジェクト、ありがとうございます。

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【ル・マン24h】誰も幸せにならない結末 [モータースポーツ]

メディアセンター内に陣取っていた席がトヨタのガレージの真上だった地の利を生かし、トップでゴールしたトヨタ5号車がピット前を通過するシーンを撮影しようと、レース終了の15分ほど前から窓際に陣取っていました。5号車はそれまでと変わらぬペースでホームストレートを駆け抜けていきます。

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僅差で追いかけるポルシェ2号車がピットレーンに入ってきました。いよいよこれで5号車の優勝は安泰、と思いますよね。

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モニターを見ると、ユノディエールを走る5号車のスピードが落ちているのが確認できました。このときは、「落ちている」のではなく意図的に「落としている」のだと思いました。理由の1つは、6号車を待って2台そろってゴールするのだろうと予想したこと(6号車がペースを落として5号車を待った方が合理的、だとは思いましたが)。もう1つは、速いペースで走るとフィニッシュ時間までに3周しなければならないから、あと2周で済むようにペースをコントロールしているだろうと、予想したことでした。

実際にはそんな脳天気な状況ではなくて、ターボの過給圧制御にトラブルが発生し、過給できない状況に陥っていたのでした。それが、中嶋一貴選手が訴えた「ノーパワー」の原因です。

ストレートに5号車がやってきました。そりゃいくらなんでもペース落としすぎだろと思ったら、ピット前で停止(矢印)。ピットパーチの陰に隠れて見えないではないか、という状況はどうでもよくて、事態がまったく飲み込めませんでした。

理解を苦しめたのは、ピットパーチにいるトヨタのクルー6名が、まるでマネキン人形のように微動だにしなかったことです。「なんで、誰も動かないの?」「気づいてないの?」「無視しているの?」と、疑問は湧くばかりで一向に解消しません。

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しばらくすると5号車は動き出しました。

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が、その頃にはとっくにポルシェ2号車に先行されており、ほどなくして2号車がチェッカードフラッグを受けながら、ストレートを通過していきました。

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5号車が重大なトラブルを抱えていたことは理解できましたが、目の前で起きている事態を消化することはできないまま、時間が過ぎていきます。5号車はどうなったの? どこかで止まっている? いや、走っているらしいと混乱しているうちに、再び、ホームストレートに戻ってきてピット前に停止しました。

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中嶋一貴選手がクルマを降りると、スタンドから拍手がわき起こりました。観客、総立ちです。慰めではなく、健闘の拍手だったと信じています。ポルシェもアウディも、表彰台に上がったことを手放しで喜んでいるふうではありませんでした。

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一貴選手は、迎えに出たチームディレクターのロブ・ロイペンに支えられようにして、ピットレーンに戻ってきます。

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2年連続18回目の優勝を手にしたポルシェ2号車とドライバーが、セレモニーの段取りにのっとって、ピットレーンを逆走し、ポディウムに向かいます。

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レースは最後までわからない、とはよく言うものの、現実に起きてみると、呆然とするのみです。

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残酷なレースがあったものですが、だから挑戦する者が後を絶たないのでしょう。負けたら悔しいわけですし。

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【ル・マン24h】使用済みホイール清掃風景 [モータースポーツ]

パドックを歩いていたら、ポルシェLMP1チームのクルーが使用済みホイールを清掃している風景に出くわしました。

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うしろでミシュランのエンジニアがタイヤの摩耗状態などをチェックしています。

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右リヤタイヤの状態はこんな感じ。

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ホイールの内側に付着したカーボンブレーキディスク&パッドのスラッジ(3スティント分が基本)をこそげ落とします。結構出てくるものですね。

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リムの内側に貼ってあるバランスウェイトもはがします。

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【ル・マン24h】メディアセンターの全車ピットストップ時間&作業内容表 [モータースポーツ]

メディアセンターの壁に大面積の紙が貼ってあり、そこに出走各マシンのピットストップの時刻とその作業内容を順次記していくサービスがあることは、2013年にお知らせしました。

↑この文章は年前に書いたのとまったく同じです。

2015年のエントリーはこちら↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2015-06-19

2016年の様子を見てみましょう。

個人的に大好きなこのサービス、今年も健在でした。下の写真は6月12日、レースの6日前です。当然のことながら、ボードは真っ白。

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で、6月19日の朝です。順調に埋まっていますねぇ。

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ピットインした時刻、ピットアウトした時刻、作業内容、どのドライバーが乗っていて、どのドライバーに交代したか(あるいはしなかったか)が記してあります。

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こちらはリタイヤ(47号車/電気系)の例。

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こんなふうにして貼っています。

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残念なのは、控えめに言って「誰も見ていない」こと。時間帯のせいもあると思いますが……。

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デジタルでデータが提供されるので、必要ないといえばないのですが、このアナログな感じ、まことに捨てがたい。手張り作業の伝統、2017年以降もぜひ、つづけていただきたいものです。

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【ル・マン24h】ポルシェ・エクスペリエンスセンター・ル・マン [モータースポーツ]

フォードシケインの外側、2014年まで観覧車があった場所にポルシェの半恒久的なホスピタリティ施設ができたことは、2015年のエントリーでお知らせしました。

ル・マン24時間:ほぼ定点観測の合間に……その1↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17

こちらが外観。写真奥がコースに面しています。内部は3層構成。

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地上階のエントランスを抜けると、2015年のル・マン24時間優勝車(ポルシェ919ハイブリッド/19号車)が目に入る仕掛け。

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別アングルです。2層吹き抜けの壁にル・マン24時間サーキットのコース図が描かれています。

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地上階には公式グッズを扱うショップがあります。これは店の外側に置いてあった911GT3 RSのレゴ。

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「クラシック」のコーナーもあります。

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庶民のワタクシはこの看板を見ててっきり、「ヘリ・フライト」さんを待っているのだと思いました。

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2階に上がってみましょう。コースの外側に位置するエリアに、発表になったばかりのポルシェ911カレラS・耐久レーシングエディションが展示してありました。

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コース側はレストランスペース(一部ラウンジ)になっています。

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オープンキッチンです。

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3階はバー。

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だけでなく、階段状になった席と大きなスクリーンを備えた広いホールがあります。写真は金曜日に行われた記者会見の風景。レース中は一定の間隔でチーム関係者がやってきて、ここで戦況の説明をします。

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ついついカウンターの向こうにあるモニターを見つめてしまいますが、振り返ったらコースなんですよね。なんとも贅沢な環境です。バーの外にあるテラスから見える風景。フォードシケインへの進入〜通過を見下ろせます。

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階段踊り場や廊下に掲げてあるモノがいちいち目を引きます。

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2階に戻って、夕食のメニューがまた格好いい。

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「メニュー」(ざっくばらんに言うと定食)を頼みました。

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前菜です。

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メインです。直射日光があたっていますが、21時前です。

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デザートです。

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食事をしながら望む窓の外はこんな風景。最終シケインの進入〜メインストレートの立ち上がりが、意識せずとも目に入る環境。BGM(生のエキゾーストノート)も最高です。これもまたル・マン、を学習した一日でした。

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レースはつづく──。

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【ル・マン24h】LM GTEの2015年仕様と2016年仕様の相違点(抜粋) [モータースポーツ]

LM GTEカテゴリーの2016年仕様は、フロント/サイド/リヤの空力デバイスが派手になっています。GTレーシングにおける「LM GTEのプレミアム性を高める」のが目的で、見た目が派手になっているだけでなく、空力性能も上がっています。ラップタイムが2015年比で向上しているのは(BoPが適用されていることもあって一様ではありませんが)、かなりの部分、空力アップデートが占めています。

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こちらは2016年スペックをまとったポルシェ911RSRです。単独で見ると、どこが変化しているのかいまひとつよくわかりません。

Porsche 911 RSR(2016)
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では、部位ごとに見比べてみましょう。まずはフロントから。

Porsche 911 RSR(2015)
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Porsche 911 RSR(2016)
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サイドは相違が顕著です。

Porsche 911 RSR(2015)
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Porsche 911 RSR(2016)
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2016年仕様のリヤウイングはより高く、より後方に配置されています。 2015年仕様に比べてクリーンな流れの空気を大量に受けるので、効率良く機能することでしょう。

Porsche 911 RSR(2015)
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Porsche 911 RSR(2016)
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フェラーリもやはり、フロントエンドの造形がアップデートを受けています。ポルシェと同様、センター部が高くなっています。路面との間隔が狭いと性能は高くなるものの、姿勢変化(車高変動)に対して発生するダウンフォースも敏感に変動してしまい、操縦性にネガティブな影響を与えてしまいます。それを避けるため、路面との間隔を大きくとっています。

Ferrari 458 Italia GTE(2015)
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Ferrari 488 GTE(2016)
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アストンマーチンはリヤウイングよりも「エクステンデッドリヤディフューザー」の採用が目を引きます。テクニカルレギュレーション的に言うと、2016年は車両後端より100mm後方に突き出していいことになりました(フロントアンダーパネルも同様に、100mm突き出してオーケー)。

Aston Martin V8 Vantage(2015)
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Aston Martin Vantage(2016)
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角度を変えて見てみましょう。

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エグイですねぇ。

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フェラーリ488GTEも似たような形をしていますが、アストンマーチンの2016年仕様はミラーの形状が変わっており、アウディのDTMマシンのようなL字形ステーになっています。

Aston Martin V8 Vantage(2015)
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Aston Martin Vantage(2016)
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【ル・マン24h】前面投影面積1.8m2なフォードGT [モータースポーツ]

LM GTEカテゴリーに参戦するフォードGTのシャシー側の開発を行っているのは、カナダのマルチマチック社です(DSSVのダンパーで有名? モノコックなど、カーボンコンポジットの製造も実績あり)。そのマルチマチック社で技術担当の副社長を務めるラリー・ホルト氏と話ができました。「オレが設計した」と言っているので、話を聞くのにこれほどの適任者はいません。「出来映えに満足している?」と聞くと、「Fxxxing満足だよ」と答えてくれました。

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量産フォードGTと同時並行で開発したLM GTE版の全高は1030mm(リファレンスプレーン基準)で、1050mmのLMP1各車より低く、参戦60台中最低です。

狙いはドラッグ(空気抵抗)減。「完全にル・マンを狙って設計したのでは?」と質問したところ、「そのとおり。世界最高のレースだからね」と返答。

「ル・マンはドラッグが支配する。フォードGTの前面投影面積は1.8平方メートルしかない。フェラーリ(488GTE)は2.1平方メートルだ。予選(1回目)でフォードGTは301.2km/hを記録した。フェラーリは299.7km/hだ」

空気抵抗を減らして最高速を延ばすために前面投影面積を小さくしたわけですが、先に市販車を設計してそれをベースにレース車両を仕立てるアプローチでは限界があります。両者を同時並行で開発できたからこそ、前面投影面積を攻めることができた、というわけです。

そんなフォードGT、どこから見てもぺったんこです。

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量産バージョンはこちら(看板コレクションの一環としてお届けします)。

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何度見てもえぐいディフューザー。

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「インタークーラーのレイアウトがおもしろいですね」と水を向けると「やっぱり?」と食いついてきました。

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左右一対のインタークーラーはリヤフェンダーに収めるレイアウト。

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ボディとフェンダーは分離しており、間にできた空間を空気の通り道に利用しています。「この設計のおかげで、リヤに向けた空気の流れも良くなるし、インタークーラーの冷却効率も上がる」と説明していました。

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リヤフェンダーとルーフをつなぐ部位を説明するのに、ホルト氏は「バットレス」と表現していましたが、フォードGTを初めて見たときから「フライングバットレスみたい」と思っていたので、「あ、やっぱりそう言うんだ」と妙に感心してしまいました。

こちらが本物のフライングバットレス。ジャコバン広場に面して建つ、サン・ジュリアン・デュ・マン大聖堂の例。

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【ル・マン24h】ヘッドライトの捨てバイザーとポルシェのヘッドライト [モータースポーツ]

視界をクリーンに保つため、ウインドスクリーンに捨てバイザーを重ね貼りするのはカテゴリーを問わず定番です。トヨタTS050ハイブリッド(LMP1-H)の例。

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こちらはポルシェ919ハイブリッド(LMP1-H)。

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その捨てバイザー(ティアオフ:tear-offとも言ったりしますが)、ヘッドライトに施す例が増えてきました。それだけ汚れるし、汚れると明るさに悪影響が出るのでしょうね。

アウディR18(LMP1-H)の例。

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1枚だけ(?)のようですが、ポルシェ919ハイブリッドにも付いています。

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トヨタTS050ハイブリッドには付いていません。

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CLM P1/01(LMP1)にも付いていません。

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BR01(LMP2)にも付いていません。

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AFコルセのフェラーリ488GTE(LM GTE Pro)には付いています。

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フォードGT(LM GTE Pro)にも付いています。全車を確認したわけではありませんが、資金面に余裕のある実質ワークス系から手を出していく傾向にあるようです。

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ところで、ポルシェ919ハイブリッドはWEC第2戦スパでロードラッグ仕様を投入した際、ヘッドライトを新型に切り替えました。

第一報「新ヘッドライト&新空力仕様を投入したポルシェ919ハイブリッド」はこちら↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06

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12セグメントに分かれています。照度アップや照射距離を延ばすことよりも、「縁石の視認性を向上させる」(左右近距離に照射範囲を広げる)のが、新型ヘッドライトを投入した最大の理由だと、チーム監督のアンドレア・ザイドルは説明してくれました。

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