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【ル・マン24h】テストデーのタイム比較 [モータースポーツ]

6月5日に4時間×2セッションのテストデーがありました。12〜13日は公開車検、15日にフリープラクティスと予選1回目、16日に予選2回目と3回目があり、18〜19日が決勝レースです。

LM24_Test_Audi.jpg

テストでは、アウディ8号車がトップタイムを記録しました。つづいて、ポルシェ、トヨタの順です。 2016年は2015年に対して1周あたりの燃料使用量も燃料流量も減らされているので、技術レベルが同じなら、4秒ラップタイムが落ちて妥当だと言います。

例えば、8MJの1周あたりエネルギー放出量を選んだ場合、13.629kmのル・マンを1周するのに使えるガソリン(E20)は、2015年が4.76Lだったのに対し、2016年は4.31Lになります。6MJから8MJにランクを上げたトヨタは、4.81L→4.31L。4MJから6MJに変更したアウディは、軽油の使用量が3.84L→3.47Lになります。最高出力に直結する燃料流量も約10%減らされています。

タイムは落ちて当然。どこまでリカバーできるかの勝負です。

LM24_2016_Porsche.jpg

2016年のテストデーと2015年のテストデーのラップタイムを比較してみると、ほぼ同等のタイムが出ています。パワーユニットの効率向上に加え、空力やタイヤ、シャシーの進化があったからでしょうか。

ル・マン・テストデー ラップタイム比較
LM24_2016_Test_1.jpg
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メーカー順で言うと、トヨタは2015年と同様に3番目ですが、トップとの差(カッコ内)が縮まっているのが分かります(決して小さくない差ですが)。

2015年の予選タイムを振り返ってみると、ポールポジションを獲得したポルシェは、テストデーでの記録より4秒以上短縮していることがわかります。ポケットにたんまり隠し持っていたのですね。2016年はどうでしょうか。

2016年と2015年のセクタータイムを比較してみました。セクター1は常設サーキットを走る区間、セクター2は約6kmのストレートを2つのシケインで区切った超高速区間、セクター3は高速のポルシェカーブを含みます。

LM24_Course_b.jpg

カッコ内はトップとの差です。最上段のラップタイムは、セクターベストを足した数値です。ラップタイムのトップはアウディでしたが、セクタータイムのトップはすべてポルシェです。こうしてみると、アウディとポルシェ、互角ですね。

ル・マン・テストデー セクタータイム比較1
LM24_2016_Test_2b.jpg
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下の表もセクタータイムの比較ですが、カッコ内を前年とのタイム差にしました。2015年のポルシェはセクターベストを足すと3分19秒台に入っているので、前年比するとプラス表示の数字が大きくなってしまいます。タイムは落ちて順当なのですが、アウディとトヨタがゲインしているだけに、落ち込みが目立ちます。

ル・マン・テストデー セクタータイム比較2
LM24_2016_Test_3b.jpg
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トヨタは前年に対して大きくゲインしていることがわかります。とくにセクター2でのゲインが大きい。低ドラッグに特化した空力パッケージと、6MJ→8MJによってアシスト時間が長くなった恩恵でしょうか。新開発したパワーユニットが十分な性能を発揮していることもうかがえます。

LM24_Test_Toyota.jpg

でも、現状のままのタイム差で周回を重ねたのでは、ポルシェやアウディに太刀打ちできません。本番までにどうまとめてくるのか、ポケットにどれだけタマが仕込んであるのか。ポルシェやアウディがどう出てくるかも含めて、楽しみですね。

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