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F1でいうところの「ソック」とはなんぞや [F1]

第3戦バーレーンGPのフリー走行3回目を流し見していたら、トロロッソのレースエンジニアが「ソックを9にしろ」というような内容の指示をドライバーにしていました。

耳慣れない用語なので一瞬「?」となりましたが、「SOC」のことだったのですね。ステイト・オブ・チャージ(State Of Charge)、蓄電装置の充電状態を表す用語です。日本では「エスオーシー」と呼んでコミュニケーションすることがほとんど、というか「ソック」と言ったことも聞いたこともなかったので戸惑いました。

世界耐久選手権、World Endurance Championshipの略称「WEC」を、日本では「ウェック」と呼ぶことが多いのですが、ヨーロッパの人は「ダブリュイーシー」と言うことが多いので、そういう意味でも「ソック」は意外でした。

そのソック(SOC)、量産EVやハイブリッド車でSOCを持ち出す場合は「電池が持つ能力のどこ(下限)からどこ(上限)まで使うか」を示す尺度として用いることがほとんどです。F1の場合も同様で、使用するSOCの領域を狭くしたり広くしたりする機能として用いているのでしょうか。バッテリーを保護するために。

それとも、エネルギー回生の強弱を調整する機能を表す用語として使用しているのでしょうか。2013年まではこの機能を「KRec(KERS Recovery)」や「Harvest」「KERS Charge」などと表記していました。

Mercedes_steering.jpg

2014年型メルセデスAMG W05のステアリングホイールを解説した過去エントリー↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2014-03-24

チーム内で理解できればいいので、用語はさまざまです。リヤウィングのフラップを開閉してドラッグを削減する機能をDRS(Drag Reduction System)と呼びます。ボタンを押すとリヤウイングのフラップが動いてスロットギャップが広がるわけですが、そのものずばり「DRS」とボタンに書けばいいものを、メルセデスAMGは「RFA」と表記していた時期もありました。「Rear Flap Actuator」ですね。「RWA」の表記も確認できます。2014年のステアリングホイールには「DRS」と書いてありますね。

クラッチのバイトポイントを探る機能を「BPF(Bite Point Finder)」と表記するのは各チーム共通のよう。ステアリング上に設ける機能とは別に、今シーズンはリヤの回生ブレーキと油圧ブレーキを自動制御する機能を表す「Brake By Wire」の略語、「BBW」が頻出しています。

量産車の開発の現場で「デデコン」と聞いて「?」となった経験があるのですが、「デコデコ」のことだと判明して合点がいきました。

DCDC_converter.jpg

どちらも、DC-DCコンバーターのことです。限られた世界でしか通用しない略語、おもしろいですね。

http://www.facebook.com/serakota

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