SSブログ

スバルの新世代ターボエンジン(FA20DIT) [クルマ]

2009年にデビューした5代目レガシィが行った3回目の年次改良に合わせて、新世代水平対向エンジンを直噴ターボ化したFA20DIT型(2L・水平対向4気筒)が投入されました。既存のEJ25型ターボ搭載グレードを一部置き換える格好。EJ25ターボは「ゆとり」を、FA20DITは「圧倒的な加速ときびきびした走り」を訴えかけます。

連休前の河口湖(山梨県)付近で撮影。桜が見ごろでした。

P1300388_blog.JPG

型式が「FA」なので、BRZが積むFA20型ポート噴射&直噴併用の自然吸気エンジンがベース? と思ってしまいがちですが、FA型のベースとなったFB型(ポート噴射・自然吸気)をベースに直噴ターボ化したと理解するのが正解のよう。FB型のボア×ストロークが84×90mmなのに対し、FA型は86×86mmのスクエア。直噴ターボは86×86mmを採用するがゆえにFA型に分類されることになったよう。ただし、クランクシャフトはFA20型と共用と、ちとややこしい。

P1300386_blog.JPG

トヨタと手を組んで開発したFA20型の直噴システムがデンソー製なのに対し、独自開発したFA20DIT型の直噴システムは日立オートモーティブシステムズ製です。開発に着手した時期は、どうやらFA20DIT型の方が早かった模様。

P1300397_blog.jpg

新旧ターボ(「旧」といってもまだ現役ですが)のスペックを比較しておきましょう。

■EJ25ターボ
排気量:2457cc
ターボチャージャー:シングルスクロール
バルブ駆動:直打式
ボア×ストローク:99.5×75mm
圧縮比:9.5
最高出力:210kW(285PS)/6000rpm
最大トルク:350Nm/2000〜5600rpm
JC08モード燃費:10.2km/L

■FA20DIT
排気量:1998cc
ターボチャージャー:ツインスクロール
バルブ駆動:ロッカーアーム式
ボア×ストローク:86×86mm
圧縮比:10.6
最高出力:221kW(300PS)/5600rpm
最大トルク:400Nm/2000〜4000rpm
JC08モード燃費:12.4km/L

P1300428_blog.JPG

従来ターボより少ない排気量で大きな出力/トルクを生み出しつつ、燃費向上を果たしたのがFA20DITの特色。ただし、あくまでもスバルブランド内での比較であって、(残念なことに、いまだに)ヨーロッパを中心に進行する過給ダウンサイジングの潮流の中にFA20DITを置いて比較してみれば、高出力ターボの部類に入ります。走りの楽しさを損なわずに燃費をとことん重視したスペックも欲しくなります。

いっそのこと1.6Lまでダウンサイジングしてくれた方が、ダウンサイジングした印象は強くなったでしょう。カタログ上の最高出力にはとらわれず、「走りの気持ち良さは最高出力の数値じゃないんですよ。ほら、この方が気持ちいいでしょ。気持ちよく走ったのに、燃費もこんなにいい」と訴えかけてもらいたい。ま、乗らずに言っているので、乗ったら印象変わるかもしれませんが……。

P1300439_blog.JPG

21年ぶりに送り出す新世代水平対向エンジン、すなわちFB20型の投入は、フォレスターがマイナーチェンジするタイミングで実施されました。新世代ターボの投入は、レガシィの年次改良に合わせて実施。エンジンを刷新する機会などそうないのですから、もっとインパクトのある送り出し方ができなかったものかと、人ごとながらもったいない気がしてなりません。

FA20DIT型の詳細は『Motor Fan illustrated Vol.68』(5月15日発売)にまとめました。ピストン冠面など、パーツの写真も盛りだくさんです。

http://www.facebook.com/serakota

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:自動車

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント