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金属ベルトCVT(ホンダ製) [クルマ]

『Motor Fan illustrated』の8月16日発売号の特集が「CVT」だったため、6月から7月にかけてはCVT月間でした。あちこちにお邪魔して勉強させていただきましたが、一番を目指して頑張ってらっしゃる方々の話をうかがうと感化されますね。今までさんざん見てきたものなのに、見方が変わります。

例えばホンダのCVT。写真のカットモデルはハイブリッド車用で、発進デバイスにトルクコンバーターではなくクラッチを使ったタイプです。

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自社製金属ベルトだけ取り出してみるとこんなふう(上のカットモデルのベルトは他社製)。ふた束のリングとエレメントで構成されています。リングの厚みは1枚0.18mmで、写真の仕様の場合は、これを12枚重ねています。フィットやインサイトなど、小容量タイプの場合は9枚重ねです。

エレメントはどれも似たような形に見えますが、メーカーによって微妙に異なるのですね。ホンダ製の場合、丸囲みに注目。プーリーと接して動力の伝達を行う部分です。

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下の写真は他社従来品ですが、形状の違いがわかるでしょうか。ホンダ製はプーリーの径を小さくして変速レンジを拡大するため、エレメントの設計に手を入れたのですね。小径側にベルトが移動した際、エレメントがプーリーのシャフトと干渉しないよう短くしたのです。

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数百枚のエレメントと9層あるいは12層ふた束のリングをセットすると、下の写真のようになります(上の矢印の部分にリングをセット)。エレメントの背にレーザーマーキングを施してロット管理しています。エレメントひとつひとつの差がわずかでも、積み重なると挙動の乱れにつながるので、寸法誤差は1ミクロン以下だそう。溜め息でます。

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金属ベルトひとつ取り上げてもこんなふうで、制御にも同じように緻密な工夫が施されています。というわけで、なんだか最近、ホンダ車に乗ってCVTの感触を味わいたい気分が満々です。

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