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メルセデスAMG「ONE」の生産仕様発表(その3) [クルマ]

つづきです。

センターロック式のホイールはマグネシウム合金製で、カーボンファイバー(CFRP)製の空力カバーが装着されています。

ブレーキはカーボンセラミックディスクを使用。

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資料を読んだら、ONEは50km/hからダウンフォースを発生させると書いてありますね。

大きなNACAダクトそ備えたエンジンカバーは脱着可能。

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ダクトから取り込んだ空気は後方のラジエターに向かいます。

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カーボンモノコックの内部に、ふたり分のスペースが確保されています。

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シートの前後位置は固定で、シートバックの角度は25度と30度の2段階で切り換え可能。

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ステアリングの位置は電動で調節化。ペダルボックスの前後位置は11段階で調節できます。

ペダルボックスの調節スイッチはシートの座面中央部にあります。

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10インチのディスプレイがドライバー席の前とセンターコンソールに設置されています。

(ドライバーに向かって傾いた)センターのディスプレイには、パワートレーンを構成するコンポーネントの温度を表示するモードがあるようですね。

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こちらはドライバー側。

レッドゾーンは9500rpm付近に設定されています。

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ステアリングホイールは「F1スタイル」ですが、センターパッド部にエアバッグを内蔵。

F1ほかでおなじみの「シフトライト」がホイールリムの上辺に組み込まれています。

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DRSを装備していることが、ステアリングホイール上もスイッチからうかがえます。

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ONEはエアコン、パワーウインドウ、インフォテインメントシステムを標準装備。

USBポートを2個設けており、スマホをつないで音楽を楽しむことも可能。

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ルームミラーの位置にあるディスプレイに、カメラが捉えた後方映像を映す仕組み。

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メルセデスAMG「ONE」の生産仕様発表(その2) [クルマ]

生産仕様が発表されたメルセデスAMG ONEの機能上の特徴について、説明を続けていきましょう。

プラグインハイブリッドシステムを搭載している「ONE」は、6つのドライブモードを備えています。

システム起動後の発進は、フロントに搭載する2基のモーターのみで行います。つまり、EV走行。その間に、ヒーターを使って触媒を暖機しておく仕組み。触媒が適正な温度に達するまでは、エンジンを始動させない制御としているそう。

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Race Safe(デフォルト):始動直後はEV走行。大きな出力が要求された場合のみエンジンが始動。
Race:電気パワーをフルに生かせるよう、エンジンは常時運転し、バッテリーへの充電を行う。
EV:モーター走行。
Race Plus(サーキット専用):アクティブエアロが起動。ライドハイトがフロント37mm、リヤ30mm低下。シャシーは引き締める方向。高い性能を発揮するマネジメントに切り換える。
Strat 2(サーキット専用):Race Plusよりもパフォーマンスを重視したセッティング。F1の予選モードに相当。すべてのモーターをフルパワーで使う。
Individual:好みの組み合わせを選択できる(ただし、公道のみ)。

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トランスミッションは、専用開発した7速オートメーテッド・マニュアル・トランスミッションを搭載。クラッチの断接と変速操作を自動化したトランスミッションで、いわゆるAMTということでしょうか。

シフトロッドと4プレートのカーボンクラッチは油圧で作動。

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下の写真は2017年のIAAで撮影したローリングシャシーです。

前後のサスペンションは、ダブルウィッシュボーン式のAアームを2本のロッドに分割したマルチリンク式。ダンパー&コイルスプリングの作動はプッシュロッドによって行う構造でした。

生産仕様も当時のレイアウトを受け継いでいるのでしょうか。

ダンパーは減衰力調整式で、EV/Race Safe/Race/IndividualでC(コンフォート)とS(スポーツ)が選択可。

Race PlusとStrat 2ではS(スポーツ)とS+(スポーツ+)が選択できます。

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ベースとなったF1とは異なり、公道を走る「ONE」はABSとESP(ESC)を搭載。

ESPには標準のESP(安全性を重視した制御)とESPスポーツハンドリングモード(大きなヨーアングルを許容)、ESPオフの3種類があり、「トラック」モードでも3種類すべてのESPモードが選択できます。

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エンジンとハイブリッドシステムの解説動画はこちら↓





(つづく)

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メルセデスAMG「ONE」の生産仕様発表(その1) [クルマ]

F1のパワーユニットを積んだロードゴーイングカーは2017年のIAA(フランクフルトモーターショー)で発表されて以来、メルセデスAMG「Project One(プロジェクト・ワン)」でした。

6月1日に生産仕様が発表され、車名は「ONE」になりました。

ワン!

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2017年登場時のエントリーはこちら↓

https://serakota.blog.ss-blog.jp/2017-09-13

2020年に報告した続報はこちら↓

https://serakota.blog.ss-blog.jp/2020-08-21

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パワートレーンの主要スペックを記しておきましょう。

ボア×ストローク:80.0×53.03mm
排気量:1599cc
システム最高出力:782ps(1063hp)
エンジン最高回転数:11,000rpm
エンジン最高出力:422kW(574hp)/9000rpm
リッターあたり出力:359hp
MGU-K(クランク軸に接続):120kW(163hp)
MGU-FL/MGU-FR(前車軸左右に搭載):120kW×2=240kW(326hp)
MGU-H(スプリットタイプ):90kW(122hp)
最大過給圧:3.5bar

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最高速度は352km/h。

エンジンは直噴インジェクター(最大噴射圧270bar)に加え、ポート噴射のインジェクターを備えているのが、F1との相違点。

早期活性化のためにプレヒーターを備えた触媒を搭載しているのも、量産車ならでは。

ただし、ニューマチックバルブリターンシステムはそのまま受け継いでいるようで、エアの補充はどうする?

パワートレーンを構成するコンポーネントはF1に準じていますが、フロント左右に2基のMGUを備えるため、4WD。メルセデス風に表現すれば4MATIC。

フロントのMGUは左右個別に制御することでトルクベクタリングを実現(ヨーコントロールを行うということでしょう)。

「アクティブエアロ」を装備。

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カーボンモノコックにカーボンボディ、エンジン〜トランスミッションはストレスマウント。

公道を走らせるということは、販売する国の衝突安全や排ガスなどの法規制をクリアする必要があり、開発はひと筋縄ではいかなかったはず。

公式お披露目から5年を経過したとはいえ、量産化にこぎつけたのは立派というほかありません。

大拍手です。



「ONE」の紹介動画には、スージー・ウォルフが出演。

8.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、カタログ値で18.1kmのEV走行が可能。

(つづく)

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