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【F1】左右非対称なフロントブレーキの冷却 [F1]

バルセロナ・カタルーニャサーキットは右回りゆえ、旋回内側にあたる右側はタイヤの陰に隠れて空気が入りにくいのでしょう。フェラーリのブレーキシュラウドを見ると、車両右側は左側に比べて開口部が大きくとられています。ブレーキディスクの露出は大きいし、ディスクの前側に位置するダクトも、わざわざ窓を設けてブレーキユニット方向に空気が抜けるようになっています。

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角度を変えて見てみると、ブレーキダクトの大きさが左右で異なるのも分かります(角度のせいもありそうですが)。

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トロロッソも同様で、ブレーキディスクの露出は大きく、ダクト開口部は車両左側に比べて右側の方が大きいのが分かります。

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左右対称ブレーキ冷却の例として、マノーを見ておきましょう。近年のはやりで、車両内側に大きなダクトを張り出させていないのが特徴。上の2台に比べると、サスペンションアームの下反角が大きいですね。

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【F1】座面の感触を執拗に確かめるキミ・ライコネン [F1]

木曜日夕方の出来事ですが、フェラーリのガレージ前を通りがかったところ、キミ・ライコネンがシートをチェックしていました。CFRP(カーボン繊維強化プラスチック製)製のシェル表面、体が触れる部分にクッション材が張ってあるのですが、座面部分を何度も押して、感触を確かめています。

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シートを背面から見るとこんな感じ。写真右側が尻〜太ももにかけて(を下から見上げた感じ)。

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外に出てきて座面を押しては……。

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ガレージに入って車両に装着されているの座面を確かめ……。

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また外に出てきては座面を何度も押し……。

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再びガレージの中に入っては感触を確かめる、の繰り返し。

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よほど、気になるようですね。作り替え(張り替え)でもしたのでしょうか。

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F1スペインGPの木曜日2016 [F1]

朝9時半頃ですが、街を抜けるのにちょっと渋滞していました。ホテルからサーキットまでは約10km。

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到着。

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日中の気温は22℃ほどでしたが、日差しが強いので半袖で十分な感じ。夕方、雨がぱらっと降りました。

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公式プログラムです。

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メディアキット(PDF)はクレジットカードサイズのUSBメモリー(4GB)に入っています。公式プログラムと同じ意匠。

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おや、コクピット開口部のテンプレートでしょうか。

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こちらも同様。

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ピレリのホスピタリティに置いてあるテーブルです。天板はウルトラソフト柄。キャンディが入っている器はトレッドパターン模様。

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パドックを歩いてみます。

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2013年のエントリーはこちら↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2013-05-10-1

ずいぶんカメラマンが集まっているな、と思ったら、このグランプリからレッドブルに移ったマックス・フェルスタッペンがシート合わせをしているからなのですね。

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つづく。

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バルセロナの近郊に着きました [F1]

成田からデュッセルドルフ経由でバルセロナに向かいます。デュッセルドルフ〜バルセロナ間はLCCでした。人生初LCC。機材変更で1時間半ディレイ……。

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スナックやドリンク類のメニューがシートバックのポケットに挟んでありました。あ、やっぱり有料なんだ、と覚悟していたところ……。

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サンドイッチとミネラルウォーター入りボトル(200ml)、それにグミが入った小袋をただで配っていました。コーヒーなども無料。お金払って何かを受け取っている人がいましたが、有料/無料の区分は分からずじまい。

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19時にバルセロナ空港に着くはずが、20時半を過ぎていました。レンタカーのカウンターでも待つこと数十分。「いつまで待たせるんだよ」と、フランス人に怒られて意気消沈するスペイン人。気の毒に……。

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レンタカーはシトロエンC3でした。日の入りは21時ですが、すでに真っ暗だったので、エンジンルームなどの確認は後回しにして(走った感じ、ガソリンNAのようですね)、約50km離れたホテルに向かいます。

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23時過ぎにホテルに着きました。手続きをひととおり済ませたところで、「何か質問は?」と聞かれたので、「ビールが飲みたい」と答えたところ、「後ろの自動販売機で売っているわよ」との返答。これはラッキーと、さっそくコインを放り込んでボタンを押してみたところがノンアルコール(涙)。

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では、また。

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【WEC】スパ6時間の時系列的なまとめ [モータースポーツ]

現地時間5月7日14時半から20時半にかけて行われた6時間レースの流れを、LMP1カテゴリーを中心に抽出し、時系列でまとめておきます(WEC公式サイトのまとめをベースに作成)。いろんなことが起きましたので。

予選結果はポルシェ1号車、ポルシェ2号車、トヨタ6号車、アウディ8号車、トヨタ5号車、アウディ7号車の順でした。

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1周を終えた時点の順位は、1-2-8-7-6-5に変わっています。

【スタート〜1時間】
14:31:48 グリーンフラッグ。
14:46:45 ポルシェ1号車(ハートレー)が1分58秒431のファステストラップを記録。
14:47:48 ポルシェ2号車(リーブ)、アウディ8号車(ディ・グラッシ)に抜かれる→3番手。
14:49:33 ポルシェ2号車、6番手に落ちる。
14:50:49 トヨタ5号車(ブエミ)、3番手に浮上。
14:55:18 ポルシェ2号車、ハイブリッドシステムに問題があることが判明。
14:57:25 トヨタ6号車(コンウェイ)、4番手に浮上。
15:10:39 トヨタ5号車、アウディ8号車を抜いて2番手に浮上。
15:14:26 アウディ7号車(トレルイエ)、1回目のピットストップ(19周目)。
15:15:40 トヨタ6号車、最終シケイン入口で37号車(LMP2/SMP)に追突。フロントセクションを破損。
15:16:27 トヨタ7号車、ノーズを交換。
15:21:16 ハード側コンパウンドを選択したトヨタ5号車、ダブルスティントを敢行(給油のみ実施)。ピットストップ後にポルシェ1号車からリードを奪う。
15:22:54 トヨタ6号車、ドライブスルーペナルティ(37号車に追突した関係)。
15:33:51 アウディ7号車、フロアにダメージを負う。
15:38:37 1時間経過後の上位3台はトヨタ5号車、ポルシェ1号車、アウディ8号車の順。

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【1時間〜2時間】
15:47:42 ポルシェ1号車の左フロントタイヤがパンク。
15:49:58 ポルシェ1号車、ピットに入り、ウェバーにドライバー交代。
15:56:01 ポルシェ1号車と2号車、5番手、6番手を走行。
16:04:40 ポルシェ1号車、再び左フロントタイヤのパンクに見舞われる。
16:05:13 アウディ7号車、ガレージで修復。
16:07:13 パンクしたポルシェ1号車、ガレージに入る。
16:09:04 トヨタ6号車、ダメージを負ったリヤのボディワークを交換。
16:11:26 38号車(LMP2/Gドライブ)に接触されてひっくり返った95号車(アストンマーチン)を撤去するため、フルコースイエロー(FCY)発動。
16:17:56 アウディ7号車(ファスラー)、コースに復帰。
16:19:04 ポルシェ1号車(ハートレー)、コースに復帰。7号車、1号車とも、この時点で5周遅れ。
16:22:32 アウディ7号車、フロントアンダートレー交換(縁石乗り越え時にダメージ)。
16:23:53 グリーンフラッグ。
16:25:28 トヨタ6号車(小林)、ポルシェ2号車(デュマ)を抜いて3番手に浮上。
16:31:47 2時間経過後の上位3台はトヨタ5号車、アウディ8号車、トヨタ6号車の順。

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【2時間〜3時間】
16:38:30 ポルシェ1号車、ピットに入る。
16:47:32 ポルシェ1号車、フロントアクスル交換。片輪がパンクした状態で長い距離を走行したため(左右輪の回転差大)、フロントデフが破損。
17:14:57 アウディ7号車、ガレージに入る。ブレーキ温度の問題発生(→ダクトを清掃)。
17:20:00 FCY。ケメルストレートのデブリ回収。
17:21:12 アウディ7号車(ファスラー)、コースに復帰。
17:25:35 グリーンフラッグ。
17:30:18 3時間経過。首位のトヨタ5号車は2番手のアウディ8号車に対し、ほぼ1周のギャップを築く。3番手はトヨタ6号車。

【3時間〜4時間】
17:46:28 アウディ7号車、36号車(LMP2/アルピーヌ)に追突。フロントボディワークにダメージを負う。
17:47:06 トヨタ6号車、ガレージに入る。
17:53:30 トヨタ6号車、オイル漏れを確認。
17:55:51 トヨタ6号車、ガレージに入る。
18:08:03 アウディ8号車、デュバルからジャービスに交代。トヨタ5号車はデイビッドソンから中嶋に交代。
18:10:21 アウディ7号車にドライブスルーペナルティが科される(36号車への追突に関して)。
18:22:38 ポルシェ1号車、1時間40分のピット作業。
18:25:23 トヨタ6号車、電気系のトラブルによりリタイヤ。
18:28:33 4時間経過。上位3台は、トヨタ5号車、アウディ8号車、ポルシェ2号車の順。

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【4時間〜5時間】
18:37:15 トヨタ5号車のリヤから白煙が吹き上がる。
18:39:13 トヨタ5号車、ガレージに入る。
19:12:07 アウディ8号車、テレメトリーに問題発生。
19:23:37 66号車(LMGTE Pro/フォード)、オールージュ〜ラディヨンで大クラッシュ。
19:23:56 セーフティカー出動。
19:29:58 5時間経過。上位3台は、アウディ8号車、ポルシェ2号車、リベリオン13号車の順。

【5時間〜6時間】
19:44:41 首位を走るアウディ8号車、ガレージに入る。
19:46:11 アウディ8号車、コースに復帰。空力バランスを調整するため、テールセクションを交換した。
19:49:21 グリーンフラッグ。
20:19:52 アウディ7号車、43号車(LMP2/RGRスポーツ)とラ・ソースで衝突。フロントボディワークを破損。
20:29:55 トヨタ5号車、コースに復帰。チェッカードフラッグを受ければ完走扱いになり、ポイントが獲得できるため。モーターの動力のみでコースを1周。ケメルストレートエンドのスピードトラップでは49.4km/hを計測。

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LMP1の1位アウディ8号車(160周)、2位ポルシェ2号車(158周)、3位リベリオン13号車(156周)、4位リベリオン12号車(155周)、5位アウディ7号車(155周)、6位バイコレス4号車(151周)、7位ポルシェ1号車(112周)、8位トヨタ5号車(110周)、リタイヤ=トヨタ6号車(87周)。

公式ダイジェスト動画です↓


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【WEC】LMP1各車の特性が見えるスパ予選のタイム比較 [モータースポーツ]

2016年WEC第2戦スパの予選(QF)タイムを2015年と比較してみました。

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S1〜S3はセクタータイムで、2台ずつ出走している各メーカーごとのベストを抜き出したものです。大まかですが、S1とS2は高速区間、S2は旋回区間に分類できます。2015年の最高速はいずれもFP3での記録(予選で更新しなかったことを意味)。2016年の場合、ポルシェとアウディは予選での記録、トヨタはFP1での記録です。

2015年の表にあるカッコ内はトップとの差。2016年の表にあるカッコ内は(トップとの差/前年との差)を表しています。

WEC Rd.2 Spa 予選タイム比較
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(クリックで少し拡大)

ポルシェはシルバーストン(ハイダウンフォース)とル・マン(ミニマムドラッグ)の中間的な空力パッケージを投入したということですが、どちらかというとル・マン寄りでしょう。アウディはル・マン向けのミニマムドラッグ仕様、トヨタは前戦シルバーストンと同様、ハイダウンフォース仕様を持ち込んでいます。ここから短絡的に予想できるのは、アウディは高速区間(S1とS3)に強く、トヨタは旋回区間(S2)に強そうなこと。

どのハイブリッドクラスを選ぶか(移行したか)にもよりますが、2016年は燃料流量の上限が低くなっており(8〜10%削減)、1周13.629kmのル・マンでは4秒ラップタイムが落ちると試算するメーカーもあります。距離がほぼ半分のスパ(1周7.004km)では2秒くらい落ちて当たり前、との読みが成立しそうです。

Porsche 919 Hybrid
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で、2016年の予選タイムを見てみると、ポルシェの盤石ぶりが際立っています。高速区間のパフォーマンスを維持しながら、旋回区間での落ち込みを抑えるコンセプトでしょうか。ラップタイムの落ち込みを前年比約1秒に抑えており、燃料流量の削減分を補って余りある性能向上を果たしていることがうかがえます。

Audi R18
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アウディの場合、S1とS3は昨年より短い時間でクリアしているのに、S3は3秒も遅くなっていることから、コーナーを捨ててストレートを重視したパッケージであることが分かります。ドラッグ、小さいのでしょうね。ハイノーズの新コンセプトが効いている? 完全に、照準をル・マンに合わせている、ということでしょうか。

Toyota TS050 Hybrid
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トヨタの予選タイムは2015年比わずか0.2秒落ちで、燃料流量の削減分を考慮すれば大幅な性能向上を果たしていることがうかがえます。セクタータイムはS1とS3で昨年を上回っています(アウディと同様)。この区間に限って言えば、2015年のTS040ハイブリッドより速い。パワートレーンの性能向上(短時間で新規開発したのにトラブルに足を引っ張られていない)も、ドラッグ低減のコンセプトも狙いどおり機能しているということでしょう。旋回区間(S2)でのタイムは、ミニマムドラッグに特化したアウディほど落ちてはいません。

2015年のTS040ハイブリッドと比較すれば大幅なパフォーマンス向上を果たしたと言えそうですが、ポルシェは遠いですね。果たして、レースでの勢力図はどうなるでしょうか。

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【WEC】新ヘッドライト&新空力仕様を投入したポルシェ919ハイブリッド [モータースポーツ]

ヘッドライトが変わると表情が一変しますね。ポルシェはWEC第2戦スパに新型ヘッドライトを装備した車両を持ち込みました。中央にある縦長のセグメントのせいで、猫目っぽい(というか、ロケット団のニャースを連想してしまいます)。

Porsche 919 Hybrid / Rd.2 Spa
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旧仕様はこちら。

Porsche 919 Hybrid / Prologue
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前方および側方の照射範囲を広げるのが目的で、LED(オスラム製)の数を増やしたユニットに切り換えています。精査が必要ですが、12セグメントに分かれているよう。

ペンシルビーム(超長距離照射)/メインビーム/サイドビームの3つの機能を備えており、長距離照射とコーナリングライトに関しては7つのパターンを制御できる仕組み。制御ユニットはヘッドライトユニットと一体化した設計。高機能化したにもかかわらず、片側1.1kgも軽量化したそう。ヘッドライトユニットの下に冷却ダクトらしきものが確認できます(矢印)。

Porsche 919 Hybrid / Rd.2 Spa
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従来は4つの独立したLEDユニットを収めていました。

Porsche 919 Hybrid / Prologue
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新型ヘッドライトはリフレクターを利用した多セグメントになっていますが、旧仕様のみならず、量産各ポルシェとも共通する「4スポット」のコンセプトは受け継いでおり、デイライトモードでは4つのセグメントを点灯させます。

Porsche 919 Hybrid / Rd.2 Spa
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ヘッドライトユニットの中央には上下方向に20個のRGB LEDを並べ、1号車と2号車の識別灯として機能させています。1号車はマゼンタ(写真)。2号車はブルーに発光。

Porsche 919 Hybrid / Rd.2 Spa
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ヘッドライトの変更に目を奪われがちですが、空力パッケージも変わっています。ポルシェの説明によれば、シルバーストン(ハイダウンフォース)とル・マン(ミニマムドラッグ)のミックス。

Porsche 919 Hybrid / Rd.2 Spa
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Porsche 919 Hybrid / Rd.1 Silverstone
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シルバーストンではラウンドしていたフェンダー前面が、スパでは切り立っています。フロントであまり空気を使わず、リヤに向けて積極的に流すコンセプト。ポルシェに限らず、各社共通した考え。

Porsche 919 Hybrid / Rd.2 Spa
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Porsche 919 Hybrid / Rd.1 Silverstone
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シルバーストンではカウル後端が大きく跳ね上がっていましたが、スパではフラットになっています。

Porsche 919 Hybrid / Rd.2 Spa
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Porsche 919 Hybrid / Rd.1 Silverstone
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ミニマムドラッグに特化したル・マンでは、もうひとひねりあるということですね。

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