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F1のハイブリッド技術を移植したインフィニティ・プロジェクト・ブラックS(2018) [クルマ]

パリモーターショー2018を前に、(個人的に)注目の1台が発表されました。インフィニティ・プロジェクト・ブラックS(INFINITI Project Black S)です。

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このクルマ自体はすでに2017年3月のジュネーブモーターショーで発表されています。その進化版が登場しました。

プロジェクト・ブラックS(2017)の関連エントリーはこちら↓
https://serakota.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08

コンセプトは変わっていません。「エンジニアリング・テストベッド」の位置づけで、ルノー・スポール・フォーミュラ・ワン・チーム(RSF1)が培ったハイブリッド・パワートレーンの技術を、インフィニティの市販車両に融合することが最大のテーマ。

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ベース車両はインフィニティQ60スポーツクーペ。エンジンはVR30型、3.0L・60度V型6気筒直噴ツインターボがベース。

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エンジン単体の最高出力/最大トルクは298kW/475Nmです。両脇に水冷インタークーラーが見えています。

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RSF1の開発拠点でベンチテストを行っています。

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Vバンクの外側に配置したターボチャージャーのタービンとコンプレッサーの間に、熱エネルギーを回生するモーター/ジェネレーターユニット(MGU-H)を挟んでいます。いわゆる「スプリットターボ」で、MGU-Hの出力は30kW。

熱エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに蓄えるだけでなく、加速時は力行し、ターボの応答性を高める働きをします。

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後席は取り払われ(すなわち2シーター)、出力120kW、容量4.4kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載されています。使用電圧は400V。

出力120kW(F1と同じですね)のMGU-Kはリヤアクスルに搭載され、ファイナルドライブユニットと機械的につながっています。総合最高出力は420kW(571ps)。トランスミッションは7速ATです。

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ルノーのF1カーを想起させるイエローの差し色が内外装の随所にあしらわれています。

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外板やシートフレームなどにCFRPを用いることで軽量化を図っており、200kgに達するハイブリッドシステムの重量が加わったにもかかわらず、車重はベース車比24kg増の1752kgに抑えたと説明しています。

前後重量配分は大いに適正化され、ベース車の58:42から50:50に変化しています。

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トラクションコントロールやABS、パワートレーンのセッティングを調節するロータリースイッチは、F1カーのステアリングホイールから引用。

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リヤウイング翼端板のスリットは、F1のそれを連想させます。

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こういう方向も大いにアリですね。

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