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【IMSA GTP】ポルシェ963の“9RD”エンジンなどについて [モータースポーツ]

IMSAの2023年開幕戦となるデイトナ24時間(1月28日〜29日)を前に、詳細な情報があちこちから出てきています。

GTPカテゴリーにLMDh車両の「963」を投入するポルシェもそのひとつ。

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LMDh車両は新しいLMP2シャシーがベースで、2022年までのDPiと同様、マルチマチック、オレカ、ダラーラ、リジェの4社から選択することが可能です。

ポルシェはマルチマチックを選択しました。

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やはりDPiと同様、LMDhもマニュファクチャラー独自のボディとエンジンを採用することができます(ただし、空力性能はパフォーマンスウィンドウに収める必要があり、エンジンは最高出力の上限が定められています)。

963のフロントセクションは、956/962へのオマージュ。

リヤの一文字テールランプは、992型911からの引用です。

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エンジンは918スパイダーに起源を持つ4.6L・V8ツインターボを搭載。

当ブログの関連エントリーはこちら↓

【LMDh】ポルシェ963のエンジン
https://serakota.blog.ss-blog.jp/2022-06-26

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最高出力は520kW (707ps)に制限。最低重量は180kg以上と規則で定められています。

918スパイダーが搭載するエンジンはドライサンプを採用していたこと、高出力化に有利なフラットプレーン・クランクシャフトを採用していたこと、低重心化やリヤサスペンションのマウントに向いているショートストロークを採用していたこと(エンジンの高さを抑えられる)が採用の決め手だったと、パワートレーン開発責任者のシュテファン・モーザー氏は説明しています。

90度の角度を持つバンク間には、ヴァン・ダー・リー(Van der Lee)製のターボチャージャーが2基収まっています。

過給圧はわずか0.3bar。大排気量+低過給のコンセプトで、これにより自然吸気エンジンに近いレスポンスを手に入れたそう。

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ハイブリッドシステムは共通で、最高出力が30〜50kWに規定されているモーター/ジェネレーター・ユニット(MGU)はボッシュ製。

システム最高出力は520kWに規定されているので、MGUが力行している間、エンジンの出力はMGUの出力を差し引いた出力しか発生させることはできません(WECのハイパーカーと同様の規定)。

MGUは車両ミッドに搭載するエンジンとXトラック製7速トランスミッションの間(ベルハウジング)に搭載。

1.35kWhの容量を持つバッテリーはWAE(旧ウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング)製で、システム駆動電圧は800V。

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ポルシェ内部で「9RD」と呼ばれるエンジンの主要スペックは以下のとおり。

9RD
形式:V型8気筒
排気量:4593cc
バンク角:90度
ボア:96mm
ストローク:81mm
最高出力:>515kW(700ps)
最高回転数:>8000rpm

ポルシェ963のインフォグラフィックはこちら↓

963_infographic.jpg
(クリックで拡大)

https://www.facebook.com/serakota/

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