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【WEC】2024年からLMGT3を導入 [モータースポーツ]

FIAワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)が2022年12月7日にイタリア・ボローニャで開催され、FIA世界耐久選手権(WEC)に関する新たな枠組み・規則が承認されました。

WECの一戦を占めるル・マン24時間レースを主催するACOが配信した情報も合わせ、主だった項目を拾い上げていきましょう。

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2023年からタイヤウォーマー廃止
→全カテゴリーでタイヤウォーマーが廃止されます。環境保護の観点(ピットの裏で化石燃料を消費して温めていますので)からの決定です。

2023年からハイパーカークラスのタイヤスペック削減
→各サーキットへの持ち込みスペックは2022年までの3種類から2種類(ル・マンは3種類)に削減。2024年には1種類(ル・マンは2種類)に削減されます。

ハイパーカーのエントリーは各コンストラクター最大2台まで
→ハイパーカークラスに参戦するコンストラクター(ワークス参戦)のエントリー台数は最大2台までに制限。マニュラクチャラーズ・チャンピオンシップに参戦できるのは2台目までで、3台目以上を参戦させる場合は「ワールドカップ」での参戦となります。

2023年はLMP2のエンジン出力を10kW低減
→ハイパーカーとのバランスをとるため、LMP2(ギブソン製4.2L・V8自然吸気)のエンジン出力は10kW削減、最高回転数は500rpm引き下げられます。もともと450kWだった最高出力は2021年のハイパーカー規定導入に合わせて400kWに低減されていましたので、390kWになるということでしょうか(ハイパーカーは500kWが基本)。

2024年からLMGT3クラスを創設
→これまでのLMGTEにかわり(LMGTE Proは2022年限りで終了。LMGTE Amは2023年限りで終了)、FIA GT3車両をベースにした新クラスが設けられます。ハイパーカーと同様、ドライブシャフトにトルクセンサーの装着を義務付け、リアルタイムで駆動輪のトルクを監視(性能調整=BoPに反映)。プロモーション理由およびル・マンに特化した空力特性を実現するためのボディワークコンバージョンキットの装着は認められますが、義務付けではありません。

新世代LMP2の導入は2026年に延期
→2025年の導入とされてきた新世代LMP2の導入は1年先延ばしになりました。

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AVL RACETECHの2L直4水素レーシングエンジン [モータースポーツ]

主にエンジンの開発とシミュレーション、試験を専門とするAVL(本社:オーストリア・グラーツ)のモータースポーツ部門、AVL RACETCHは2022年11月、水素レーシングエンジンのプロトタイプを公開しました。

AVLレーステック、以前はAVLレーシング(AVL Racing)の名称でしたが、改名した模様。

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2L直列4気筒ターボです。

以下、AVLレーステックの説明をもとに、エンジンの概要を記します。

従来の水素エンジンは強リーンバーンが一般的でしたが、それゆえに出力を高くすることができないのが課題でした。

AVLレーステックの新しい水素レーシングエンジンは弱リーンバーンとし、リッターあたり150kWレベルの性能を実現することが可能(2Lだと300kW)。

これだけの出力を発生することができれば、量産ベースの車両で行う既存のレースカテゴリーで充分通用する、と説明しています。

技術上のポイントは、吸気ポートにウォーターインジェクション(水噴射システム)を採用したこと。

吸気を冷やすことで体積効率を高めるともに、燃焼室を冷やして、水素エンジンにとって難題であるプレイグニッションを防ぐ考え。

この水素レーシングエンジン、20年以上の歴史を持つAVLのモータースポーツ部門が初めて開発するオリジナルのエンジンです(開発とシミュレーション、試験を請け負うのが本業なこともあり)。

AVL本体では最近、乗用車および商用車向け水素エンジンの開発に取り組んでおり、そのイメージをリードする役割を水素レーシングエンジンに持たせる狙いでしょうか。

2023年の春には実機を公開するそう。楽しみに待ちたいと思います。

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アウディはノイブルクにF1のPU開発施設を建設 [F1]

2026年からF1に参戦するアウディは2022年12月2日、ノイブルク(Neuburg)にある既存のモータースポーツ関連施設、コンピテンス・センター・モータースポーツ(CCM)に、F1専用の施設を建設すると発表しました。

下の写真は施設の全体像で、赤く示した「F7.2」がF1プロジェクト専用の建物(完成イメージ)です。

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(クリックで拡大)

延べ床面積3000m2のこの建物には、テストベンチが設置される予定。

そのほか、ワークショップなどが設けられます。

竣工は2024年第一四半期を見込んでいますが、2023年3月には部分的にオペレーションを開始するそう。

CCMではすでにF1プロジェクトのために220名の従業員を抱えているそうですが、2023年半ばまでに300人を超える見込み。

2016年の資料です↓

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(クリックで拡大)

パワーユニットの開発はCCMで行う一方、車両の開発とチーム運営は戦略的パートナーとなったザウバー(株式を取得する予定)の拠点(スイス・ヒンヴィル)で行います。

アウディはノイブルクからヒンヴィルまで「クルマで4時間」と説明しています。耐久レース参戦時代(〜2016年)やクラス1DTM参戦時代(〜2020年)はザウバーの風洞(BMWワークス時代に整備)でテストを行っていたので、慣れ親しんだ場所であり施設といえそうです。

ノイブルクのモータースポーツ専用施設は2014年夏にオープンしました。

開業当時はこんな感じ↓ 現在の様子とあまり変わっていませんね。

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(クリックで拡大)

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しかし、開発車両は様変わりしています。

当時はLMP1-H、DTMが主力でした。

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2015年には歴代プロトタイプ車を並べて記念撮影を行っています。

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CCMはフォーミュラE(2014年〜2021年)の開発拠点にもなり、現在は2022年から参戦するダカールラリー参戦車両(RS Q e-tron)の開発拠点としても機能しています。

そう考えるとアウディのモータースポーツ、変わり身が早いですね(とくに近年)。

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桜のデザインを取り入れた日産フォーミュラE(桜はどこ?) [モータースポーツ]

日産自動車は、フォーミュラE選手権シーズン9(2023年1月開幕)に向けて、新しいカラーリングのGen3マシンを公開しました。

フォーミュラEは、シーズン9からGen3マシンに切り替わります。

マシンの名称は「NISSAN e-4ORCE 04」です。

Gen3から、リヤだけでなくフロントにもモーターを搭載(フロントは回生専用)しています。

e-4ORCE(イーフォース)は、日産が培ってきた4WD制御技術とシャシー制御技術を、電動化技術を用いて融合した4輪制御技術です。

電気自動車のアリアやe-POWER搭載のエクストレイルに適用されています。

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前置きが長くなりましたが、NISSAN e-4ORCE 04のカラーリング、「桜のデザインを取り入れた」との説明です。

写真を見て、「どこが?」と思ってしまいました。

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コクピットまわりにちりばめられているのですね。

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意外に「和」です。

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しかし、ひと目で「桜」を認識するのは難しいかな……

アングルの問題?

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公式動画です↓



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