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アコード・ハイブリッドのパワートレーン [クルマ]

ホンダの過給3兄弟やトルコン付き8速DCT、NSX Conceptのパワートレーンなどのパワートレーンなどについては過去のエントリーで紹介していますし、『Motor Fan illustrated』誌に掲載済みだったり、これから掲載されたりしますが、最新機種ではなかったりタイミングが合わなかったりで誌面化できないネタもあります。

アコード・ハイブリッドのパワートレーンです。このクルマに関しては過去2度触れています。

http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2013-08-01
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2013-10-15

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パワートレーンのカットモデルを眺める機会がありました。外側にあるのが発電用モーター、内側にあるのが駆動用(走行用)モーターです。駆動用モーターの方が大きいですが、サイズがそのまま出力の違いを表しています。

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モーターの性能を安定的に発生させるため、油冷システムを組んでいます。オイルパイプに設けた穴からコイルに油を垂らす仕組み。

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回収したオイルはバンパー左側奥にあるオイルクーラーで冷却され、循環します。よく見ると、バンパー左側だけダクト部分が貫通しています。

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前回エントリーでも触れましたが、アコード・ハイブリッドの実態はレンジエクステンデッドEVなので、基本的には駆動用モーターで走ります。下のパネルはその状態を示しています。でも、バッテリーはすぐ空になってしまいますので、そうなった場合はエンジンを始動し、最良燃費消費点で運転しながら発電用モーターを駆動。生み出した電気エネルギーで駆動用モーターを駆動し、走ります。

高速走行時など、エンジンを直結した方が効率がいい場合はエンジンを始動し、多板クラッチをつないで車輪に動力を伝えます。この場合も、余った動力で発電用モーターを駆動した方が効率がいい場合は駆動し、駆動用モーターでアシストした方がエンジンの効率が良くなる場合はそうします。賢い。

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発売になった時点では「世界一の熱効率」を誇ったエンジン(2L・直4ポート噴射)です。「突飛なことをやらずにここまでやったのが自慢」と開発に携わったエンジニア氏は説明してくれました。吸気側にはVTEC+電動VTCが付いていますが、排気側は可変機構なしで割り切っています。

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開発中に東日本大震災に被災したたため、シミュレーションもベンチテストも満足にできない状況だったそうですが、設計者の勘(もちろん、培った知見とセンスに基づくもの)があたり、タンブルをうまく生成する、いいポート形状を探り当てることができたそう。「しかし、あの状況でよくできた」としみじみ語っていました。

DSCN9265.JPG

「突飛なことやらず」に高効率という開発、最近よく聞きます。

http://www.facebook.com/serakota

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