異次元なシトロエンDS5

寝に帰るだけならベッドが置いてある程度の味気ないホテルでいいわけです。でも、贅沢している気分や非日常的なムードを味わいたいなら、それはそれでふさわしいホテルがあって、たまにはそっちもいいなぁと思うわけです。



シトロエンDS5は後者です。クルマを人や物の移動や運搬の道具として捉えるなら過剰な乗り物ですが、過剰が欲しい人には最高の逸品です。ちょっと贅沢していいホテルに泊まっちゃった気分がクルマで味わえます。



フロントフェンダーには「サーベルライン」と呼ぶ装飾物が取り付けられていて、DS5の個性を引き立てる要素のひとつとなっていますが、「これを外せば少しは軽くなるだろうに」と考える人に、このクルマは向いていません。



フロントバンパーのコーナー部はエアインテーク風の処理がなされています。空力的な効果はほんの少しかもしれませんが、機能的な要素が好きな人にとってはそそる処理でしょう。



操作性よりも見た目優先のような気がしますが、オーナーになればすぐに慣れるはずです。それよりも、独特の世界観が印象的。今までに乗ったどんなクルマとも雰囲気が違っていて、乗り込んだ瞬間に「なんだかいつもと違う」感覚に包まれました。DS3やDS4など、DS5に比べればカジュアルでフレンドリー。DS5は突き抜けてますね。



メーターのグラフィックも独特です。作り手がこだわったかどうか知りませんが、「きっと宇宙船に乗るとこんな感じなんだろうな」という想像上のイメージを、室内のムードづくりと乗り味で具現化した感じ。いずれにしても、異次元の世界であることに違いはありません。



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