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ニッサンR89Cで初投入したオリフィスLSD [モータースポーツ]

『Motor Fan illustrated』(三栄)では『RACING CARエンジニアの流儀』(TEXT:永嶋 勉)を連載しており、『MOTOR FAN illustrated - モーターファンイラストレーテッド - Vol.155 (モーターファン別冊)』では16回目(LAP16)の記事を掲載しています。

Engineer_LAP16.jpg

これまでサスペンションの設計やトラックエンジニアリング、タイヤ摩擦円の上手な使い方などについて触れてきましたが、『MOTOR FAN illustrated - モーターファンイラストレーテッド - Vol.154 (モーターファン別冊)』からはデフ編に突入しています。

Vol.154では、1987年のブルーバードSSS-R(U12)が搭載したビスカスLSDを取り上げ、Vol.155では同じ回転差感応型ながら回転差の2乗に比例して伝達トルクが大きくなっていく(差動制限が強くなっていく)オリフィスLSDを取り上げています。日産自動車のグループCカーが搭載していました。

初投入は1989年12月のJSPC(全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権)最終戦、鈴鹿1000kmでした(R89C)。1990年のR90CP以降もオリフィスLSDを搭載しています(下の写真はR90CP)。

R90CP_Fuji.jpg

開発・製造を担ったユニバンスに、カットモデルが残っていました。下の写真で「油圧機構」として囲ってある部分が差動制限力を発生させる部分です。ピストンらしきものが見えますね。

Orifice_LSD_s.jpg

Vol.155では、オリフィスLSDを採用するに至った経緯を説明しています。

IMG_0853.jpg

9月14日発売のVol.156で作動原理を解説すべく、鋭意制作中です。断面のイラストは必見。

ネーミングの由来となったオリフィス(流体を通す小さな穴)が見えます。

IMG_0825.jpg



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