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2013年F1テクニカルレギュレーションの主な変更点 [F1]

頭の中が一時的にF1に切り替わっているので、備忘録を兼ねて。テクニカルレギュレーションの変更点を5つピックアップしてまとめておきます。

1. ノーズの段差、解消可
2012年のテクニカルレギュレーション変更で生じた醜い段差(最大75mm)を解消する目的で、バニティパネル(Vanity Panel)、モデスティパネル(Modesty Panel)などと呼ばれるパーツをノーズに取り付け、モノコックとの段差をなくしてもいいことになりました。選択制なので、付けなくてもオーケー。このパネル、クラッシャブル構造としての役割を持ったノーズ本体と一体化しているので、塗装済みのノーズを見て「ここからここまでがバニティパネル」と識別するのは難しいでしょう。

ToroRossoSTR8_nose.jpg

2.アクティブ・ダブルDRSの禁止
DRS作動時にリヤウィング翼端板内側に露出する開口部から空気を取り込み、リヤウィングやビームウィング、フロントウィング裏面から空気を放出して気流を剥離させ、ドラッグを減らすシステム、通称アクティブ・ダブルDRSは禁止になりました。

一方、DRSと連動せずに空気を取り込み、それをドラッグ削減に使うパッシブ・ダブルDRSは引き続き使用可能。

Lotus_DRS.jpg

3.フロントウィング荷重テストの強化
2012年は1000N(約100kg)の荷重をフロントウィングに掛けた際、20mmまでの変形(たわみ)が認められていましたが、2013年はたわみ量が最大10mmに変更されました(荷重を掛けるポイントも変更)。20mmの許容量を利用して走行中にたわませ、フロントのダウンフォース増大を狙うのが常識でしたが、それが難しくなる、というわけです(テクニカルレギュレーション3.17.1)。より強固に作らなければならないので、重くなります。

さらに、フロントウィングの取り付け高さは3mmまで誤差が認められていましたが、昨今の製造精度向上を理由に誤差が廃止されました。3mmの誤差を利用して3mm低く取り付ける(と空力的にうま味がある)ことができなくなりました(←ロータスの資料を参考にまとめ)。

フロントのダウンフォースを失う方向なので、相応のリカバリー策が必要でしょう。

DSCN5428.JPG

4.サスペンションメンバーの数を規定
2013年の規則変更で、サスペンションメンバーの数は「最大6」と規定されました(テクニカルレギュレーション10.3.5)。2012年までは「過拘束なサスペンションメンバーは認められない」とだけ規定されていました。実質的にアップライト側、車体側の2点以外にリンクを設けてはいけないという内容で、「リンクを増やせばメンバーを増やしたのと同等の(空力的)効果を得られる」という設計を防ぐ狙い。これに数字の制約を追加して、「過拘束にしなくても6本以上のメンバーを設けられる」という抜け道を封じ込める狙いでしょう(←この段落、ご指摘により修正/2013.2.7)。

6本とは、トップウィッシュボーンのフロントレッグとリヤレッグ、ロワーウィッシュボーンのフロントレッグとリヤレッグ、トラックロッド(トーコントロールロッド)、プッシュロッドあるいはプルロッドというわけです。サスペンションメンバーであることを理由にメンバーの数を増やし、サスペンションとしてではなく空力的に利用することを防ぐ規則変更です(という変更を行うということは、そういう動きがあったということですね)。

DSCN5442.JPG

5.最低重量の変更
640kgから642kgへと、2kg増やされました。2013年スペックのピレリタイヤは、構造と材料の変更にともないフロントが200g、リヤが700g重くなっています(4本で1.8kg)。その重量増に合わせた変更です。

2013年のF1用ピレリタイヤ↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2013-01-24

PIRELLI_F1_TYRES_RANGE.jpg

http://www.facebook.com/serakota

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