F1のオルタネーター(おまけでル・マンカーのオルタ) [F1]
F1第13戦イタリアGPのフリー走行3回目、S・ベッテル(レッドブル・ルノー)はオルタネーターの過熱が原因で止まりました。第8戦ヨーロッパGPではベッテル車とR・グロージャン車(ロータス・ルノー)にも決勝レース中にオルタネーターに起因するトラブルが発生しました。9/10追記:イタリアGPの決勝レースでも、ベッテルはFP3と同様の理由でリタイヤしました。
実際のルノー・エンジンでオルタネーターの場所を確認したわけではありませんが、どのF1エンジンもたいていそうなので、ルノーの場合も右バンクのオイルサンプ脇、ウォータポンプの後方同軸上に配置されていると思われます(矢印)。
(写真:Renault Sport F1)
ウォーターポンプのハウジングはタイミングギヤカバーにボルト留めされていますが、そのウォーターポンプのハウジングにボルト留めされたオルタネーター用ハウジング(アルミ合金製)の中に、下のようなオルタネーターが収まっています(水冷している? 9/10追記:水冷していないとの示唆あり……)。クランクシャフトからの動力をアイドラーギヤ(〜ウォーターポンプのシャフト)経由で受け取って駆動します。
(写真:Magneti Marelli)
マニエッティ・マレリ製だと決めつけて話を進めますが(上の写真は、F1を含めたモータースポーツ用市販品)、重量は940g。出力は13.5V/35A。外径60mmです。小さいですね。ベアリングは150℃、コイルは200℃まで機能を保証しています。熱交換機を小さくするため、冷却水温度は高くなる傾向でしょうから、冷却きついのでしょうか(温度差小さくなるので。9/10追記:そもそも水冷していなければ関係なし。もっと温度管理シビア)。オルタネーターも攻めているでしょうし。
モータースポーツ用でもその他のカテゴリーでは、このような外観のオルタネーターを搭載します(空冷)。こちらの方がなじみがありますね。
(写真:Magneti Marelli)
13.5V/40Aのスペックで重量は2.6kg。外径は98.5mmです。F1用オルタネーターの小ささと軽さがわかります。
ちなみに、ル・マンLMP1車両の童夢S102.5の場合、オルタネーターはギヤボックスケーシングの左側面にマウント。ギヤボックスメインシャフトからの動力をベルトを介して受け取ります。
同じジャッド製エンジン(3.4L・V8NA)を積むペスカロロ03の場合は、エンジン上部にマウント(モノコックとギヤボックスケーシングをつなぐサブフレームで一部支持)しています。吸気側カムシャフトからベルトを経由して動力をもらっています。
F1に戻ります。少し古いですが、BMW E41/4(2000年)はサンプ一体の補機ハウジングの中にオルタネーターを収めていました(2001年のP80以降は整備性に劣るからと一体をやめ、別体にスイッチ)。
(写真:BMW)
トヨタは軽量化を促進するため、2003年のRVX-03から補機ハウジング一体のサンプに切り替えました。写真はRVX-09(2009年)が搭載したデンソー製オルタネーター(従来型比40%軽量化)。冷却水回路を持つ、サンプ一体ハウジングに組み込んでいます。
(写真:TMG)
こちらはトヨタが搭載していた従来品。
いろいろあっておもしろいですねぇ。
http://www.facebook.com/serakota
実際のルノー・エンジンでオルタネーターの場所を確認したわけではありませんが、どのF1エンジンもたいていそうなので、ルノーの場合も右バンクのオイルサンプ脇、ウォータポンプの後方同軸上に配置されていると思われます(矢印)。
(写真:Renault Sport F1)
ウォーターポンプのハウジングはタイミングギヤカバーにボルト留めされていますが、そのウォーターポンプのハウジングにボルト留めされたオルタネーター用ハウジング(アルミ合金製)の中に、下のようなオルタネーターが収まっています(水冷している? 9/10追記:水冷していないとの示唆あり……)。クランクシャフトからの動力をアイドラーギヤ(〜ウォーターポンプのシャフト)経由で受け取って駆動します。
(写真:Magneti Marelli)
マニエッティ・マレリ製だと決めつけて話を進めますが(上の写真は、F1を含めたモータースポーツ用市販品)、重量は940g。出力は13.5V/35A。外径60mmです。小さいですね。ベアリングは150℃、コイルは200℃まで機能を保証しています。熱交換機を小さくするため、冷却水温度は高くなる傾向でしょうから、冷却きついのでしょうか(温度差小さくなるので。9/10追記:そもそも水冷していなければ関係なし。もっと温度管理シビア)。オルタネーターも攻めているでしょうし。
モータースポーツ用でもその他のカテゴリーでは、このような外観のオルタネーターを搭載します(空冷)。こちらの方がなじみがありますね。
(写真:Magneti Marelli)
13.5V/40Aのスペックで重量は2.6kg。外径は98.5mmです。F1用オルタネーターの小ささと軽さがわかります。
ちなみに、ル・マンLMP1車両の童夢S102.5の場合、オルタネーターはギヤボックスケーシングの左側面にマウント。ギヤボックスメインシャフトからの動力をベルトを介して受け取ります。
同じジャッド製エンジン(3.4L・V8NA)を積むペスカロロ03の場合は、エンジン上部にマウント(モノコックとギヤボックスケーシングをつなぐサブフレームで一部支持)しています。吸気側カムシャフトからベルトを経由して動力をもらっています。
F1に戻ります。少し古いですが、BMW E41/4(2000年)はサンプ一体の補機ハウジングの中にオルタネーターを収めていました(2001年のP80以降は整備性に劣るからと一体をやめ、別体にスイッチ)。
(写真:BMW)
トヨタは軽量化を促進するため、2003年のRVX-03から補機ハウジング一体のサンプに切り替えました。写真はRVX-09(2009年)が搭載したデンソー製オルタネーター(従来型比40%軽量化)。冷却水回路を持つ、サンプ一体ハウジングに組み込んでいます。
(写真:TMG)
こちらはトヨタが搭載していた従来品。
いろいろあっておもしろいですねぇ。
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