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『モータースポーツ技術と文化』- 2012 [モータースポーツ]

今年も数々の開発ストーリー、楽しませていただきました。初めて実機を目にするわけではないのですし、過去にも複数の関係者から苦労話は耳にしているのですが、最大のヒットはこちら。トヨタがCART参戦のために開発した実戦投入第1号(Phase2/1996年)です。

居並んだ歴代CARTエンジンの一番手前がそれ。ユニークな格好をしていると思いませんか? 当事者的には反省の多いエンジンだったようですが、個人的には大好きなんですねぇ。レーシングエンジンなんだけどレーシングエンジンらしくなくて、妙にすっきりしています。

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ディフューザーの流路を確保するためにスカベンジポンプなどの補機類をVバンク間に詰め込んでしまったのですね。だから、サイドはすっきり。でも、ディフューザーに関するレギュレーションが変わってしまい、努力は無駄に。しかも、整備性が悪いうえにパワーは出ずで、踏んだり蹴ったりな結末……。Vバンク角は75度。

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そんなトヨタ製CARTエンジンも年を追うごとに激しく進化し、4年後には最強クラスに成長するんですから驚きです。初優勝をもたらした2000年のPhase6では、低い過給圧を有効に使うためシングル・サイド・ターボ(SST)を投入していました。片バンクは直管ですから、いい音していましたね。

CARTエンジンの開発で培った技術がF1のエンジン開発に生き、現在のル・マン用エンジンの開発にもつながっているという話でしたが、そのとおりだと思います。継続は力なりです。

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話には出てこなかったのですが、F1エンジン(RVX-09)も展示。ディテールまで神経が行き届いているからでしょうか、何度見ても飽きません。写真は吸気ファンネルを上から覗き込んだ様子。ツインバレルスロットルはオープンです。

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話変わって日産GT-R FIA GT1の燃料タンクコンテナはCFRP製です。軽量化と同時に目標剛性を確保するためで、上面を車体に接着し、剛性部材の一部として活用しているそう。

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話には聞いていましたが、MotoGPの制御、進んでいますね。Honda RC212VはASIMOの姿勢検出技術を応用した姿勢角センサーを搭載しています。これを利用することでロール角やピッチ角を精度高く検出できるようになり、エンジントルクを無駄なく路面に伝えることができるようになったそう。速さのヒミツと言っていいデバイス(のひとつ)。

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45×45×30mm、120g台のセンサーは、メーター下部(20000rpmまで目盛ってありますね)に設置してあります。

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