開発中の日産FRハイブリッド車

神奈川県追浜試験場「GRANDRIVE」で、日産が開発中の先進技術の数々に触れる機会が得られましたが、そのひとつが2010年に日本と北米で発売予定の後輪駆動のハイブリッド車です。独自開発。実験車両はスカイラインですが、発売時のハイブリッドシステム搭載モデルがスカイラインかどうかについて、日産は言明していません。



FRのハイブリッド車といえば、すでにレクサスGS450hやLS600hがありますが、システムの構成が大きく異なります。レクサスは発電用と駆動用の2つのモーターに、遊星歯車を用いた動力分割機構を組み合わせています。それに対し、日産は既存7速ATのギヤセットに駆動／回生兼用1モーターの組み合わせ。エンジンによる駆動力の断続を乾式クラッチで行うことでEV走行を可能にしています。クラッチとモーターは、ステップATではトルクコンバーターがあった場所に搭載。



ほんのチョイ乗り程度でしたが、リチウムイオンバッテリーのパフォーマンスを生かしたモーター走行を基本に、なるべくエンジンを使わない制御（使っても極力低回転に抑える）なのは、体感することができました。基本はモーター走行で、エンジンはあくまでサポート役。現状ではモーター走行からモーター＋エンジンに移行する瞬間、乾式クラッチの作動でわずかな段付き感が生まれているようですが、このあたりの制御の煮詰めが課題のひとつだそう。いずれにしても、熟成が楽しみなクルマです。