【JMS2023】レース車両に生かしたいニッサン・ハイパーフォースの注目技術 [クルマ]
日産自動車が『ジャパンモビリティショー2023』に出展した5台のEVコンセプトカーのうち1台が、最大出力1000kWを発生するという触れ込みのハイパーフォースです。

ランダムに明滅するフロントマスクのバッジ、「GT-R」を表現しているようにも見えますが……。

それはともかく、空力についてはNISMOがきっちり監修していて、見どころたっぷりです。
リヤウイング後縁の一部、ステーの後方に位置するあたりのギザギザ状の処理など、芸コマです。

「NISSAN」ロゴの上にあるスリットにも意味あり。

空力についての概要はこちら↓でまとめています。
ハイパーフォースは空力以外にも興味深い技術を搭載している想定で、「サーキット走行時のリスクを最大限に減らす」技術にも力を入れています。
「ハイパーライダー」と名づけていますが、フロントとリヤにLiDAR(レーザー光を対象物に照射し、反射して戻る光から物体の形状や距離を計測するセンサー)搭載。

自車周囲の状況を認識することで、例えば、ブラインドスポットに他車がいる状況でステアリングを切り込んだ際、「ぶつかる」とシステムが判断した場合は、ドライバーに警告したり、衝突を回避する制御を介入させたりします。

相次ぐアクシデントを見ていると、この技術、SUPER GT GT500車両に搭載して磨く価値があると思うのですが、いかがでしょう。
難易度はより高くなるかもしれませんが、ホンダの二人乗り四輪電動モビリティCI-MEVのように、カメラのみで「ぶつからない」機能を成立させるトライも価値があるように思います。

ランダムに明滅するフロントマスクのバッジ、「GT-R」を表現しているようにも見えますが……。

それはともかく、空力についてはNISMOがきっちり監修していて、見どころたっぷりです。
リヤウイング後縁の一部、ステーの後方に位置するあたりのギザギザ状の処理など、芸コマです。

「NISSAN」ロゴの上にあるスリットにも意味あり。

空力についての概要はこちら↓でまとめています。
『ニッサン・ハイパーフォース』GT500で培った空力技術を最大出力1000kWのEVコンセプトカーに/世良耕太が選ぶ一台 https://t.co/JApRuZTvJQ #ジャパンモビリティショー #ニッサン #ハイパーフォース #EV #コンセプトカー #モータースポーツ pic.twitter.com/JeLc5Og0Ut
— autosport web/オートスポーツweb (@AUTOSPORT_web) October 30, 2023
ハイパーフォースは空力以外にも興味深い技術を搭載している想定で、「サーキット走行時のリスクを最大限に減らす」技術にも力を入れています。
「ハイパーライダー」と名づけていますが、フロントとリヤにLiDAR(レーザー光を対象物に照射し、反射して戻る光から物体の形状や距離を計測するセンサー)搭載。

自車周囲の状況を認識することで、例えば、ブラインドスポットに他車がいる状況でステアリングを切り込んだ際、「ぶつかる」とシステムが判断した場合は、ドライバーに警告したり、衝突を回避する制御を介入させたりします。

相次ぐアクシデントを見ていると、この技術、SUPER GT GT500車両に搭載して磨く価値があると思うのですが、いかがでしょう。
難易度はより高くなるかもしれませんが、ホンダの二人乗り四輪電動モビリティCI-MEVのように、カメラのみで「ぶつからない」機能を成立させるトライも価値があるように思います。
ポルシェGT4 e-Performance @PEC東京 [モータースポーツ]
将来の電動カスタマーレーシングの姿を示唆する『ポルシェGT4 eパフォーマンス』がボルシェのブランド体験施設、『ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京』にやって来たので、見てきました(10月のことですが)。

詳しいレポートはこちら(横着)↓
夜の姿もなかなかですね。

持続可能な素材を63%含む、ミシュランのスポーツタイヤを履いています。

ボンネットフードから覗くのは、フィンを用いず、極細のチューブのみで構成するマイクロチューブラジエター。

本当に極細です。

80kWhの容量を持つバッテリーは、ボンネットフードと助手席(右側)足元、後車軸の前方に振り分けて搭載。
車載センターのディスプレイでは、バッテリー温度を表示していました。

2ペダルです。

(リダクションギヤの)ギヤノイズも混ざっていそうですが、フル電動車両の音も迫力あります。

詳しいレポートはこちら(横着)↓
「ポルシェは電動カスタマーレーシングの実現に向けて“本気”」/718ケイマンGT4 e-パフォーマンスを深掘り https://t.co/nrcCpt8kir #ポルシェ #718ケイマンGT4 #PEC東京 #EV #モータースポーツ pic.twitter.com/3LeKVWC3jg
— autosport web/オートスポーツweb (@AUTOSPORT_web) November 7, 2023
夜の姿もなかなかですね。

持続可能な素材を63%含む、ミシュランのスポーツタイヤを履いています。

ボンネットフードから覗くのは、フィンを用いず、極細のチューブのみで構成するマイクロチューブラジエター。

本当に極細です。

80kWhの容量を持つバッテリーは、ボンネットフードと助手席(右側)足元、後車軸の前方に振り分けて搭載。
車載センターのディスプレイでは、バッテリー温度を表示していました。

2ペダルです。

(リダクションギヤの)ギヤノイズも混ざっていそうですが、フル電動車両の音も迫力あります。
ポルシェGT4 e-Performanceの発進シーン(3秒)。#ポルシェ #PEC東京 pic.twitter.com/lwp7s1wJCJ
— 世良 耕太 (@serakota) October 13, 2023
【JMS2023】ホンダの二人乗り四輪電動モビリティCI-MEV [クルマ]
『ジャパンモビリティショー2023』で印象深かったのがこの1台です。
ホンダの二人乗り四輪電動モビリティの実証車で、車名はCI-MEV。

全長約2500mm、全幅約1300mmの超小型モビリティ。
実証実験の間は国の認定制度を利用することになりますが、量産の際は型式指定制度を使うことになる見込みで、そうなると軽自動車ということになります。
(目標は高く)車両価格100万円以下を目指して開発中。

LiDARやレーダーなどの高価なセンサーを使わず、カメラのみで自動運転を実現する狙い。
自動運転を実現するのがホンダ独自の協調型人工知能、すなわちCI(Cooperative Intelligence)。
視覚情報のみでクルマの周辺状況を理解し、適切な走行行動を判定してクルマを制御。
「次の交差点を右に曲がって」など、乗員と会話しながら自動運転することも目指して開発中。
スマホで「ここに来て」と指示を出すと、クルマが自動で来て、目的地に着いてクルマを降りるとクルマは自動で待機場所に移動するような使い方も想定。
カーシェアよりも利便性の高い、「オンデマンドでのドア・トゥ・ドアのサービスを提供したい」と開発に携わる技術者は説明します。

自動運転での走行をイメージしたデモ画像↓
コストを抑えるため、自動運転以外の機能は徹底的にそぎ落としており、(軽量化のためもあって)ボディは樹脂、窓は手動スライド式です。
型式指定の場合は衝突安全性を担保する必要があります。すでに、シミュレーション上で確認済みだそう。


CI-MEVは自動運転オンリーの乗り物ではなく、自分で運転することも想定した設計。
「運転操作は非常に重要」なので、ドライビングポジションがしっかりとれるように設計。

座ってみると窮屈な感じはなく、楽に運転できそうです(隣の人は圧迫感感じるかも、ですが)。

DCモーターの出力は、超小型モビリティの認定制度が上限に定める8kW以下を想定。
最高速度は60km/h。
着脱式可搬バッテリーのHonda Mobile Power Pack(MPP) e:をリヤに4個並列で搭載。
というわけで、DCモーターは48V駆動。
荷室も充分確保されていて、「スーパーに行って1週間分の食材や消耗品を買い込んでも充分積めるなぁ」と、使用者目線で確認。

MPP e:はこんな感じです(2021年に撮影)。
1個あたりの重量は10.3kg。

フロントにも荷室があるので、2名乗車の際は手荷物をしまっておけます。
口を開けた表情に見えますが、狙ったわけではないとのことでした。

ホンダは茨城県常総市でマイクロモビリティの実証実験を行っています。2024年夏をめどにCI-MEVの実証実験を常総市で始めるべく、準備を進めているそう。
進捗が楽しみです。
ホンダの二人乗り四輪電動モビリティの実証車で、車名はCI-MEV。

ホンダの2人乗り電動モビリティ、CI-MEVは2016〜17年にF1プロジェクト総責任者を務めた長谷川祐介さん(現在は本田技術研究所フェロー)がプロデューサー的な役割を務めている実証車。#ホンダ #JMS2023 pic.twitter.com/u6jGwIxmjx
— 世良 耕太 (@serakota) October 28, 2023
全長約2500mm、全幅約1300mmの超小型モビリティ。
実証実験の間は国の認定制度を利用することになりますが、量産の際は型式指定制度を使うことになる見込みで、そうなると軽自動車ということになります。
(目標は高く)車両価格100万円以下を目指して開発中。

LiDARやレーダーなどの高価なセンサーを使わず、カメラのみで自動運転を実現する狙い。
自動運転を実現するのがホンダ独自の協調型人工知能、すなわちCI(Cooperative Intelligence)。
視覚情報のみでクルマの周辺状況を理解し、適切な走行行動を判定してクルマを制御。
「次の交差点を右に曲がって」など、乗員と会話しながら自動運転することも目指して開発中。
スマホで「ここに来て」と指示を出すと、クルマが自動で来て、目的地に着いてクルマを降りるとクルマは自動で待機場所に移動するような使い方も想定。
カーシェアよりも利便性の高い、「オンデマンドでのドア・トゥ・ドアのサービスを提供したい」と開発に携わる技術者は説明します。

自動運転での走行をイメージしたデモ画像↓
ホンダの二人乗り四輪電動モビリティの実証車、CI-MEV。車内のメーターに映っているのは、自動運転で移動する際にクルマはこんなふうに動く、ことを示すデモ。しかしかわいいな、このクルマ。#ホンダ #JMS2023 pic.twitter.com/jbuk1w8E0g
— 世良 耕太 (@serakota) November 6, 2023
コストを抑えるため、自動運転以外の機能は徹底的にそぎ落としており、(軽量化のためもあって)ボディは樹脂、窓は手動スライド式です。
型式指定の場合は衝突安全性を担保する必要があります。すでに、シミュレーション上で確認済みだそう。


CI-MEVは自動運転オンリーの乗り物ではなく、自分で運転することも想定した設計。
「運転操作は非常に重要」なので、ドライビングポジションがしっかりとれるように設計。

座ってみると窮屈な感じはなく、楽に運転できそうです(隣の人は圧迫感感じるかも、ですが)。

DCモーターの出力は、超小型モビリティの認定制度が上限に定める8kW以下を想定。
最高速度は60km/h。
着脱式可搬バッテリーのHonda Mobile Power Pack(MPP) e:をリヤに4個並列で搭載。
というわけで、DCモーターは48V駆動。
荷室も充分確保されていて、「スーパーに行って1週間分の食材や消耗品を買い込んでも充分積めるなぁ」と、使用者目線で確認。

MPP e:はこんな感じです(2021年に撮影)。
1個あたりの重量は10.3kg。

フロントにも荷室があるので、2名乗車の際は手荷物をしまっておけます。
口を開けた表情に見えますが、狙ったわけではないとのことでした。

ホンダは茨城県常総市でマイクロモビリティの実証実験を行っています。2024年夏をめどにCI-MEVの実証実験を常総市で始めるべく、準備を進めているそう。
進捗が楽しみです。
【JMS2023】トヨタ(GR)FT-Seのエアロスタビライジングブレードライト [クルマ]
TOYOTA GAZOO Racingの直系であることを示す「GR」のバッジを付けた、「カーボンニュートラル時代にクルマ好きを虜にする高性能電動スポーツカー」がトヨタFT-Seです。
2シーターで、前後にモーターを搭載する想定。
FT-Se

ここでは、レクサスUXとの共通性について触れます。
FT-Se

こちらがレクサスUX。
Lexus UX

共通性って、どこが?
という感じでしょう。
リヤに共通項を見つけることができます。
FT-Se

Lexus UX

リヤコンビランプ後端の発光部を縦フィン形状とし、整流効果を持たせた「エアロスタビライジングブレードライト」を採用しているのが、レクサスUXの特徴。
その特徴をFT-Seも受け継いでいます。

担当したデザイナーさんが同じなのです。
「機能(ランプ)と機能(空力)を合わせることによる新しい形」だそう。
FT-Se

Lexus UX

個人的にこの部分好きで、食い入るように眺めてしまいました。
公式CG動画はこちら↓
https://twitter.com/serakota
2シーターで、前後にモーターを搭載する想定。
FT-Se

ここでは、レクサスUXとの共通性について触れます。
FT-Se

こちらがレクサスUX。
Lexus UX
共通性って、どこが?
という感じでしょう。
リヤに共通項を見つけることができます。
FT-Se

Lexus UX
リヤコンビランプ後端の発光部を縦フィン形状とし、整流効果を持たせた「エアロスタビライジングブレードライト」を採用しているのが、レクサスUXの特徴。
その特徴をFT-Seも受け継いでいます。

担当したデザイナーさんが同じなのです。
「機能(ランプ)と機能(空力)を合わせることによる新しい形」だそう。
FT-Se

Lexus UX

個人的にこの部分好きで、食い入るように眺めてしまいました。
公式CG動画はこちら↓
https://twitter.com/serakota
「ごく少数の選ばれたお客様」を対象に販売するフェラーリ499P Modificata [モータースポーツ]
フェラーリはWECハイパーカークラスで走らせているLMH(ル・マン・ハイパーカー)車両、499P Modificata(モディフィカータ、英語ではModified:修正された)を非競技用途のサーキット専用モデルとして限定生産すると発表しました。
ジェントルマンドライバーが対象です。

「ごく少数の選ばれたお客様」を対象にするとはいえ、「一般人が買える」ということですね。
2023年のル・マン24時間レースで総合優勝を果たしたハイパーカーを。
「こんな複雑な操作系、覚えられるかなぁ」と、つい余計な心配をしてしまいました。

ベースは当然499Pですが、FIA/ACOのレギュレーションに縛られることはないので、フロントに搭載する最高出力200kWのモーターは常時作動させることが可能(WECでは190km/h以上に制限)。
かつてのF1のKERSのように、プッシュ・トゥ・パス的な使い方もできるようにモディファイされています。
バンク角120度、排気量2994ccのV6直噴ツインターボエンジンは、最高出力520kW(707ps)を発生。フロントのモーターを合わせたシステム最高出力は640kW(870ps)です。

WECに参戦する499Pはミシュラン製タイヤを履きますが、499P Modificataはピレリ製タイヤを装着。
タイヤサイズはフロントが310/710-18、リヤは340/710-18です(WECではフロント290/710-18、リヤ340/710-18を装着)。

499P Modificataの限定生産に合わせ、フェラーリは2024年に「スポルト・プロトティピ・クリエンティ」プログラムを創設。
専用のサーキットイベントを開催し、499P Modificataのオーナーに対し、メンテナンスから技術面、輸送面のサポートまで、「完全な支援を行う」と表明しています。

夢あるなぁ。
https://twitter.com/serakota
ジェントルマンドライバーが対象です。

「ごく少数の選ばれたお客様」を対象にするとはいえ、「一般人が買える」ということですね。
2023年のル・マン24時間レースで総合優勝を果たしたハイパーカーを。
「こんな複雑な操作系、覚えられるかなぁ」と、つい余計な心配をしてしまいました。

ベースは当然499Pですが、FIA/ACOのレギュレーションに縛られることはないので、フロントに搭載する最高出力200kWのモーターは常時作動させることが可能(WECでは190km/h以上に制限)。
かつてのF1のKERSのように、プッシュ・トゥ・パス的な使い方もできるようにモディファイされています。
バンク角120度、排気量2994ccのV6直噴ツインターボエンジンは、最高出力520kW(707ps)を発生。フロントのモーターを合わせたシステム最高出力は640kW(870ps)です。

WECに参戦する499Pはミシュラン製タイヤを履きますが、499P Modificataはピレリ製タイヤを装着。
タイヤサイズはフロントが310/710-18、リヤは340/710-18です(WECではフロント290/710-18、リヤ340/710-18を装着)。

499P Modificataの限定生産に合わせ、フェラーリは2024年に「スポルト・プロトティピ・クリエンティ」プログラムを創設。
専用のサーキットイベントを開催し、499P Modificataのオーナーに対し、メンテナンスから技術面、輸送面のサポートまで、「完全な支援を行う」と表明しています。

夢あるなぁ。
https://twitter.com/serakota