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【F1日本GP2003】HRCブースのRA621Hディテール解説 [F1]

Xにポストした内容の再録です。

Honda_RA621H_1.jpg
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F1日本GPのHRCブースに2021年のホンダ製パワーユニット、RA621Hが展示されていました。ご覧になった方も多いと思います。
写真左側が車両前方。ESSはEnergy Storage Systemの略で、この中にリチウムイオン電池のセルやインバーター、DC-DCコンバーターなどが入っています。

エンジン前面中央部にあるシャッター様の円形の部品が目に付いたと思います。コンプレッサーの入口にあり、IGV(Intake Guide Vane:インテークガイドベーン)とHRCでは呼んでいます。RA621Hはスロットルバルブを持っておらず、IGVで空気量を制御しています。

IGVの両脇にあるのはCACパイプ。CACはCharge Air Cooler(チャージエアクーラー)の略で、加圧して温度が上昇した空気を冷やす熱交換器のこと。インタークーラーともいいます。ここからCACに向かい、冷やされた空気は紫のフタの部分からプレナムチャンバーに入ります。

CACパイプから細いパイプ(バイパスパイプ)が枝分かれして後方に向かっているのが見えます。CB2と呼ぶエネルギー回生装置で、従来は吸気系の上流に逃がしていた余剰の過給圧を排気に合流させてタービンの駆動仕事に用いる仕組み。規則変更により2022年からは適用できず。

プレナムチャンバーの中には、エンジン回転数に応じて吸気管長を最適に調節し、吸気の動的効果を最大限に利用するVISが入っています。VIS(ビス)はVariable Intake Systemの略で可変吸気システムのこと。VISやIGVの制御には、MOOGの油圧サーボバルブを使っています。

シリンダーヘッドとシリンダーヘッドカバーは鋳造ではなく、アルミ合金総削り出し。排気側にバー状の剛性リブがないのが、2021年のRA621Hで採用した新骨格の特徴。リブがなくなったぶんカウル側に余裕が生まれ(内側に攻めることもできる)、空力に貢献。

Honda_RA621H_2.jpg
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ホンダRA621Hを後ろから見ます。中央にツインボリュートのタービンハウジングが見えます。断熱カバーで覆われていますが、矢印の先に、やはり断熱コーティングされた白い本体が覗いています。タービンハウジング自体はインコネル製で、3Dプリンターで製造。

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