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ル・マン24時間:別枠ダクトがあるNissan GT-R LM NISMOのリヤ [モータースポーツ]

Nissan GT-R LM NISMOです。フロントタイヤ2本だけ交換、なども含めてピットストップの練習をしているところですが、写真の場合は前後4本とも交換する練習をしているところ。リヤタイヤ(幅20cm)がフロント(幅31cm)に比べて細いのがわかります。

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公開車検の順番待ち中に車両の後ろにまわってみます。リヤフェンダー後部はお決まりのルーバーになっていますが、リヤタイヤがフロントに比べて11cm細いのを利用し、タイヤハウスの内側に別枠のダクトが設けられています(両矢印)。リヤサスペンションのインボード側ピックアップポイントあたりが透けて見えます。

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リヤセクションを前から見るとこんな感じ。両矢印で示している部分が別枠ダクト。

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裏返してフロアを見るとこんなふう。やはり、両矢印部分が別枠ダクト。

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ちょっと前のですが、他のLMP1(HPD ARX-03c)の例。

DSC01057.jpg

こちらはLMP2(オレカ03R)の例。Nissan GT-R LM NISMOはリヤのオーバーハングが短く、そのため中央のボートテール部がかなり後方に位置していることがわかります。

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ところで、モノコックの両サイドを前から後ろまで貫通しているダクトですが……覗いてみました。

IMG_8827.jpg

公開車検時にはこんな使い方もされていましたが、1本だけゴロンと転がって真ん中の方まで行ってしまったら取るの大変だろうなぁと、余計な心配をしてしまいました。

IMG_8852.jpg

詳しくはル・マン/WECのテクノロジー 2015 (モーターファン別冊)でご確認ください。

http://www.facebook.com/serakota

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通りすがり

こんにちは。
日産のサイトで空力に関する解説を読みましたが↓

http://www.nismo.co.jp/motorsports/race/LEMANS2015/video/1.html
>車体前部から後部にかけて一気に伸びる、2本の巨大なバキューム・チューブを設けました
>日産は車体後部にかけてのダクト全体を空気がよどみなく流れる仕組みになっています
>車体前部から取り込まれた空気の流れは、低圧の状態でダクトを通り抜けます。おかげで抵抗が少なく、多くのダウンフォースが得られるのです

ダウンフォースが発生する原理がよく理解できません。
なぜ車体内部を気流が通り抜けることだけでダウンフォースが生じるのでしょうか?
by 通りすがり (2015-07-05 11:26) 

世良耕太

ご指摘のとおり、バキュームチューブそれ自体でダウンフォースを発生させるわけではありません。
バキュームチューブを採用することによってドラッグが小さくなるので、そのぶん手元に残るダウンフォースが大きくなる、ということを言いたかったのだと思います。
by 世良耕太 (2015-07-05 18:52) 

通りすがり

ありがとうございます!
なるほどそういうことでしたか。

私はてっきり、「バキューム=吸う」で、昔のシャパラルやブラバムのファンカーのような、何か途方もない革新的なシステムを想像していたのですが、蓋を開けてみると何ということはない、極めて単純な代物だったのですね。

いや、でも、「その単純なものを、あなたは説明を聞くまで見抜けなかったじゃないか」と言われれば確かにその通りなので、やっぱり革新的であることには違いないのかも知れませんが(苦笑)
by 通りすがり (2015-07-06 12:48) 

世良耕太

バキュームチューブについては、デザイナーのベン・ボウルビー氏が、「それは言い過ぎ。スルーダクトだよ」と言っていました。
by 世良耕太 (2015-07-06 15:49) 

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