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2L・V4直噴シングルターボを搭載するポルシェ919ハイブリッド [モータースポーツ]

ポルシェが2014年シーズンのル・マン24時間/WEC(世界耐久選手権)に投入する919(ナイン・ナインティーン)ハイブリッドが、ジュネーブモーターショーで正式発表されました。カーナンバーは「919」となっていますが、これは発表会用で、実際は「14」と「20」です。

擬装が施された仕様はすでに公開されています。カタチは同じはずなのですが、カラーリングが変わるだけでずいぶん印象が変わるものです。

直近の過去エントリーはこちら↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

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シャークフィンに「DMG MORI」とありますが、工作機械メーカーの森精機です。「ポルシェチームとパートナーシップを締結」と発表しています。

http://www.dmgmoriseiki.co.jp/news/pdf/20140304_porsche.pdf

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ボディ全面に書き込んである文字が気になりますが、「より少ない燃料で、より大きなパワー、より高い効率、より低いCO2排出量」を掲げる「PORSCHE INTELLIGENT PERFORMANCE(ポルシェ・インテリジェント・パフォーマンス」と書いてあります(全部入っていませんが)。量産車に用いている標語ですが、「919ハイブリッドも同じ思想で開発している」ことを示す意図でしょう。

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空力などをアップデートした911 RSRと並ぶとやけに小さく見えますが、規定最大幅が異なるのが一因ですね。911 RSRが属するGTEクラスの最大幅は2050mmなのに対し、919ハイブリッドが属するLMP1は1900mmですので。LMP2は昨年までのLMP1/LMP2と同じ最大幅2000mmなので、LMP2と並んでもコンパクトに見えるでしょう。

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(クリックで拡大)

V型4気筒エンジン(排気量2L)を積んでいるのに、テールパイプは1本です。最高回転数は9000rpm。500hp前後を発生するそう。

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2014年のF1が積む1.6L・V6直噴ターボと同じで、シングルターボだから。バンク外側排気/内側吸気のレイアウトも同じ。F1は規則の制約があるため、ターボチャージャーの同軸上に熱エネルギー回生用のMGU(モーター/ジェネレーターユニット)を置きますが、LMP1にはそのような縛りがないこともあり、ポルシェ919ハイブリッドの場合、同軸上にありません。

排気はターボチャージャーに向かう系統と枝分かれして、MGUを駆動するタービンにも向かうレイアウト。

運動エネルギー回生を行うフロントのMGUは1基。デフを介してフロント左右の車輪を駆動します。ケースの大きさを見ると、デフだけを組み込んでいるわけではなさそう。

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(クリックで拡大)

直4ではなくV4にした理由をポルシェは「ストレスマウントするのに適しているから」と説明しています。片側2気筒なので前後に短い。ゆえに、ベルハウジングが長くなっています。ギヤボックスケーシングもCFRP製。

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(クリックで拡大)

どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみです。

http://www.facebook.com/serakota

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AUTOCAR読者

911と比べると、幅の狭さが強調されますね。小さい方が速いというのは不思議な感じです。しかし、キャビンの大きさを見ると、プロトタイプカーとはいえ、ほぼ単座フォーミュラーカーのような細さですね。
透視図を見ると、トランスミッション~リアクラッシャブルストラクチャーの細さに比べて、ノーズの太さが際立ちますね。サスアームも短いし、童夢のように「グランドキャニオン」を広く取ろうという意思も感じられません。どういう損得があるのか気になります。
もう一つ、V4エンジンは90度バンクに見えますが、どうなんでしょう。不当間隔着火で振動もありそうですが興味が尽きません。
by AUTOCAR読者 (2014-03-11 01:25) 

世良耕太

振動面は気になるところですね。走ってみないとわからないこともありそうですし。
by 世良耕太 (2014-03-11 14:08) 

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