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日産シルフィ [クルマ]

日産シルフィに触れる機会がありました。先代ブルーバード・シルフィは5ナンバー枠(全幅1700mm未満)を守っていましたが、新型シルフィはその枠を飛びし、3ナンバー規格(全幅1760mm)です。幅が65mm広くなったことによるゆとりは視覚的にも心理的にも感じられます。5ナンバー車に乗り続けていた人には「幅広」に感じるかもしれませんが、車幅感覚はつかみやすいので、日常使いで困るようなことはほとんどないだろうと推察します。

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先代は(それを狙って?)没個性的でしたが、新型は上質。ティアナの(サイズだけ)弟分のようなイメージです。ダーク系のボディカラーのせいもあって、フォーマルな雰囲気。

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好きなこともあってついエンジンに注目してしまいますが、新型ユニットを積んでいます。過給こそしていませんが、ダウンサイジングです。先代はMR20DEの2L・直4を積んでいましたが、新型はMRA8DEの1.8L・直4です。見慣れないエンジン型式ですが、ベースはMR系。ティーダ・ラティオやウィングロードなどが積んでいたMR18DEのボア×ストロークは84.0×81.1でしたが、シルフィのMRA8DEは79.7×90.1mmのロングストローク(ボア径はMR16DEと同一。ストロークはMR20DEと同じ)。熱効率を高めるための設計変更です。

圧縮比は9.9(レギュラーガソリン仕様)。「切りのいい数字(10.0)を狙わなかったのはなぜ?」の質問に開発担当エンジニア氏は、「大事なのはカタログ上の数値ではなく、実効圧縮比」ときっぱり返答してくれました。

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パワーバルブ(吸気ポート内のバルブ操作で吸気の経路を切り替えて短くし、慣性過給効果が高回転で同調するようにする)を採用して「高回転域のひと伸びが違う」とカタログでは訴えていますが、あくまでも効率を重視した設計。つまり、高回転はおまけ。しかし、おまけは要らない、と筆者は思います。

レシオカバレッジ7.3の副変速機付きCVTとの組み合わせ。CVTと組み合わせるなら、過給器付きエンジンではなく、低回転域のトルクに振った自然吸気エンジンとの組み合わせが、レスポンス面ではいいかも、と感じました。シルフィが積むエンジンとCVTの組み合わせは、トルコン付きトランスミッションに慣れた日本のユーザーと使用環境を考えた場合、最適解のひとつに思えます。

力の欲しい発進直後こそエンジン回転数は跳ね上がりますが、いったんスピードに乗ると、極力低い回転で走ろうと制御します。市街地走行では、ほとんどの場合1250rpm以下。100km/h時のエンジン回転数は1650rpmでした。それで何ら我慢している感じはしないし、強い加速が欲しくてアクセルペダルを踏み込んでも、一気にエンジン回転が上がることはなく、回転数をじわりと上げながら、力もじわりと出してくれます。

常用回転数が低いので、「振動との戦いでした」とエンジニア氏。

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話変わってインテリア。先代はティーダ・ラティオ寄りな質感でしたが、新型はティアナ寄りの質感。つまり、上質。

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足元のゆとりはたっぷりです。ヘッドクリアランスはぎりぎり(なのは筆者の座高が規格外だから?)。

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フロア下の空気の流れを制御するストレーキ(日産の呼称はタイヤディフレクター)はもう、定番アイテムですね。

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harry

機械的にはきっと良くできているんだろうと思うのですが
この顔つきを見て(バッジが無かったら)日産だと判る人は
そう多くないのではないかと思います。レクサスと言われたら「ああ、そうかもな...」という感じですし。
一時期明確だった日産車のエクステリア・デザインのポリシーはもう変わってしまったんでしょうか。
by harry (2013-01-23 11:47) 

世良耕太

おっしゃるとおりですね。機能面も含めて国産車の白物家電化に拍車がかかっているのを、感じる機会が増えています。ポリシーを打ち出す余裕がないのか、打ち出して「外す」のが怖いのか。保守こそ善との考えなのか(車種によりけりでしょう)。もうひと工夫(ひとクセ?)あってもいいかもしれませんね。
by 世良耕太 (2013-01-23 20:08) 

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