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アウディR18が積むエンジンのシリンダーヘッド冷却系(予想) [モータースポーツ]

LMP1クラスにおける過給ディーゼルエンジンの最大排気量が5500ccから3700ccに縮小されたのにともない、アウディはクローズドルーフのR18に搭載するエンジンとして、3.7L・V6ディーゼルターボを開発しました(写真・素材はすべてAudi)。

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バンク角を60度としてクランクピンオフセットを60度にすれば等間隔爆発になりますが、量産V6はエンジン全高を抑えるためと、V8と設計および生産設備を共通化する目的もあって、バンク角90度が主流(と言ったら言い過ぎでしょうか。ちなみに日産のVQ、トヨタGR系/MZ系、三菱6G系、ホンダJ35A/J37Aは60度。って、結構ありますね。PSAのガソリン/ディーゼルV6もそうですし)。

でも、R18が積むV6は素直にバンク角120度です。低重心化をにらんだがゆえでしょうが、バンクが倒れすぎて外側にターボチャージャーを置くのはちょっと苦しい。というわけで、Vバンクの内側が排気。谷間にギャレット製可変ジオメトリーターボを置きます。シングルです。

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発表されたリリースには「シリンダーヘッドの冷却法がユニーク。ゆくゆくは量産エンジンに投入されるコンセプト」という内容が記述してありますが、燃焼室のトップとボトムにチャンバーをレイアウトした2層ウォーターチャンバーを指すのではないかと予想。量産用新世代3L・V6ディーゼルのウリのひとつで、冷却効果を高めるアイデアです(下イラストの右側が2層式。左側は前型の単層)。

出力が上がるほどに熱応力による疲労がシビアになります。性能を高めつつ信頼性を確保するには、燃焼室の冷却性能確保が欠かせないわけで、2層ウォーターチャンバーが解決策のひとつというわけです。ノッキング抑制にもなって燃料リッチ領域が減り、燃費向上という効果もありそう。

Audi_V6_waterjacket.jpg

はてさて、24時間連続運転での成果はいかに。


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