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【F1】2026年F1パワーユニットのやや詳細 [F1]

8月16日に2026年F1パワーユニットの概要が発表されると同時にテクニカルレギュレーションが公開されたので、ざっと目を通してみました。

当然のことながら、概要紹介よりも深い内容となっております(写真はイメージ)。

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例えば、燃料流量はこれまでのような重量(kg)ではなく、エネルギー量(MJ)で規定されることは、概要を紹介した先日のエントリーでお知らせしました。

2026年のF1パワーユニット規定(概要)
https://serakota.blog.ss-blog.jp/2022-08-17

フューエル・エナジー・フロー(Fuel Energy Flow)
テクニカルレギュレーションには、「3000MJ/hを超えてはならない」と記載があります。

加えて、10,500rpmより下では「0.27×回転数+165」の計算式で求められるフューエル・エナジーフローとすることが定められています。

10,500rpmが上限なのは現行規定と変わりません。例えば、9000rpmのときのエナジーフローは2595MJ/hとなります。

燃料(Fuel)
燃料の項では燃料性状を規定しており、RON(オクタン価)の範囲は95.0〜102.0、密度(15℃)は720.0〜785.0kg/m3などと定めています。

低位発熱量(LHV)は38.0〜41.0MJ/kgと定めていますので、発熱量が41.0MJ/kgの場合、最大燃料流量は約73.2kg/h、38.0MJ/kgの場合は約78.9kg/hとなります。

いずれにしても、100kg/hの現行規定に対して削減されることになります。

ERS-K(MGU-K+CU-K)
MGU-Kの最高出力が350kW(120kW カッコ内の青字は現行規定)に引き上げられることは「概要」でお知らせしましたが、2026年のレギュレーションでは車速で規制されます(MGU-KとそのコントロールユニットであるCU-Kなどを合わせたERS-Kの出力として規定)。

車速が340km/hより低いときは、300km/hを超えると徐々に出力が絞られる計算式が規定されています。また、340km/h以上では最大150kWに制限されます。

1周あたりに放出できるエネルギー量は最大4MJ(4MJ)、回生できる量は9MJ(2MJ)と規定されます。

最大トルクは500Nm(200Nm)。

ターボチャージャー(Tubocharger)
ターボチャージャーは過給圧が規定されることになりました。

4.8bar(絶対圧)です。規制されるということは、現状、それより大きな数字で運用されていると見て間違いないでしょう。

最低重量は12kg。最高回転数は150,000rpm(125,000rpm)。コンプレッサーとタービンホイールの径も規定され、両ホイール間の距離も規定されます。

パワーユニット(Power Unit)
現行規定ではボア径の“最大”寸法が80mmと規定されていましたが、2026年のレギュレーションでは80mm(+/-0.1mm)の固定になりました。

ストロークは自動的に53mmになります。

ボア間寸法(ボアピッチ)は101.0mm(+/-2mm)。

幾何学的圧縮比は最大16.0(18.0)。

シリンダーオフセットは禁止。

ICE(エンジン)の最低重量は130kg。ピストンの最低重量は300g。コンロッドの最低重量は320g。クランクシャフトアッセンブリーの最低重量は5800g。

インジェクター/燃料流量計(2基)/高圧燃料ポンプ/イグニッションコイルは、FIAが指定するサプライヤーの製品を使用。

インジェクターの最大噴射圧は350bar(500bar)。

ピストンに使用できる材料は「以下の鉄合金またはアルミ合金」といったように、使用できる材料が部品ごとに細かく規定されています。

レギュレーションはFIAの公式ホームページ(fia.com)でダウンロードできます。

FORMULA 1の解説動画はこちら↓
https://youtu.be/Qb9HhEAQ2hA

https://www.facebook.com/serakota/

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