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日産ヘリテージコレクション 2020 [モータースポーツ]

新型コロナウイルス感染症対策として一般見学会は休止が続いていますが、緊急事態宣言が解除されたこともあり、取材に対応していただきました(体温計測の後、マスク、手袋を着用)。

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2年ぶりの訪問ですが、何度見てもこの光景、壮観です。

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展示車両は約300台だとか。今回は取材対象車の2台+αを観察したのみでしたが、1台ずつじっくり観察したいものです。

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先日まで日産グローバル本社ギャラリーに展示してあったプリンス・グロリア・スーパー6やスカイラインGT、R380が所定の位置に戻っていました。

グロリアとスカイラインとR380だったヘリテージゾーン
https://serakota.blog.ss-blog.jp/2020-06-30

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日産ヘリテージコレクション訪問の目的は、『Motor Fan illustrated』で連載中の『RACING CARエンジニアの流儀』で取り上げる車両の観察でした。

どの車両を取り上げるかはお楽しみとして、ヒントをひとつ。

室内の中央部に搭載されているこれ、何かわかるでしょうか。

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加速度センサーです。

「ATSUGI」の文字が確認できますが、厚木自動車部品〜アツギユニシア〜ユニシアジェックス〜日立オートモーティブシステムズへと社名は変わっていきました。

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下の写真はボッシュ製ですが、現在の加速度センサーはこんなふう。

隔世の感があります。

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Multimatic×VI-gradeがSimCenter Detroitをオープン [モータースポーツ]

気づいたら10日も経ってしまいましたが、2020年6月30日、Multimatic(マルチマチック)とVI-grade(ヴイアイグレイド)は、アメリカ・デトロイトにSimCener Detroitをオープンしました。

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シムセンター・デトロイトは、ドライビングシミュレーターを核とした施設です。

マルチマチックといえば、個人的にはレーシングカーコンストラクター(LM GTEのフォードGTを開発&製作&チーム運営)としてのほうがなじみが深いので、異色の(?)組み合わせに興味を抱き、グランドオープニングのライブ配信を視聴した次第。

名物(?)のラリー・ホルトCTOがスピーカーとして登場しました。

IMSAに参戦するマツダRT24-Pのチーム運営は、2020年からマルチマチックが担当(シャシーはマルチマチック製)。サイドポッドにロゴを確認することができます。

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フォーミュラEに参戦するアウディは、VI-gradeのドライビングシミュレーター、DiM(Drivin in Motion)150を導入し、セッティングやエネルギマネージメントなどの検討に役立てています。

DiMはソフト面をVI-gradeが担当。装置の製作は鷺宮製作所が行っています。



DiMの機能と使い道は『Motor Fan illustrated Vol.140』で解説しています。

DiMの動きは、動画でご確認ください。



こちらは、ポルシェのヴァイザッハ開発センターにあるDiM。現在はフォーミュラE向けに活用しているのでしょうか。

Motor Fan illustrated特別編集 ル・マン/WECのテクノロジー 2015』で紹介しています。

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シムセンター・デトロイトにあるのは最新版のDiM250で、3本のアクチュエーターを備えたトライポッドの可動範囲がDiM150より広くなっています。

ホンダR&Dヨーロッパ(ドイツ)もDiM250を導入済みです。

他に、フェラーリ、ボルボ、FCA(ブラジル)、メルセデスAMGなどがDiMを導入しています。

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【F1】ホンダはメルセデスに追いついたか [F1]

ホンダは6月23日、報道関係者向けに『Honda F1 2020 シーズンプレビュー オンライン』を開き、HRD Sakura Honda F1 PU開発総責任者の浅木泰昭氏がパワーユニットの開発について説明しました。

2018年1月1日から開発の総責任者を務める浅木氏は、「メルセデスに追いつくのが目標で、どうにか3勝させていただくことができた」と2019年シーズンを振り返ります。

「言い訳資料」と呼ぶのが下のスライドです。

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(クリックで拡大)

「(ホンダは他メーカーに比べ)始めるのが遅かったものだから、なかなか馬力で追いつけませんでした」という言い訳に使っていたのだと。

しかし、「これを出すのも今年で最後かな」と付け加えました。

ホンダの推定どおりなら、2019年のシーズン後半にはメルセデスやフェラーリに追い付いていそう。このペースでいけば2020年は……?

7月4日に行われた開幕戦オーストリアGPの予選結果から判断すると、メルセデス(1番手、2番手)とホンダ(レッドブル。約0.5秒遅れの3番手、5番手)の差はまだありそうです(パワーユニット以外の要因もラップタイムに影響するので、決めつけることはできませんが)。

いっぽうで、フェラーリの失速ぶり(7番手、11番手)も目立ちます。

下のスライドは、現行パワーユニット規定のポイントです。浅木氏は「燃料流量規制が根幹」と説明しました。

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ホンダの第2期(1983年〜92年)や第3期(00年〜08年)は、「どれだけ燃料をたくさん燃やすか」が勝負でした。

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現在(現行規定の導入は14年。ホンダの参戦は15年から)は、「燃料量」が制限されているので、「いかに熱効率を上げるか」の勝負になります。

100kg/hを上限とする燃料流量はFIAが指定する燃料流量センサーで監視するのですが、これが「グレーゾーン」で、「センサーをごまかす考えかたもあるかもしれない」と浅木氏は言います。暗にフェラーリのことを指しているのでしょうか。

しかし、「FIAもそんなことできないように取り組んでいますので、(2020年は)本当の熱効率勝負になってきているのが現状です」と話しました。

本当の熱効率勝負になったので、フェラーリは失速した、というのは勘ぐりすぎ?

下の図はパワーユニットのシステム構成を示しています。

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「特徴的なのはMGU-H。ターボにモーターが付いています。そこからの電気の出し入れは無制限で、監視されていないのが特徴的。勝負どころはここです」

「ここ(MGU-K)の計測、2MJ(MGU-K→バッテリー)、4MJ(バッテリー→MGU-K)の計測をごまかせば速くなるんですが、そこもごまかすことができないように、というのがいまのFIAの流れです」

意味深長な説明が続きます。

下の図は、MGU-K(運動エネルギー回生システムのモーター/ジェネレーターユニット)とMGU-H(熱エネルギー回生システムのモーター/ジェネレーターユニット)の代表的な使い方を説明しています。

MGU-Kはクランク軸につながっています。MGU-Hはターボチャージャーと一体となった構造。

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MGU-Hの使い方は「2つある」と浅木氏は説明してくれました。

1つは、「排気エネルギーで過給圧を上げ、余力を持たせた分を発電にまわして、足軸モーター(MGU-K)に電気を回す」使い方。

もう1つは、「バッテリーから(MGU-Hの)モーターを駆動して、過給圧をモーターによって作る。そうすると、ウェイストゲートが開いて排気圧力を下げることができる。それによってエンジンパワーが出る」使い方です。

「1周をどう戦うか。または数周、どこで電気を溜めてどこで使うというエネルギーマネジメントをやりながら戦っています」

下の図は、ホンダの開発体制です。「オールホンダ」で戦っていることを示しています。

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新型コロナウイルスの影響を受け、2020年シーズンのスケジュールは大幅に変わりました。

あわせて、2020年中のパワーユニットのアップデートは禁止されました。

オーストリアGPには、本来であれば最初のアップデート版である「スペック2」を投入しているはずだったのですが、シャットダウンの影響があったため、本来より小規模なアップデートを施した「スペック1.1」を投入しているそう(シーズン中アップデートは禁止されたので、この状態で最終戦まで乗り切ります)。

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「ホンダジェットの技術を使わせてもらっていますので(ターボチャージャーの効率が高く)、(2019年は)オーストリアにしてもメキシコにしてもブラジルにしても、標高が高いところは結構いけているかなと。ただ、標高が低いところはまだ負けているというのが、去年終わったときの私なりの分析でした」

「平地でメルセデスに追いつくことを目指してきたんですが、本当に達成できたかどうかは開幕でわかる」

「今年こそはパワーユニットでなんとか追いついて、メルセデスとホンダはどっちが勝ってもおかしくない1年を過ごし、結果としてシリーズチャンピオンが獲れたらな、というのが今の私の目標となっております」

さて、どうでしょう。決勝が楽しみです。

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プレチャンバーを採用したマセラティの量産エンジン [クルマ]

フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)傘下のマセラティ(本拠地:イタリア・モデナ)は7月1日、ネットゥーノ(Nettuno)と名づけた新開発の3.0L・V6ツインターボエンジンを発表しました。

9月に公開される新型スーパースポーツカーのMC20に搭載されます。

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このエンジンのハイライトは、プレチャンバーの技術を採用していること。

マセラティはプレスリリースで、「F1由来」であることを強調しています。

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高出力(630ps/730Nm)だけれども、高効率だと。

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詳しくはMotor-Fan TECH.でご確認ください。



3Dアニメーションはこちら↓で確認できます。



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Hondaの田辺さんがアナタの質問に答えています [F1]

ホンダF1テクニカルディレクターを務める田辺豊治さんが、YouTubeでファンの質問に答えています。

SNSで質問を募集していたのですね。そうと知っていれば質問投げたのに……。

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しかし、集まった質問が300以上で採用されたのが20ですから、倍率は15倍以上。狭き門であります。

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好きなサーキット、鈴鹿じゃないんですねぇ(理由がまた……)。

日本語字幕が付いていますので、ぜひ動画でご確認ください。



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