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メルセデスAMG W11とW10の比較(サイドポッド開口部&リヤサス) [F1]

2020年のF1世界選手権を戦うメルセデスAMG F1 W11 EQパフォーマンスが2月14日に発表されました。

W11.jpg

テクニカルディレクターのジェームス・アリソンは2020年型のW11に関し「3つの大きな変更がある」と説明しています。

1つはフロントのアップライトまわり、2つめはサイドインパクトチューブまわり、3つめはリヤサスペンションのレイアウトです。2つめと3つめは空力性能の向上が狙いです。

1つめのアップライトに関しては比較できる材料がまだ手元にないので、テスト〜開幕後のスパイショットに期待しましょう(カメラマンのみなさん、よろしくお願いします)。

3大変更点の2つめにあたるサイドインパクトチューブまわりは、外観からも新旧の違いがわかります。

Mercedes-AMG F1 W11 EQ Performance(2020)
W11_sidepod.jpg
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モノコック側面には円錐状をしたサイドインパクトストラクチャーの搭載が義務づけられているのですが、W11はその位置(上下に2本あるうちの上側)を熱交換器冷却エアの取り入れ口より下に変更し、開口部を上に持ち上げています。

写真の黄色いラインが、サイドインパクトストラクチャー(側部衝撃吸収構造)の位置です。

上側ストラクチャーの位置を変更した結果、開口部の下に広い空間を確保することができています。

新旧を比較してみると、だいぶ様子が異なります。すでにフェラーリやレッドブル、マクラーレンなどが採用している手法に追随した格好です。

Mercedes-AMG F1 W10 EQ Power+(2019)
W10_sidepod.jpg
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リヤサスペンションを見てみましょう。

ロワーウィッシュボーンのフロントレッグはアップライトから斜め前方に延ばすのが一般的ですが、W11は横方向に延ばしています(矢印)。

フロアの上面を流れる空気にとって邪魔になっていたので、避けたのですね。

Mercedes-AMG F1 W11 EQ Performance(2020)
W11_r-sus.jpg
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レッドブルはずいぶん前から同様のレイアウトを採用しています。

こんなにスパンが短くて力学的に大丈夫? と心配になりますが、そんなことは百も承知したうえでの設計変更でしょう。

Mercedes-AMG F1 W10 EQ Power+(2019)
W10_r-sus.jpg
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うかうかしているとレッドブルやフェラーリにやられる、という危機感の表れでしょうか。

メルセデスの新車、なかなか攻めていますね(ヨソのアイデアをコピーしただけ、という見方もできますが)。

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