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【新刊】SUPER GTの空力とホンダRA109E(1989年)など [モータースポーツ]

寄稿誌の紹介です。発売順にいきましょう。

SUPER GT FILE - スーパーGTファイル - Ver.5 (auto sport 特別編集 サンエイムック)』では、SUPER GT GT500クラスの速さの源泉である空力について、NISMOにご協力いただいてまとめました。

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ショールームに展示してある40%風洞モデル(旧規定の2013年仕様)のディテールや、初公開のCFD画像などを掲載しています。

Q&A方式のまとめで(回答者は山本義隆氏)、「09規定から14規定になってダウンフォースはどれくらい増えたのでしょうか?」を含めて20を超える質問に答えていただいています。

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回答は誌面でご確認ください。ダウンフォースに関しては、具体的な数字も出していただきました。



FORMULA 1 file vol.3 (autosport 別冊)』は一冊まるごと、1989年のホンダRA109Eと1990年のRA100E(3.5L・V10自然吸気F1エンジン)に関する記事で構成されています。

RA109EはマクラーレンMP4/5が搭載しました。

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当時の設計者と組立さん(兼・現地メカニック)から、開発や組立の様子をうかがいました。

下の写真はRA109Eです。実戦に投入した仕様なのでカムシャフトの駆動はギヤ(トランスミッション側に搭載)ですが、軽量化を追求するため、当初はベルト駆動で開発が進んでいました。

ベルト仕様の写真(車載状態)は誌面でご確認ください。

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設計に関しても組立に関しても「そうだったのかぁ」と、うなることしきりのエピソード満載です。



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【WEC】ジネッタがシルバーストン6時間を欠場 [モータースポーツ]

ジネッタG60-LT-P1を走らせるCEFC TRSMレーシングが、WEC2018-2019スーパーシーズン第3戦シルバーストン6時間(8月19日決勝)を欠場することになりました。理由は、エンジンをメカクローム(3.4L・V6直噴シングルターボ)からAER(2.4L・V6直噴ツインターボ)の切り替えたから。

切り替えること自体は可能なのですが、規則で定められた期限を過ぎて申請したため、参戦が認められなかったというわけです。地元開催のレースなのに……。

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ジネッタはエンジンを切り替えた理由に、メカクロームが必要なアップグレードを怠ったからとコメントしましたが、メカクロームはこれに反論しました。有り体に言うと、「(お金を含めて)そっちがやることやらなかったからだろう」というわけです。

満足に実走テストができなかったし、ジネッタの希望どおり、ル・マン24時間に50馬力パワーアップしたエンジンを持ち込んだとしても結果は変わらなかったか、もっと悪い方向に行っていたと思うと述べています。ル・マンでは完走することを目的に切り替え、性能向上を先送りすることに合意したじゃないか、と。

自分たちの不備を棚に上げて人のせいにするな、というわけですね。

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と、メカクロームは自分たちの主張したいことは主張しつつも、ジネッタの第4戦富士6時間(10月14日決勝)以降の健闘を祈るとコメントしています。

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と同時に、自分たちはLMP1のエンジンプログラムを諦めるつもりはなく、近い将来に復帰したいと述べています。

ジネッタがいなくなってLMP1のエントリーが8台になった、シルバーストン6時間のエントリーリストはこちら↓

https://press.fiawec.com/assets/fileuploads/5b/64/5b6426340e4bd.pdf





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テスラ・モデルXちょい乗り [クルマ]

テスラ・モデルXにちょい乗りしました。電池容量75kWhの仕様です。全長5037mm×全幅2070mmの立派な体格ですが、幹線道路と高速道路しか走らなかったので、大きさは気になりませんでした。

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タイヤ&ホイールサイズは22インチなのですね。

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指定内圧は前後とも290kPaで高めです。

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床下はフラット。リヤの車軸より後方の跳ね上げ部はバーチカルフィンを備えています。

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床下を覗き込んでも、ボンネットフードを開けても、リヤのラゲッジルームのフタを開けても、メカや電気を感じさせるものは一切目に触れません。

フロントの荷室にはCHAdeMOの急速充電アダプターを入れる箱が入っていました。どことなく、というか思いっきりダイソン風。

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こちらがCHAdeMOでの急速充電を可能にするアダプター本体。やっぱりどうみてもダイソン風。

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ノートパソコンの電源ポートと同様で、これみよがしの給電口にはしていません。どこもかしこも、さりげない。

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リヤはさりげなくファルコンウイングです。角の関節が動いて、開閉時の横への張り出しを抑えます。

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電動で開閉します。

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試乗時の外気温は40℃でしたが、室内は快適でした。

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電気エネルギー消費量を示す表示です。オレンジの山は箱根ターンパイクの登り(力行側)、グリーンは下り(回生側)です。バッテリー容量は75kWhもあるので、東京〜箱根の往復は無給電で余裕にこなします。

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パワフルでスムーズで、運転していて気持ちのいいクルマです。2列目よりも1列目の方が静かでした。ほんのちょい乗りでしたが、「これ欲しいなぁ」と思うに十分な体験でした。運転していて気持ちいいし、同乗していて快適です。

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NTNの等速ジョイントなど [クルマ]

Motor Fan illustrated Vol.141』から『自動車技術の出発点』という企画が始まっておりまして、第1回はホンダのSH-AWDでした。

8月10日に発売される『MOTOR FAN illustrated - モーターファンイラストレーテッド - Vol.143 (モーターファン別冊)』には第2回が掲載され(つまり隔月で展開)、テーマはNTNの等速ジョイントです。

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青/白の断面がハブベアリング。青い断面のパーツにホイールが固定。白い断面部分はシャシー側(ナックル)に固定されます。

クリーム色の断面は等速ジョイント(CVJ)の外輪。右側(デフ側)では8個の鋼球がケージに保持されています。隠れて見えませんが、ケージの内側には内輪があって、内輪と外輪にはボールを保持するための溝が刻まれています。この部分が、転舵した際に角度がついても、スムーズな回転を実現するための機構です。

普段なにげなくクルマに乗っていますが、こうしたメカがあって初めて、クルマはスムーズに動くのですね。そう思って眺めると頼もしく思えます。

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等速ジョイントの効果が視覚的に体験できる装置を用意していただきました。レバーに角度がついています。左の装置(等速ジョイント)はレバーの回転と同じように下の歯車も回転しますが、右の装置(クロスジョイント)はレバーの回転と下の歯車の回転が一致せず、ぎくしゃくした動きになります。

デフ側に初めて摺動式等速ジョイントを採用したスバル1000(1965年)のドライブシャフト(のレプリカ)を見せていただきました。左側がデフ側です。詳しくは誌面でご確認ください。

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下は等速ジョイントの内部部品の様子がわかるようにしたモデルです。デフ側に用いる摺動式で、軸方向(左右)に摺動する(スライドする)のがタイヤ側に用いる固定式CVJとの違い。スライドするかわりに、タイヤ側ほど大きな角度はとれません。

EDJのステッカーがある方がデフ側で、EDJはボールタイプです。

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手前のPTJはトリポード(Tripod)タイプ。トリポードタイプはエンジン振動を吸収する狙いで生まれました。詳しくは誌面で。

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話は思いっきり飛んで、F1マシンの等速ジョイントはどうなっているのか、気になりますね。最新事例は未確認ですが、トリポードタイプが主流のようです。

下はトヨタTF109(2009年)のドライブシャフト(パンクル製)。一般的なトリポードタイプで、三本の角(トラニオン)に取り付けるローラーは青いビニール袋に入っています。

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実機ではこんなふう。ローラーが見えます。

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こちらはホンダRA108(2008年)のCFRP製ギヤボックスケーシングです。

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ドライブシャフトは非装着の状態ですが、ケーシングに装着された外輪の様子から、CVJはボールタイプ(10球)であることがわかります。

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ボール転動溝は傾斜していますね。グリースが生々しい。

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