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【WEC 2018】プロローグのラップタイムはなぜ6秒速くなった? [モータースポーツ]

2017年はモンツァでプロローグ(WEC公式テスト)を行ったので、ポールリカール(全長5.791km)での開催は2年ぶりです。考えてみれば「そりゃそうだよな」という感じなのですが、ラップタイムは軒並み6秒前後短縮されています。

Prologue_table_2.jpg

トヨタTS050ハイブリッドはレギュレーションの範囲外のモード(例えば、規定値以上にエネルギーを放出する)で走った際の記録だった模様なので、この数字をもってLMP1ノンハイブリッド勢との相対差を判断するのは危険です。

LMP1ノンハイブリッドは2年前に比べてエンジンの最高出力が上がっています。LMP2も同様で、100馬力近く出力が上がっています。なので、ある程度ラップタイムが向上してもおかしくはありません。

その点、LMP1ノンハイブリッドやLMP2ほど動力性能面の上乗せがないLMGTEの伸びしろは瞠目に値します。下の表の2016年はフェラーリ488の51号車、2018年はポルシェ911 RSRの91号車です。最速ラップタイムを記録した車両のアイデアルラップ(セクターベストを足した値)を並べています。

Prologue_table_1.jpg

セクター1と3の伸びしろが大きいことがわかります。セクター2はほぼ直線です。

CircuitPaulRicard.jpg
(クリックで拡大)

6月のF1開催に向けて、路面の舗装を一新したのですね。だから、コーナーの多い区間で大幅なタイムの短縮につながったというわけです。コーナーのボトムスピードは上がりますし、立ち上がりのトラクションも良くなるので、その効果などで直線区間のタイムも縮まるというわけです。

IMG_9149.JPG

6秒のうち路面の割合がどの程度を占めるのかは、わかりませんが……。

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