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【TMS2017】ランエボの進化形(?)なMITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT [クルマ]

「三菱自動車もこんなクルマを出せるようになりました」と語ったのは、澤瀬薫さんです。三菱自動車でEV・パワートレイン技術開発本部に所属し、チーフテクノロジーエンジニアを務めています。歴代ランサーエボリューションなどでAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)やS-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)などを手がけたエンジニアです。

その澤瀬さんがe-EVOLUTION CONCEPTの説明員を務めているのですから、単なる「SUVの格好をした電気自動車(EV)」で終わるワケがありません。

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「テクニカルコンセプトカーです」と澤瀬さんは説明します。「走りも含めたSUVの新しい価値を訴求しています。三菱自動車は“Drive your Ambition”という新しいブランドメッセージを策定しましたが、我々開発陣も含めて挑戦していこうということです。そのときどんな技術で価値を伝えていくか。1つは私がずっとやっている4輪制御の技術。それからEVの技術。さらに、ITやAIです」

4輪制御に的を絞ってe-EVOLUTION CONCEPTが搭載する技術を整理すると、ハイライトは電動S-AWCを搭載していることになります。

澤瀬「アウトランダーですでにやっている前後独立ツインモーターの4WDをベースに、リヤに『デュアルモーターAYC』と呼ぶことにした、2モーターのベクタリング装置が入っています(フロントと合わせて3モーター)。さらに、ブレーキは4輪とも電動ブレーキキャリパーです」

ブレーキは油圧のバックアップを持っておらず、フル電動だ。来年には、理論検証結果を公開するそう。

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歴代ランエボなどでは内燃機関をトルクアクチュエーターとして用い、駆動力の制御を行っていました。その駆動力制御が電動になったのに加え、制動も含めてフル電動になったのが特徴です。

「そうすると、前後の駆動力配分も、駆動力ベクタリング(左右方向)も、ブレーキも、全部電気モーターで行うことができます。高精度・高応答・高効率でロスなく制御できるので、今まで以上にクルマの6自由度のモーションコントロールが、(ヨーだけでなく)ロールとピッチを含めていろいろできるようになります」

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「レスポンス良く制御できるようになるので、ランサーでやっていたようなスポーティな領域だけでなく、日常領域、例えば摩擦円やGボウルで考えると、コンマ3G以下の領域でも、アクセル操作、ブレーキ操作、ハンドル操作に対して、クルマのレスポンスをドライバーの操作に遅れなく反応させるような制御にすることができます。運転の初心者はクルマのヨー慣性や質量に対して操作が遅れがちなので『あれれ……』となりますが、(フル電動で制御すると)免許とりたての人から操る楽しさが体感できるようになります」

話をうかがっていると、人間の身体の延長、能力の拡張といった言葉が思い浮かびます。

「そうです。モビルスーツというか、エヴァンゲリオンみたいな。人間の能力を拡張するのがクルマである。道具は本来そうあるべきでしょ。デュアルモーターAYCを使った3モーター4WDでは、とことん『いい道具』を追求しています」

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すでに試験車両では狙いどおりの動きを確認できているといいます。ん〜、体感してみたいですねぇ。

AIの技術も含めて紹介している公式コンセプトムービーはこちら↓



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