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【F1日本GP2017】ホンダRA617Hのディテール [F1]

鈴鹿サーキットに来場している方限定の情報にはなってしまいますが、GPスクエアのホンダブースに、マクラーレンMCL32が搭載するパワーユニット、Honda RA617Hが展示してあります(矢印のあたり)。

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ホンダRA271やRA271E(1964年)、RA168E(1988年)、RA004E(2004年)が近くに展示してあります。

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「2017年は展示用エンジン作るかどうかわからない」と聞いていたので、サプライズ展示にびっくりです。クリアケースで覆われているため、映り込みの関係で撮りたいところが撮れなかったりしますが、2016年のRA616Hとの違いを中心に見ていきましょう。

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RA616Hに関する全体/詳細写真や詳細情報はこちらに載っています↓



横から見ると、コンプレッサーが前方に突き出して搭載されていることがわかります。RA616HではVバンク間に収まっていたので、大きな違い。体格の大きなコンプレッサーを搭載する都合で、レイアウトを変更したのでしょう。

その結果、オイルタンクがずいぶん複雑な形状を強いられています。

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エンジン前面左側を見たところです。コンプレッサーで圧縮された空気をインタークーラーに導くパイプや、インタークーラーで冷却された空気がプレナムチャンバーに向かうパイプなどが見えます。これらのパイプ類、RA616Hではエンジン右側にレイアウトされていましたが、RA617Hでは左側にレイアウトされています。エンジン側の都合でそうしたのか、車体側の都合か……。

いずれにしても、インタークーラーの搭載位置は昨年までの「右」から「左」に変わっているはずです。

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排気の脈動効果を効果的に使うため等長エキゾーストマニフォールドとしているのは2016年のRA616Hと同じようですが、パイプの形状は変わっているようです。RA616Hで独立巻きにした断熱材は、2015年のRA615Hと同様のバッグ(袋)型に戻っています。うーん、なぜでしょう……。

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高圧燃料ポンプを吸気側カムシャフトで駆動するのはRA616Hと同じです。RA616Hはインジェクターを燃焼室の頂点付近に配置するトップインジェクターでしたが、展示エンジンを見た限り、RA617Hは「トップ」とは言い切れないような……。

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RA617Hの後ろ側を見てみましょう。RA616Hとはずいぶん様子が異なります。軽量化のためでしょう、油圧アクチュエーター駆動のウェイストゲートはRA616Hの2基から1基に減っています。左右バンクからの排気をどう集合させて、どう逃がすかがウェイストゲートまわりの設計のポイントになりますが、その目処が立ったからこその1基化に違いありません。

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プレナムチャンバーから後方に伸びる4本(隠れているので本当は6本)の吸気ブランチが、RA617Hの外観を特徴づけています。動的効果をより効果的に利用するために長くしたのでしょうか。プレナムチャンバーを高くするのは限界があるので、後方に延ばして距離を稼いでいるということでしょうか(曲がってしまうことによるロスはあるにしても)。

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見どころたっぷりです。

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