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日産ノートe-POWERちょい乗り [クルマ]

日産自動車グローバル本社の地下駐車場を出て、幹線道路を走り、首都高に乗って、再び幹線道路を走りという1時間ほどのドライブでしたが、もっとも「静かだな」と感じたのは、地下の駐車場内を移動しているときでした。電動系のかすかな音しか耳に入ってきません。発電用のエンジンは止まったままなので、ダッシュボードを透過してくるエンジン音はもちろん、駐車場の壁や天井で反響して戻って来るエンジン音とも無縁です。実に静か。

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ふだんノートより上のクラスに属する静かなクルマに乗っている人は、ノートe-POWERに乗っても「こんなもんか」と感じるかもしれません。ノートより静かなクルマはいくらでもありますので。同じクラスで比べてどうか、ということですね。うるさくはありません。

最上級グレードのメダリストはフロントガラスに遮音ガラスを採用しています。エンジンコンパートメントと居住スペースを仕切る壁には遮音材を追加しています。日産車で一番使っているという話も……。エンジン音の侵入を抑えようとしているわけです。

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ノートのガソリンエンジン搭載車に対してe-POWERは、バッテリーやモーター、インバーターなどを追加したことにより120kg重くなっています。前後で言うと、フロントが100kg、リヤが20kgです。主に質量増に対応するため、コイルスプリングとダンパーの仕様は変えています。フロントはダンパーの内径を大きくし(25φ→30φ)オイル量を増やしています。応答性が悪化するのを防ぐのが目的。やはり、質量増に対応するため、フロントのサブフレームは前方に延長しています。

容量1.5kWhのリチウムイオンバッテリーは前席下に搭載しています。そのバッテリーを前後で挟むようにクロスメンバーを追加するなど、車体骨格にも手を入れています。重心が20mm下がってロールセンターに近づき、モーメントアームは短くなる方向。マスは増えているのでいくぶんか相殺されますが、(ばね定数を変えていることもあり)ロール剛性は高くなる方向。

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ステアリングを切ると鼻先が動き、旋回姿勢に移行して腰を落ち着けますが、一連の流れはごく自然。一部モードでは強めの減速Gが発生することもあって、アクセルペダルの動きで車速の制御と同時にクルマの向きを変えるきっかけが作りやすくなりますが、ワンペダルで車両姿勢をコントロールしながらのドライブ、楽しいです。

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ドライブモードが「ノーマル」かつ、シフトが「D」の状態では、アクセルオフした際にガソリンエンジン車のエンジンブレーキと同等の減速特性となる設定になっています。「ノーマル」で「B」にすると減速はやや強くなり、ドライブモードが「S」と「ECO」のときには、強い減速(最大でエンジンブレーキの約3倍)が発生します。

ブレーキを踏まなくても、最後は停止します。減速しているのにブレーキランプが点灯しないと後続車に迷惑がかかるので、減速Gが0.1Gを超えると、自動的にブレーキランプが点灯する仕組み。どの程度の減速でランプが点灯するのか、ドライバーにわかるような仕掛けになっていると、スマートな運転につながるのでは、と思いました(せわしなく点灯させると、後続車にヘタクソだと思われそうで……)。

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駆動用バッテリーが前席下にあると(矢印)、後席に座ったときに足の置き場がなくて窮屈な思いをするのでは、と思っておりました。とくに小さなクルマだと、前席のシート下に足が入るか入らないかで居住性が大きく左右されますので。

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運転席に身長184cmの筆者が座ってドライビングポジションをとり、後席に移動して座ってみました。

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床が盛り上がっているせいで足をシート下に入れ込むことはできませんが、膝前に相当なスペースがあるので、まったく問題ありませんでした。

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後席の居住性を重視した分、ラゲッジスペースが犠牲になっているかというとそうではなく、大きめのスーツケースを苦もなく飲み込んでしまいそうな容量は確保されています(このあたりの状況は、ガソリンエンジン車も同じ)。

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アシストグリップは前後席とも固定タイプ(折りたたみ式ではありません)。このクラスの標準でしょうか。

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今度は長い距離乗ってみたいですね。ノートe-POWERの電動化技術については、Motor Fan illustrated Vol.122 エンジンはモーターの奴隷になったのか? (モーターファン別冊)に詳しくまとめています。

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