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100%モーター駆動の日産ノートe-POWER [クルマ]

日産ノートe-POWERが搭載するパワートレーンは、エンジンと電動コンポーネントを組み合わせているので、ハイブリッドの一種に分類されます。でも、11月2日に行われた発表披露会では一切、「ハイブリッド」のワードは出てきませんでした。意識して使わなかったそうです。

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日産ノートe-POWERが搭載するシステムは、ハイブリッドシステムの分類上「シリーズ(直列)ハイブリッド」に分類されます。現在、世の中に出回っているハイブリッド車は、エンジンとモーターの分担の大小は別はあるにせよ、エンジンの動力がタイヤに伝わる構造になっています。

ハイブリッドシステムの種類と特徴については、図解 自動車エンジンの技術にまとめてあります(と軽く宣伝)。

日産ノートe-POWERの場合は、モーターのみでタイヤに動力を伝えます。電気自動車と同じです。エンジンは発電機能に徹し、車輪とはつながっていません。発電機を積んだ電気自動車です。ガソリンを燃料に使う発電機を積んでいるので、クルマに充電する必要はありません。

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緩い発進や加速、または一定速で走っている場合などは、バッテリーに蓄えたエネルギーでモーターを動かして走ります。

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大きな出力が必要なときは、バッテリーの出力(エネルギーを放出する能力)が足りなくなるので、エンジンをかけて発電機(発電用モーター)を回し、発電した電力も利用して駆動用モーターを動かします。

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バッテリーに蓄えたエネルギーが底をつきそうになると、エンジンが始動して発電機を回し、充電を行います。

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走行中にアクセルペダルから足を離すと、駆動モーターを発電機として使ってエネルギー回生を行います。なるべくたくさん回生したいので、ノーマルモードの「B」を選択すると「やや強い」、「S」または「ECO」モードを選択すると「強い」減速(回生)が発生します。この場合、アクセルペダルの踏み加減で速度の調節が可能。ブレーキを踏む機会が少なくなります。

ノーマルモードの「D」は、ガソリンエンジン車のエンジンブレーキと同等の減速感を発生する設定。

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ノートe-POWERのシフトノブは電気自動車のリーフと同様の形状で、このクルマがエンジンではなくモーターで走ることを端的に表現しています。

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モーターやインバーターはリーフで実績のあるものを転用しています。しかし、バッテリーを構成するセルはどうも、リーフとは異なっているよう……。

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リーフよりも狭いコンパートメントにエンジン+電動コンポーネントを搭載。

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その結果、12Vバッテリーはフロントコンパートメントに収まりきらず、リヤのラゲッジルーム下に搭載。

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駆動用のリチウムイオンバッテリーは前席下にあります。

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(クリックで拡大)

とっても気になるノートe-POWER NISMOは、今冬発表予定だそう。

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0.1km/Lや0.2km/Lの燃費の差を気にするのではなく(悪くないはずですが)、100%モーター駆動による走りの気持ち良さをぜひとも体感していただきたい。病みつきになります。



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アイシン「コムセンター」見学 [クルマ]

機会があったら見学したいと思っていた施設を訪れることができました。グループ創業当時から現代まで、アイシングループの代表的な製品を展示している「コムセンター」(愛知県刈谷市)です。

見学は自由。詳しくはこちら↓
http://www.aisin.co.jp/pickup/com/

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エンジン、ドライブトレイン、ブレーキ&シャシー、ハイブリッド、ボディ、情報などなど、見どころいっぱいです。館内は写真撮影可。

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クルマを構成する部品のほとんどをグループで手がけていることがわかります。

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人間が古めだからでしょうか「ヒストリーゾーン」に食い付いてしまいました。ちなみに、「アイシン」(グループの中核であるアイシン精機)の名称は、愛知工業と新川工業がいっしょになったことに由来。

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歴代の主要トランスミッションが展示してあります。

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いい眺めですね。

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「なに? 2速半なんて変速機あったの?」と一瞬でも思ったことは黙っておきたかったのですが、「2速」の「半自動変速機」です。

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展示品は1964年のトヨペット・コロナに搭載されたトヨグライド。クラッチ操作は不要ですが、レバーによる変速操作は必要なので「半自動」。

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トヨグライドはトルクコンバーターと遊星歯車を使った日本初の(半)自動変速機です。遊星歯車が動く仕組みは、プロダクトゾーンの展示物がわかりやすく紹介しています。MTとCVTの稼動モデルもありました。

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こちらはトヨタ2000GTが搭載した縦置き5速MTのMF10(1967年)。「(1965年に合併によって誕生した)アイシン精機によるトランスミッション開発の第1号機」と説明があります。

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そしてこれは、トヨタ7用の5速MT(1970年/5Lターボエンジン搭載車)。個人的には食い付き度ナンバーワンでした。

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「SR-5S」と記したプレートが貼ってあります。

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こちらは最新のMT。プロダクトゾーンに展示してある「中容量FR6速マニュアルトランスミッション」です。SUBARUのロゴが確認できるのでBRZ用でしょう。

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見どころたっぷりなので、時間に余裕を持ってお出かけください。

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