日産GT-R 17年モデルちょい乗り [クルマ]
「毎年フルモデルチェンジのつもりで開発していますが、今回はものすごくフルモデルです」と開発エンジニアが表現するのが、GT-Rの17年モデルです。見た目も中身もものすごく変わった感がある一方で、芯は残っているし、軸はぶれていません。気持ち良さ倍増です。
気がついたらエンジンの最高出力/最大トルクは419kW(570ps)/637Nmですからねぇ。強烈のひと言です。
外で聞いても、中で聞いても音がいい。アイドリングでも加速でも、巡航でも音がいい。
ちょい乗り後に開発エンジニアの方々から話を伺う機会を設けていただいたのですが、4名それぞれの担当領域に関して話が展開したので、さわりだけ伺ってタイムアウト(空力はコアンダ効果を使っていると聞いて、食い付いてしまいました)。
「じゃ、改めて」ということで、6セッションみっちり時間を設けていただくことになりました。どんな技術ストーリーが出てくるのか、楽しみです(大がかりになってしまい、おののいてもいますが……)。
http://www.facebook.com/serakota
気がついたらエンジンの最高出力/最大トルクは419kW(570ps)/637Nmですからねぇ。強烈のひと言です。
外で聞いても、中で聞いても音がいい。アイドリングでも加速でも、巡航でも音がいい。
ちょい乗り後に開発エンジニアの方々から話を伺う機会を設けていただいたのですが、4名それぞれの担当領域に関して話が展開したので、さわりだけ伺ってタイムアウト(空力はコアンダ効果を使っていると聞いて、食い付いてしまいました)。
「じゃ、改めて」ということで、6セッションみっちり時間を設けていただくことになりました。どんな技術ストーリーが出てくるのか、楽しみです(大がかりになってしまい、おののいてもいますが……)。
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マツダ・アテンザちょい乗り [クルマ]
2012年に現行世代になったアテンザが、2014年以来となる商品改良を受けました。Gベクタリングコントロールやディーゼルエンジンの振動抑制技術、レスポンス向上制御、あるいはメーター系の視認性向上など、すでにアクセラの商品改良で投入されている技術は漏れなく盛り込まれています。
細かなところでは、ステアリングホイールも変わっています。エアバッグを収める中央部分はコンパクトになっているし、スポークに配したスイッチの配置も変わっています。革の分割も変わっていますね。グリップの形状も変わっています。
2014 version
2016 version
アクセラにも設定されている新色、「マシーングレープレミアムメタリック」(5.4万円高)はアテンザにも設定。
高輝度アルミフレークを水平に並べることで、鉄の塊を磨き込んだような、黒光りする金属質感を実現しています。下の写真は金属の質感を表現したサンプルで、手前はアルミを磨いたもの、奥は鉄。鉄は黒光りしていますね。この、鉄の黒光り感をアルミで表現したというわけです(鉄だと錆びますので)。
アテンザは車格的に輸入車(とくにヨーロッパの)と競合しますので、質感の向上は欠かせません。最上級のL Packageはレザー内装(ホワイトまたはブラック)を採用。ナッパレザーを使用したシートのステッチはチタニウムカラーでコーディネート。電動パーキングブレーキは全車標準。
ドアトリムの加飾パネルも、ヘアライン仕上げのチタニウムカラー。L Packageはパワーウインドウスイッチが全席照明付きとなります(L Packageだけと言わず、採用を拡大してもらいたいものです。欲を言えば他モデルにも)。
遮音にも気を配っており、L Packageのみフロントドアガラスに遮音ガラスを採用。詳しく聞けば、その他、音の侵入を防ぐ手当をいろいろと実施。
いいクルマ感、増していますし、どの席に座っても感じられます。
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細かなところでは、ステアリングホイールも変わっています。エアバッグを収める中央部分はコンパクトになっているし、スポークに配したスイッチの配置も変わっています。革の分割も変わっていますね。グリップの形状も変わっています。
2014 version
2016 version
アクセラにも設定されている新色、「マシーングレープレミアムメタリック」(5.4万円高)はアテンザにも設定。
高輝度アルミフレークを水平に並べることで、鉄の塊を磨き込んだような、黒光りする金属質感を実現しています。下の写真は金属の質感を表現したサンプルで、手前はアルミを磨いたもの、奥は鉄。鉄は黒光りしていますね。この、鉄の黒光り感をアルミで表現したというわけです(鉄だと錆びますので)。
アテンザは車格的に輸入車(とくにヨーロッパの)と競合しますので、質感の向上は欠かせません。最上級のL Packageはレザー内装(ホワイトまたはブラック)を採用。ナッパレザーを使用したシートのステッチはチタニウムカラーでコーディネート。電動パーキングブレーキは全車標準。
ドアトリムの加飾パネルも、ヘアライン仕上げのチタニウムカラー。L Packageはパワーウインドウスイッチが全席照明付きとなります(L Packageだけと言わず、採用を拡大してもらいたいものです。欲を言えば他モデルにも)。
遮音にも気を配っており、L Packageのみフロントドアガラスに遮音ガラスを採用。詳しく聞けば、その他、音の侵入を防ぐ手当をいろいろと実施。
いいクルマ感、増していますし、どの席に座っても感じられます。
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ルノー・トゥインゴちょい乗り [クルマ]
飛ぶような売れ行きらしいです。ルノー・トゥインゴ。2015年の東京モーターショーに参考出展車として展示されており、「2016年春導入予定」と記してありました。
なかなか険しい道のりだったようですが、9月15日から販売開始。でも、もう注文は受け付けており、年内納車どころか「年度内がどうかなぁ」という状況だそう。これだけカワイイ格好していれば、人気出ますよね。
10万円高(199万円)でキャンバストップが選べます。フロントシートはヘッドレスト一体型。
リヤにTCe90の0.9L・直3ターボエンジンを積んでいます。66kW(90ps)/135Nmの最高出力/最大トルクを発生。
TCe90はルーテシアも(フロントに)積んでいますが、トゥインゴの場合はこれを49度後傾させて搭載。6速DCTとの組み合わせです。
ルーテシア(5速MTとの組み合わせ)では軽快な印象でしたが、トゥインゴとの組み合わせでは意外にも豪快でした。排気音は野太いし、3気筒に特有のビート(振動と言ってはイケマセン)は感じるし、ビュンビュン走るしで、楽しい。
こうなると、チューンドTCe90(110ps/170Nm)とMTを組み合わせた「GT」の日本上陸がとっても楽しみです(というか、大いに期待)。
http://www.facebook.com/serakota
なかなか険しい道のりだったようですが、9月15日から販売開始。でも、もう注文は受け付けており、年内納車どころか「年度内がどうかなぁ」という状況だそう。これだけカワイイ格好していれば、人気出ますよね。
10万円高(199万円)でキャンバストップが選べます。フロントシートはヘッドレスト一体型。
リヤにTCe90の0.9L・直3ターボエンジンを積んでいます。66kW(90ps)/135Nmの最高出力/最大トルクを発生。
TCe90はルーテシアも(フロントに)積んでいますが、トゥインゴの場合はこれを49度後傾させて搭載。6速DCTとの組み合わせです。
ルーテシア(5速MTとの組み合わせ)では軽快な印象でしたが、トゥインゴとの組み合わせでは意外にも豪快でした。排気音は野太いし、3気筒に特有のビート(振動と言ってはイケマセン)は感じるし、ビュンビュン走るしで、楽しい。
こうなると、チューンドTCe90(110ps/170Nm)とMTを組み合わせた「GT」の日本上陸がとっても楽しみです(というか、大いに期待)。
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プロパイロットの日産セレナにちょい乗り [クルマ]
メルセデス・ベンツEクラスに乗ってアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御する「ディスタンスパイロット・ディストロニック&ステアリングパイロット」を体感しました。日産セレナが搭載する同様の機能「プロパイロット」を体感したばかりだったので、その性格の違い(コーナリングはセレナの方が得意? メルセデスはこんなに手を離していても大丈夫なの? 日産は5秒で注意されるのに……といったような)がわかって興味深いドライブでした。
ところで、セレナです。
日産のプロパイロットの場合はシステムが高速道路上の単一レーンでアクセル、ブレーキ、ステアリングを制御して「運転を支援」してくれるわけですが、クルマ任せにできるかそうでないかは、自分の代わりに操作してくれるシステムを信用できるかどうかが重要だと、短い試乗時間でそう感じました。
プロパイロットの場合はかなり性格がはっきりしているし、信頼するに足る性格をしているので、「これは使える」との印象を抱いてクルマを降りました。
話変わって、「これは使える」と感じたのは、バックドアの上半分だけ開く機能。車体の下に足先を出し入れするとスライドドアが開く機能も便利。
1列目や2列目だけでなく、3列目にもUSB電源ソケットがあります。
すっかりおなじみのアラウンドビューモニター。車庫入れに便利。
実用化してずいぶん経ちますが、スマート・ルームミラー(カメラで捉えた映像をモニターに表示)は初体験でした。至れり尽くせり具合が、気の利いた感満載の日本のビジネスホテルのようです。
とっつきにくい高級感ではなくて、フレンドリーな高級感とでも言えばいいのでしょうか。こじゃれたインテリアです。視界は上下左右にも広いし、右側側方にも広いのですが、高いところから下を覗いている不安感はありません。
足踏みパーキングブレーキを探して左足が空振りしましたが、試乗車は電動パーキングブレーキ(EPB)を装備していました。これ、プロパイロットエディションの場合は自動的にセットです。
追従走行をしている際に渋滞に遭遇した場合、前車が停止すればセレナも止まります。そのときのブレーキ保持はESC(日産の呼称ではVDC:ブレーキ制御システム)を使って行うのですが、そう長い時間ESCにブレーキ保持を任せるわけにはいかないので、一定の時間が経過すると、パーキングブレーキにバトンタッチしてクルマを止めておくのですね(プロパイロットも解除されます)。その場合、パーキングブレーキが手動ではシステムが成立しないので、EPB(矢印)を組み合わせている次第。
結果的にですが、EPBを装備したおかげで高級感の演出にもつながっているように思います。
モニターは8インチで、大きいのに慣れてしまうと、小さいのが小さく見えてしまいますねぇ(当たり前ですが)。
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ところで、セレナです。
日産のプロパイロットの場合はシステムが高速道路上の単一レーンでアクセル、ブレーキ、ステアリングを制御して「運転を支援」してくれるわけですが、クルマ任せにできるかそうでないかは、自分の代わりに操作してくれるシステムを信用できるかどうかが重要だと、短い試乗時間でそう感じました。
プロパイロットの場合はかなり性格がはっきりしているし、信頼するに足る性格をしているので、「これは使える」との印象を抱いてクルマを降りました。
話変わって、「これは使える」と感じたのは、バックドアの上半分だけ開く機能。車体の下に足先を出し入れするとスライドドアが開く機能も便利。
1列目や2列目だけでなく、3列目にもUSB電源ソケットがあります。
すっかりおなじみのアラウンドビューモニター。車庫入れに便利。
実用化してずいぶん経ちますが、スマート・ルームミラー(カメラで捉えた映像をモニターに表示)は初体験でした。至れり尽くせり具合が、気の利いた感満載の日本のビジネスホテルのようです。
とっつきにくい高級感ではなくて、フレンドリーな高級感とでも言えばいいのでしょうか。こじゃれたインテリアです。視界は上下左右にも広いし、右側側方にも広いのですが、高いところから下を覗いている不安感はありません。
足踏みパーキングブレーキを探して左足が空振りしましたが、試乗車は電動パーキングブレーキ(EPB)を装備していました。これ、プロパイロットエディションの場合は自動的にセットです。
追従走行をしている際に渋滞に遭遇した場合、前車が停止すればセレナも止まります。そのときのブレーキ保持はESC(日産の呼称ではVDC:ブレーキ制御システム)を使って行うのですが、そう長い時間ESCにブレーキ保持を任せるわけにはいかないので、一定の時間が経過すると、パーキングブレーキにバトンタッチしてクルマを止めておくのですね(プロパイロットも解除されます)。その場合、パーキングブレーキが手動ではシステムが成立しないので、EPB(矢印)を組み合わせている次第。
結果的にですが、EPBを装備したおかげで高級感の演出にもつながっているように思います。
モニターは8インチで、大きいのに慣れてしまうと、小さいのが小さく見えてしまいますねぇ(当たり前ですが)。
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【F1】マクラーレン・ホンダMP4-30のディテール [F1]
2015年のF1シーズンを戦ったマクラーレン・ホンダMP4-30が日本にやってきて、ホンダ・コレクションホールで展示されています(9月22日まで)。HONDA F1 BOOK (NEWS mook)の撮影時に(短時間ではありましたが)じっくり見させていただきましたので、少しおすそ分けいたしましょう。
フロントからリヤまで、ボディワークの処理は凝りに凝っていますが、リヤの凝り具合は半端ないですね。
リヤのクラッシャブルストラクチャーとフロア後端を埋める処理。
ディフューザーです。外側のベーンはずいぶん湾曲していますね。
リヤタイヤの内側には小さなフィンが集積していますが、近寄ってみるとこんなふう。ドライブシャフトやアーム類を避けるように配してあります。跳ね上がった形状から、ダウンフォースを取りに行く姿勢がうかがえます。
前から見ると、こんなふう。8段重ね?
もっと引いて前方から眺めると、エンジンカウルの絞り込み具合がよくわかります。
フロントウイングはMP4-30でも十分に凝ったつくりでしたが、2016年のMP4-31は「一体どうしちゃったの?」というくらい進化しています。
フロア前端両サイドも空力的に重要なエリアのため、凝りに凝っています。
モノコックの下も攻めどころですね。
ピトー管。
2分割された下の開口はエンジンの燃焼に使う空気の取り入れ口で、奥にエアフィルターが見えます。
実車展示を前にしたときの予習にご活用ください。
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フロントからリヤまで、ボディワークの処理は凝りに凝っていますが、リヤの凝り具合は半端ないですね。
リヤのクラッシャブルストラクチャーとフロア後端を埋める処理。
ディフューザーです。外側のベーンはずいぶん湾曲していますね。
リヤタイヤの内側には小さなフィンが集積していますが、近寄ってみるとこんなふう。ドライブシャフトやアーム類を避けるように配してあります。跳ね上がった形状から、ダウンフォースを取りに行く姿勢がうかがえます。
前から見ると、こんなふう。8段重ね?
もっと引いて前方から眺めると、エンジンカウルの絞り込み具合がよくわかります。
フロントウイングはMP4-30でも十分に凝ったつくりでしたが、2016年のMP4-31は「一体どうしちゃったの?」というくらい進化しています。
フロア前端両サイドも空力的に重要なエリアのため、凝りに凝っています。
モノコックの下も攻めどころですね。
ピトー管。
2分割された下の開口はエンジンの燃焼に使う空気の取り入れ口で、奥にエアフィルターが見えます。
実車展示を前にしたときの予習にご活用ください。
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【WEC】トヨタTS050ハイブリッドのヘッドライト [モータースポーツ]
気になっている方もいらっしゃると思いますが、トヨタTS050ハイブリッドのヘッドライトを構成する光源の数、コースによって片側2灯だったり3灯だったりします。
シーズン開幕前のテストの時点では、片側3灯でした。上下の光源はHID、中央はLED多眼(矢印)です。
Toyota TS050 Hybrid / Prologue
第1戦シルバーストンに持ち込まれた車両からは、LED多眼が消えていました。軽量化のためだそうです。
「パッシングライトは昼夜を問わず頻繁に使うので、信頼性を考えてLEDにした」とのコメントを聞いたのは2013年のことでしたが、HIDでも信頼性に問題のないことが確認とれたのでしょうか。下側のロービームは常時点灯。上側のハイビームはパッシングライト兼用になっています。
中央の多眼LEDは、夜間走行時に、主にサイド方向を照射する役割を担っているそう。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.1 Silverstone
第2戦スパもLEDレスでした。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.2 Spa
夜間走行のあるル・マンでは当然、フルスペックで走ります。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.3 Le Mans
第4戦ニュルブルクリンク、第5戦メキシコはLEDレス。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.4 Nurburgring
Toyota TS050 Hybrid / Rd.5 Mexico
ナイトセッションのある第6戦COTA(オースティン)は「LEDあり」で臨んでいます。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.6 COTA
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シーズン開幕前のテストの時点では、片側3灯でした。上下の光源はHID、中央はLED多眼(矢印)です。
Toyota TS050 Hybrid / Prologue
第1戦シルバーストンに持ち込まれた車両からは、LED多眼が消えていました。軽量化のためだそうです。
「パッシングライトは昼夜を問わず頻繁に使うので、信頼性を考えてLEDにした」とのコメントを聞いたのは2013年のことでしたが、HIDでも信頼性に問題のないことが確認とれたのでしょうか。下側のロービームは常時点灯。上側のハイビームはパッシングライト兼用になっています。
中央の多眼LEDは、夜間走行時に、主にサイド方向を照射する役割を担っているそう。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.1 Silverstone
第2戦スパもLEDレスでした。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.2 Spa
夜間走行のあるル・マンでは当然、フルスペックで走ります。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.3 Le Mans
第4戦ニュルブルクリンク、第5戦メキシコはLEDレス。
Toyota TS050 Hybrid / Rd.4 Nurburgring
Toyota TS050 Hybrid / Rd.5 Mexico
ナイトセッションのある第6戦COTA(オースティン)は「LEDあり」で臨んでいます。
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新型スバル・インプレッサのFB20エンジン [クルマ]
スバルの新型「インプレッサ」です。
エンジンはFB20型の2.0L・水平対向4気筒と、FB16型の1.6L・水平対向4気筒が設定されています。どちらも先代インプレッサに設定されていた型式です。が、2.0L版は大幅に設計が見直されています。
「約80%の部品の設計を見直すと共に、従来型比約12kgの軽量化を実現」とスバルは説明しています。開発担当エンジニアから説明を聞くまでは、「ポート噴射(PFI)が直噴(DI)になったのね」くらいに思っていたのですが、とんでもない。まったくの別物でした。
Subaru FB20(DI)
Subaru FB20(PFI)
新型インプレッサが搭載するDI版は、アルミだったロッカーカバーを樹脂に変更することで、左右合わせて0.5kg軽量化。同時に、カバー中央部に固定点を追加することで静音化を図っています。
Subaru FB20(DI)
Subaru FB20(PFI)
水平対向エンジンといえば、薄いクランクウェブが特徴です。下の写真左はFBの前身にあたるEJ型のクランクシャフト。
Subaru EJ / FB20(PFI)
DI版ではクランクウェブの肉を盗むことでも軽量化を図っています。
Subaru FB20(DI)
燃料と空気の混ざり方を強化するためのTGV(タンブル・ジェネレーション・バルブ)はPFI版にもついていましたが、位置を変更。PFI版では燃焼室内側をふさぐ構造でしたが、DI版は外側をふさいでいます。この方が、燃料と空気がよく混ざるのだそう。
EJのピストンはバルブリセスがあるのみで基本的にはフラットですが、PFI版のピストン冠面はタンブルを受け止め巻き上げるためのくぼみがあります。
Subaru EJ / FB20(PFI)
FB20のDI版にもくぼみはありますが、外側の浅いくぼみは空気の渦を巻き上げるのが目的。中央の小さく深いくぼみはインジェクターが噴いた燃料を巻き上げる狙い。それぞれ逆向きに回転。
Subaru FB20(DI)
ヘッド側も見てみましょう。
Subaru FB20(DI)
Subaru FB20(PFI)
FB20 PFI版のエキゾーストマニフォールドは4-1レイアウトでしたが、DI版はBRZが搭載するFA20と同じ4-2-1レイアウトになっています。テールパイプ
性能を取りにいって等長レイアウトを採用した結果、不等長だから発生していたボクサーサウンドを捨てる決断をスバルはしたわけです。2002年のことでした。個性が消えたのをさびしく思っているのは、外野だけではないようです。
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エンジンはFB20型の2.0L・水平対向4気筒と、FB16型の1.6L・水平対向4気筒が設定されています。どちらも先代インプレッサに設定されていた型式です。が、2.0L版は大幅に設計が見直されています。
「約80%の部品の設計を見直すと共に、従来型比約12kgの軽量化を実現」とスバルは説明しています。開発担当エンジニアから説明を聞くまでは、「ポート噴射(PFI)が直噴(DI)になったのね」くらいに思っていたのですが、とんでもない。まったくの別物でした。
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Subaru FB20(PFI)
新型インプレッサが搭載するDI版は、アルミだったロッカーカバーを樹脂に変更することで、左右合わせて0.5kg軽量化。同時に、カバー中央部に固定点を追加することで静音化を図っています。
Subaru FB20(DI)
Subaru FB20(PFI)
水平対向エンジンといえば、薄いクランクウェブが特徴です。下の写真左はFBの前身にあたるEJ型のクランクシャフト。
Subaru EJ / FB20(PFI)
DI版ではクランクウェブの肉を盗むことでも軽量化を図っています。
Subaru FB20(DI)
燃料と空気の混ざり方を強化するためのTGV(タンブル・ジェネレーション・バルブ)はPFI版にもついていましたが、位置を変更。PFI版では燃焼室内側をふさぐ構造でしたが、DI版は外側をふさいでいます。この方が、燃料と空気がよく混ざるのだそう。
EJのピストンはバルブリセスがあるのみで基本的にはフラットですが、PFI版のピストン冠面はタンブルを受け止め巻き上げるためのくぼみがあります。
Subaru EJ / FB20(PFI)
FB20のDI版にもくぼみはありますが、外側の浅いくぼみは空気の渦を巻き上げるのが目的。中央の小さく深いくぼみはインジェクターが噴いた燃料を巻き上げる狙い。それぞれ逆向きに回転。
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Subaru FB20(PFI)
FB20 PFI版のエキゾーストマニフォールドは4-1レイアウトでしたが、DI版はBRZが搭載するFA20と同じ4-2-1レイアウトになっています。テールパイプ
性能を取りにいって等長レイアウトを採用した結果、不等長だから発生していたボクサーサウンドを捨てる決断をスバルはしたわけです。2002年のことでした。個性が消えたのをさびしく思っているのは、外野だけではないようです。
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HRD Sakuraで見かけたモノ [F1]
F1日本GPに向けたauto sport誌の取材でHonda F1パワーユニット(のみならず、モータースポーツ全般)の研究開発拠点であるHRD Sakuraを訪れました。
設計室などがある建物の2階は、1階のエントランスホールにつながる吹き抜けのまわりに歴代〜現行のレーシングエンジンが並んでいます。
フロアの一角には会議室もありますが、窓側にはミーティングスペースがあって、展示エンジンを視界に収めながら打ち合わせに興じる趣向。
そのミーティングスペースにマガジンラックが置いてあるのが目に入りました(矢印)。本が1冊だけささっています。
2015年仕様のホンダF1エンジン、RA615Hを取り上げた『モータースポーツのテクノロジー2015-2016』でした。
ありがたいことです。マガジンラック独占。
HRD Sakuraついでにお知らせしておくと、第3期参戦活動時代のコンロッドやピストンを見せていただいたことがありました。
記事はこちらで掲載↓
第2期の1992年、3.5L・V12自然吸気エンジン、RA122E/Bに投入したニューマチック・バルブ・リターン・システム(PVRS)についても、取材させていただいておりました。
記事はこちらで掲載↓
レーシングエンジンの宝庫です。
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そのミーティングスペースにマガジンラックが置いてあるのが目に入りました(矢印)。本が1冊だけささっています。
2015年仕様のホンダF1エンジン、RA615Hを取り上げた『モータースポーツのテクノロジー2015-2016』でした。
ありがたいことです。マガジンラック独占。
HRD Sakuraついでにお知らせしておくと、第3期参戦活動時代のコンロッドやピストンを見せていただいたことがありました。
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新型スバル・インプレッサ:内装のこだわり編 [クルマ]
スバルの新型「インプレッサ」です。
新世代プラットフォームの話題が前面に出ていますが、内外装の質感が大幅に上がっているのもウリです。たまたま内装設計を担当したエンジニアに話をうかがうことができたので、ポイントを伝授いたしましょう(受け売りです)。
質感上がっているように見えますか? 実際、見えました。視界の良さは相変わらずです。前方だけでなく、側方も。
ステアリングは前型に対してやや小径になり、グリップ形状も見直しています。骨格から新規に設計したシートは、より立体的な造形になっています。表皮の下にあるラミネートウレタン層の厚みを倍にしたそう。立体表現に深みを出すだけでなく、触感やフィット性の向上を狙った設計。短時間の試乗でも素性の良さは感じられましたが、長時間乗って確かめたいところです。
リヤシートに座ってみます。足がすっぽり、前席の下に入ります。高さで前型比+12mm、幅は66mm広くなっています。新しいプラットフォームと歩調を合わせて開発した効果のひとつ。ホイールベースの延長分(+25mm)はすべて後席レッグスペースの拡大に使ったと説明していますが、後席乗員のひざまわりにあたる前席シートバックを削って、数字以上の広さをもたらしています。
プラットフォームを一新したからこそ実現したのがシートの固定で、車両中心寄りはスライドレールをボディに直接ボルト(矢印)で固定しています。
インナーベルトに荷重が掛かったときにボディに最も力が入る側をしっかり留めて、剛性を上げているわけです。乗り味や乗り心地にも効きます。
外側はブラケットを介してボディに固定。
リヤシートは外側をボディに直付け。軽量化を図ることができるし、振動の面でもレベルアップしています。それは一目瞭然ならぬ、ひと乗り歴然です。
コストはずいぶん掛けていますが、無尽蔵に掛けられるわけではありません。前後のドアにカーボン調の加飾が施されていますが、フロントドアが別パーツなのに対し、リヤドアはシボの入ったドアトリムと一体成形です。断面を見ると、一体成形なのがわかります。実車でお確かめください。
別パーツにすると「のりしろ」が要るのですが、一体なら不要。で、軽量化にもつながるというわけです。
前型のルーフは不織布でしたが、新型インプレッサはトリコット(織物)にし、質感を上げています。さらに、ラミネートを入れていますので、雨音の響きが違うはず。
そこまでやる? と感心したのはサンバイザーのシール面で、指の引っかかりをなくしています。そう聞いて他車をいくつか確かめてみましたが、バリのようなものが指に引っかかるクルマ、確かにありますね。
2.0Lエンジン搭載車のダッシュボードは手縫いのステッチが入っているのですが、1.6Lエンジン搭載車はコストの関係から手縫いを採用できません。でも、質感は確保したい。というわけで、本物の糸から反転型を取ったフェイクステッチを施しています。
下側の白いステッチは本物。ダッシュボードに置いたサンプルは糸の「より」まで再現したフェイク。いやぁ、よくできています。
内装だけでこれだけのこだわりがあるのだから(紹介したのは一部ですが)、その他の領域にもたんまりとこだわりが詰まっていそうなこと、容易に想像できますね。
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新世代プラットフォームの話題が前面に出ていますが、内外装の質感が大幅に上がっているのもウリです。たまたま内装設計を担当したエンジニアに話をうかがうことができたので、ポイントを伝授いたしましょう(受け売りです)。
質感上がっているように見えますか? 実際、見えました。視界の良さは相変わらずです。前方だけでなく、側方も。
ステアリングは前型に対してやや小径になり、グリップ形状も見直しています。骨格から新規に設計したシートは、より立体的な造形になっています。表皮の下にあるラミネートウレタン層の厚みを倍にしたそう。立体表現に深みを出すだけでなく、触感やフィット性の向上を狙った設計。短時間の試乗でも素性の良さは感じられましたが、長時間乗って確かめたいところです。
リヤシートに座ってみます。足がすっぽり、前席の下に入ります。高さで前型比+12mm、幅は66mm広くなっています。新しいプラットフォームと歩調を合わせて開発した効果のひとつ。ホイールベースの延長分(+25mm)はすべて後席レッグスペースの拡大に使ったと説明していますが、後席乗員のひざまわりにあたる前席シートバックを削って、数字以上の広さをもたらしています。
プラットフォームを一新したからこそ実現したのがシートの固定で、車両中心寄りはスライドレールをボディに直接ボルト(矢印)で固定しています。
インナーベルトに荷重が掛かったときにボディに最も力が入る側をしっかり留めて、剛性を上げているわけです。乗り味や乗り心地にも効きます。
外側はブラケットを介してボディに固定。
リヤシートは外側をボディに直付け。軽量化を図ることができるし、振動の面でもレベルアップしています。それは一目瞭然ならぬ、ひと乗り歴然です。
コストはずいぶん掛けていますが、無尽蔵に掛けられるわけではありません。前後のドアにカーボン調の加飾が施されていますが、フロントドアが別パーツなのに対し、リヤドアはシボの入ったドアトリムと一体成形です。断面を見ると、一体成形なのがわかります。実車でお確かめください。
別パーツにすると「のりしろ」が要るのですが、一体なら不要。で、軽量化にもつながるというわけです。
前型のルーフは不織布でしたが、新型インプレッサはトリコット(織物)にし、質感を上げています。さらに、ラミネートを入れていますので、雨音の響きが違うはず。
そこまでやる? と感心したのはサンバイザーのシール面で、指の引っかかりをなくしています。そう聞いて他車をいくつか確かめてみましたが、バリのようなものが指に引っかかるクルマ、確かにありますね。
2.0Lエンジン搭載車のダッシュボードは手縫いのステッチが入っているのですが、1.6Lエンジン搭載車はコストの関係から手縫いを採用できません。でも、質感は確保したい。というわけで、本物の糸から反転型を取ったフェイクステッチを施しています。
下側の白いステッチは本物。ダッシュボードに置いたサンプルは糸の「より」まで再現したフェイク。いやぁ、よくできています。
内装だけでこれだけのこだわりがあるのだから(紹介したのは一部ですが)、その他の領域にもたんまりとこだわりが詰まっていそうなこと、容易に想像できますね。
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【SUPER GT】NISMO NR20Aの開発 [モータースポーツ]
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ)に2回にわけてお邪魔し、SUPER GTに投入している2.0L・直4直噴ターボエンジン、NR20Aの開発について、話を伺いました。SUPER GT FILE Ver.2 (サンエイムック)に掲載されています。
特集トビラの写真はNR20Aのベンチ試験の様子です。こんなに近くでカメラを構えていたのでは安全上不安ですし、そもそも熱くて耐えられません(おそらく)。ですので、カメラマンは部屋の外からリモコンでシャッターを押します。試行錯誤の末に撮れたのがこの1枚。
毎分ウン千回転で回りつづけていると、タービンは真っ赤(というより白っぽい)になるのですね。実際の走行中も、ボンネットの下ではこんな状態になっています。そりゃ熱くていろいろ問題が起きるわけです。
NR20Aの開発話は10ページ(約20000字)に渡って紹介しています。日産自動車や、日産のアライアンスパートナーであるルノーとのやりとりにも触れています。
おや、シリンダーヘッドを裏返した状態で見せてくれています。大サービスですね。燃焼室の薄さがわかります。
ポートの形状をどう決めただの、インジェクターの位置だの、高い燃焼圧力との戦いだの、熱効率の追求だの、アンチラグの開発だの、たんまり話をうかがっています。
別パートではターボチャージャーやインジェクターなどの共通パーツを紹介しています。それにしてもターボ、デカイ。
日産/ニスモの快進撃のヒミツが分かる(かな?)。
http://www.facebook.com/serakota
特集トビラの写真はNR20Aのベンチ試験の様子です。こんなに近くでカメラを構えていたのでは安全上不安ですし、そもそも熱くて耐えられません(おそらく)。ですので、カメラマンは部屋の外からリモコンでシャッターを押します。試行錯誤の末に撮れたのがこの1枚。
毎分ウン千回転で回りつづけていると、タービンは真っ赤(というより白っぽい)になるのですね。実際の走行中も、ボンネットの下ではこんな状態になっています。そりゃ熱くていろいろ問題が起きるわけです。
NR20Aの開発話は10ページ(約20000字)に渡って紹介しています。日産自動車や、日産のアライアンスパートナーであるルノーとのやりとりにも触れています。
おや、シリンダーヘッドを裏返した状態で見せてくれています。大サービスですね。燃焼室の薄さがわかります。
ポートの形状をどう決めただの、インジェクターの位置だの、高い燃焼圧力との戦いだの、熱効率の追求だの、アンチラグの開発だの、たんまり話をうかがっています。
別パートではターボチャージャーやインジェクターなどの共通パーツを紹介しています。それにしてもターボ、デカイ。
日産/ニスモの快進撃のヒミツが分かる(かな?)。
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