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【WEC】トヨタTS050ハイブリッドのウルトラハイダウンフォース仕様 [モータースポーツ]

WEC(世界耐久選手権)の後半戦が始まり、新しい空力パッケージが登場しました。2016年シーズンのLMP1は空力パッケージが年間3仕様に制限されています。どのチームも、

第1戦シルバーストン、第2戦スパ→ハイダウンフォース仕様
第3戦ル・マン→ロードラッグ仕様
第4戦ニュルブルクリンク以降→ウルトラハイダウンフォース仕様

で臨むよう。トヨタTS050ハイブリッドを例に、変遷を振り返ってみましょう。

Toyota TS050 Hybrid - Ultra High Downforce Package - Rd.4
TS050_Rd4_Front1.jpg
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真横のアングルで比較した方がわかりやすいのですが、ウルトラハイダウンフォース仕様はフロントフェンダー前部のボリュームが、ハイダウンフォース仕様よりも小さくなっています。カナード(1)の傾斜が大きいですね。フェンダー上面開口部の手前は跳ね上がっています(2)。

リヤウイング翼端板(3)は、ル・マンに投入した三角形状を継続して用いています。

Toyota TS050 Hybrid - High Downforce Package - Rd.1
TS050_Rd1_Front1.jpg
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↑フェンダーのボリュームの違い、わかるでしょうか。カナードの形状も異なっています。

↓ロードラッグ仕様はフロントフェンダーのボリュームが大きく、前面が切り立っています。

Toyota TS050 Hybrid - Low Drag Package - Rd.3
TS050_Rd3_Front4.jpg
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俯瞰ぎみのアングルで見比べてみましょう。コースの特性に合わせたのでしょうか、第2戦スパに持ち込んだ仕様では、フェンダー上面開口部の跳ね上げアタッチメントが装着されていません(矢印)。

Toyota TS050 Hybrid - Ultra High Downforce Package - Rd.4
TS050_Rd4_top.jpg
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Toyota TS050 Hybrid - High Downforce Package - Rd.2
TS050_Rd2_Top.jpg
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Toyota TS050 Hybrid - Low Drag Package - Rd.3
TS050_Rd3_Top.jpg
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ディフューザーとリヤカウル後端の隙間から、ウルトラハイダウンフォース仕様はハイダウンフォース仕様と同様、カウル後部が大きく跳ね上がっている様子がわかります(4)。ただし、前述したリヤウイング翼端板に加え、リヤフェンダー後端開口部の処理はル・マンに持ち込んだ仕様を受け継いでいます(5)。

Toyota TS050 Hybrid - Ultra High Downforce Package - Rd.4
TS050_Rd4_Rear.jpg
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Toyota TS050 Hybrid - High Downforce Package - Rd.1
TS050_Rd1_Rear.jpg
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Toyota TS050 Hybrid - Low Drag Package - Rd.3
TS050_Rd3_Rear.jpg
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特徴あるリヤフェンダー後端開口部の処理を見てみましょう(第3戦ル・マン仕様)。水平方向のルーバーで目隠し(車軸より上が見えてはいけない規則を満たすため)をするのが一般的ですが、TS050の場合はボートテール状の物体を収めています。別アングルの写真はル・マン WECのテクノロジー 2016 (モーターファン別冊)に収録。

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