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F1直系空力ボディなHondaクラリティFUEL CELL [クルマ]

ウォッシャーノズルを内蔵したワイパーとか、ルーフモールをなくした段差のないルーフとか、HondaクラリティFUEL CELLには見どころはたくさんあるのですが(気づいていないところもたくさんありそう)、観察する時間が限られていたので、次回の課題としたいと思います。燃料電池車としての仕上がりがどうこうというより、運転してきもちのいいクルマでした。

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後席で移動を体験する(時間的な)余裕もありませんでした。リヤドアを開けて目に付いたのは、前席シートバックのスマホ専用ポケット。これ、いいですね。とくに軽装な夏は置き場所に困るんですよね。ドアポケットに置いておくと取り忘れて外に出てしまうし、カップホルダーでは収まり悪いし……。

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オーナーになってしまえば慣れてしまうのでしょうが、プッシュボタン式のドライブモードセレクターは慣れが必要です(誤操作防止のため、リバースは2アクション必要)。

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運のいいことに、空力開発を担当した技術者に話をうかがうことができました。詳細は誌面(Motor Fan illustrated)に譲りますが、第3期F1で空力開発に携わっていらした方がクラリティの空力を手がけていました。ですので、F1直系空力ボディです(と、言い切ってしまいましょう)。

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流れに速度差があると渦が発生し、それがドラッグ(抵抗)になります。車体側面と上面の空気の速度差によって発生する渦(誘導抵抗)は、どの乗用車にとっても悩みの種ですが、このあたりの特性、クラリティはとくにこだわって開発した部分だそう。

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前後のタイヤが巻き起こす乱流の処理は、F1に限らずレース車両の空力開発にとって重要な要素ですが、クラリティではここも気を遣って開発しています。フロントはバンパー下部に設けたダクトから取り入れた空気をフェンダー内側からエアカーテン状に排出させ、ホイールハウスで生じる乱れを抑える設計。矢印がエアカーテンの排出口。

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リヤも同様です。矢印の先がエアカーテン排出口。

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アルミホイールは、ブレーキの冷却効果と空力性能の両立を図ったデザイン。樹脂製のホイールキャップを組み合わせています。ブレーキ性能と空力性能を考えてホイールをデザインするのも、F1では常識ですね。

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クラリティはフロントフード下に燃料電池パワートレーン一式を収めているのが特徴ですが、そのため、フード下のスペースは超過密です。しかも、熱交換器は3段重ね。

詳しくはこちら↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14

効率良く熱交換させたいところですが、超過密ゆえ、空気の抜けは悪そう。空気抵抗を増やさないためにも、最小限の開口面積で効率良く冷やしたい。ここでも活躍したのは第3期F1参戦活動に携わった技術者で、熱交換器を収めるサイドポンツーン内部の解析と同じ執念深さでフード下の解析を行ったそう。

言われてみると、開口部小さいですね。

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車速が上がるにつれ、走行抵抗に占める空気抵抗の割合は大きくなります。これを小さくすればするほどロスは小さくなり、航続距離は延びます。だから、HondaクラリティFUEL CELLは空気抵抗の低減に徹底的に取り組んだというわけです。

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空力ボディ、いいですねぇ。

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