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スタンディングウェーブは起きてもいい? [F1]

2013年にも騒動がありましたが、2015年第11戦ベルギーGPでN・ロズベルグ車(メルセデスAMG)とS・ベッテル車(フェラーリ)がタイヤ破壊を起こしたことで、ピレリタイヤの信頼性が再度、注目を集めています。

pirelli_2015.jpg

ベルギーGPでの現象は設計上の問題ではないとピレリは結論づけたようですが(デブリのせいにしているような……)、不安は残ります。

写真はベルギーGPのレースでオールージュを駆け上がるL・ハミルトン車(メルセデスAMG)。300km/hは出ていますので、タイヤは高速で回転していますし、大きな荷重も掛かっています(上り勾配なのでなおさら)。

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左リヤタイヤを見てみると、サイドウォールがスタンディングウェーブを起こしているのがわかります。接地面の後方がホイールセンターの上あたりまで波打っていますね。

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トレッドに比べてサイドウォールの剛性が低いこともあり、高荷重に耐えかねて変形〜戻りを繰り返しているわけです(トレッドがスタンディングウェーブを起こすこともあるし、フロントタイヤにも発生します)。この現象がつづくと、トレッドとの境界に負荷が掛かって熱が発生し、最終的に瞬時の破壊に至ることもあります。

高速・高荷重で起きやすい現象で、オールージュは「開催カレンダー中もっとも厳しい場所のひとつ」だと、浜島裕英さん(元ブリヂストンかつ元フェラーリのタイヤエンジニア)は説明してくれました。

目の前にあるタイヤでスタンディングウェーブを起こさないようにするには、内圧を高めにして使うこと。設計変更できるなら、サイドウォールの剛性を高めるのが解決の手段ですが、「スタンディングウェーブは起きますよ」と浜島さん。「起きても壊れなければいいんです」と結論づけました。

「ほら、スタンディングウェーブだ」と、過剰に反応するのも良くないということでしょうか。でも、不安になりますよねぇ。

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