SSブログ

WECニュルブルクリンクテストと新燃料テーブル [モータースポーツ]

WEC後半戦に向けたテストが、第4戦(8月30日決勝)の舞台でもあるドイツ・ニュルブルクリンクで行われました。最上級カテゴリーのLMP1-Hで参加したのはポルシェ、アウディ、トヨタの3台。アメリカをベースに活動する日産は、第5戦(9月19日決勝)の舞台であるCOTAでハイダウンフォースパッケージのテストを行った模様。

wec_nur_test.jpg

アウディはル・マンに持ち込んだロードラッグ仕様をベースにニュル戦(もしくは後半戦)に臨むようです。ル・マンでは1枚だったカナードが2枚になっています。フロントフェンダー前面のダクトは相変わらず、閉じたまま。

ル・マン仕様
IMG_8634.jpg

ニュル・テスト仕様
wec_nur_audi.jpg

第3戦ル・マンを終えてマニュファクチャラーズチャンピオンシップをリードするポルシェは、未塗装の個体を持ち込みました。2日間で1275km(1周5.137km)を走り込んだそう。

wec_nur_porsche2.jpg

ル・マンに持ち込んだ仕様は、フロントフェンダー上面開口部に空気を入れ込むような(あるいは、ホイールハウスから空気を出さないようにする)フェンダー上面の形状でした(ドラッグを抑えるのが狙い?)。

ル・マン仕様
IMG_9381.jpg

テストに持ち込んだ仕様はプレーンな形状になっています。

ニュル・テスト仕様
wec_nur_porsche.jpg

ル・マン仕様に比べてカナードが大きくなっているのが確認できます。リヤのブレーキダクトも大きくなっていますが、ル・マンでもフリープラクティスなどでは大開口で走っていました。

ル・マン仕様
wec_lm_porsche.jpg

ニュル・テスト仕様
wec_nur_porshce3.jpg

ル・マン24時間での実測を受け、燃料テーブルが改訂されました。下に掲載するテーブルは1周13.629kmのル・マン24時間サーキットに適用される数値です。1周あたりに使用できるエネルギー量は、開催サーキットの距離に応じて補正されます。最大燃料流量や燃料搭載量はどのサーキットでも同じです。

2015年燃料テーブル(〜Rd.3)
appendix_b_15b.jpg

「ERSあり」はLMP1-H、「ERSなし」はLMP1-Lです。1周あたりエネルギー放出量で2MJを選択した日産はオレンジ、ディーゼル4MJのアウディは薄いオレンジ、ガソリン6MJのトヨタは薄いブルー、8MJのポルシェは薄いグレーの枠です。

改訂版はこちら。

新燃料テーブル(Rd.4〜)
appendix_b_16c.jpg

2016年のル・マンでは1周あたりに使用できるエネルギー量が10MJ減らされることになるようですが、その数字はこのテーブルにはまだ反映されていません。ポルシェの場合、2015年のル・マンでは1周あたり4.76Lのガソリン(E20)を使うことができたのですが、2016年は4.3Lになります。燃費を9%向上させなければなりません。

テーブルをよく見ると、基本的には数字が減る方向で調整されているのに、ディーゼルの2MJと、アウディが選択した4MJは数字が増えていますね。一方、ポルシェが選択した8MJの枠は数字が大きく減っています。この調整が後半戦のパフォーマンスにどう影響するか、に注目ですね。※当初のエントリーではアウディを「2MJ」としてまとめていました。燃料テーブルも含め「4MJ」に修正しました。ご指摘ありがとうございます。

注目といえば、LMP1-L(ERSなし)に割り当てられる数字が激減している点にも注目。大幅なパフォーマンスダウンは必至でしょう。新たにディーゼルの数字が割り当てられているのは、今後現れるであろう動きを示唆しているのでしょうか。

http://www.facebook.com/serakota

nice!(3)  コメント(4) 
共通テーマ:自動車