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ストラッカレーシング、2017年からLMP1にスイッチ。シャシーは自社開発 [モータースポーツ]

ストラッカレーシングは7月10日、新しいLMP1カーを自社開発し、2017年から同カテゴリーのプライベーター枠で参戦すると発表しました。

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この動きは、2017年のレギュレーション変更を受けてのことでしょう。LMP2はこの年から、ACOとFIA、IMSAが認めた4つのコンストラクターしか、シャシーの供給を認められなくなります。その発表が7月9日にあり、下記のコンストラクターが選ばれました。

・ダラーラ(イタリア/アメリカ)
・オンローク・オートモーティブ(フランス)
・オレカ(フランス/アメリカ)
・ライリー・テック/マルチマチック(アメリカ/カナダ/イギリス)
※カッコ内は拠点

2017年からは「シングルエンジン」になりますが、こちらの選抜は9月に行われます。

複数のチームにシャシーを供給して利益を上げたいのではなく、自社専用のシャシーを使いたいだけですので、ストラッカは、そもそも入札に応募しなかった模様。2017年以降は、LMP2でビスポークのシャシーを使うことはできなくなるので、LMP1プライベーター枠へのスイッチを決めたのでしょう。ストラッカがLMP1にエントリーするのは、HPD ARX-03cで参戦した2013年以来となります。

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ストラッカレーシングの新しいLMP1プロジェクトの概要は以下のとおり。

・LMP1シャシーは、得意とする積層造形(3Dプリンティング)の技術を生かしつつ、自社で開発。
・エンジンパートナーを含め、(LMP1シャシーの)アーキテクチャーの構築に着手。
・WEC第3戦ル・マン24時間まで走ったストラッカ童夢S103(LMP2)は、LMP1カーの開発車両にコンバート。
・WEC第4戦(8月30日)以降は、新たに購入したギブソン(旧ザイテック)に切り換えて参戦。
・7月末に第4戦の舞台であるニュルブルクリンクでテストを行う。

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ストラッカ童夢S103が表舞台から消えてしまうのは残念ですね。

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2017年に実施されるLMP2カテゴリーのレギュレーション変更と、ストラッカ童夢S103の詳細は、ル・マン/WECのテクノロジー 2015 (モーターファン別冊)にまとめています。

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ホンダS660チョイ乗り [クルマ]

いかにも梅雨時っぽい背景なので言わなければバレない(?)と思ったのですが、白状すると2ヵ月近く前の写真です。

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20年以上前に国産ミッドシップ車のオーナーだった過去を持つ身としては、「ミッドシップ」というだけで価値です。排気音より先にエンジンが奏でるメカノイズが先に耳に届いてほしい。その点、ホンダS660は合格。

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リヤ中央部のウィンドウを下げると、ダイレクトにエンジン音が入ってきて、「ミッドシップ」な感じを音の面で堪能することができます。個人的にはこれだけで価値です。音の質の面は置いておくとして……。

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エンジンは基本的に、Nシリーズが積むS07Aをフロントから車両ミッドにスライドさせて搭載している模様。ターボの仕様が違ったり、オイルパンの形状が異なったりはしますが、水平に置いたインタークーラーの位置は同じです。

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フロントに搭載した場合もそうですが、車両ミッドに搭載した場合はなおさら、冷却風を導くのが厳しそうですね。左側ロールバー部に設けたスリットから空気を取り込んでいます(右側はターボなど排気系冷却用)。インタークーラーはティラド(旧東洋ラジエーター)製でした。

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エンジンフードは後ろヒンジで開きます。前ヒンジなら、マフラーの上に収納スペースを確保できた?

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きちんと座れるし、機能的だし、新しさも感じるインテリアです。

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助手席乗車中は、リヤビューミラーの造形に見入っていました。

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6速MTは手首の返しでコクコク決まって気持ちいい。クルマの動きも同様で、操っていて爽快です。

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問題は荷物の置き場所でしょうか。ひとりで乗るなら助手席に放っておけばいいのですが、2名乗車だとうそうはいきません。脱着式ソフトトップをルーフに付けているときは、フロントコンパートメントにある収納ボックスを小物入れに使えます(オープンで走るときはソフトトップを収納)。

A4サイズのPCが入るバッグ程度なら何とか入ります。が、ラジエターの熱をたっぷり吸収するので、バッグの中身に気をつける必要あり。

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『ル・マン/WECのテクノロジー2015』:ポルシェの開発拠点編 [モータースポーツ]

ル・マン/WECのテクノロジー 2015 (モーターファン別冊)は発売中です。

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「ポルシェ」に関しては他の車両と同様、当事者からの聞き取りをまじえながら車両の解説をしていますが、それとは別に、開発拠点を訪問した際のレポートも掲載しています。

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誌面はこんなふう↓

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見てもいいけど撮影はNGな状況がほとんどでしたので、文面を頼りに施設の様子を想像していただければ幸いです(上に掲載の写真はデザインのサンプルですので、ダミー文字が流し込んであります)。

ディテールの撮影はNGでしたが、おおむね撮影オーケーだったのはドライビングシミュレーターが設置してある部屋でした。

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6軸のアクチュエーターでモノコックを動かすだけでなく、そのアクチュエーターが載ったパッドを3軸のアクチュエーターで動かす仕組みです。設計(ソフト面)はVI-Grade、エンジニアリングと製造(ハード面)は鷺宮製作所が担当。6軸+3軸システムの効能については誌面でご確認いただくとして、実際の動きはなかなか誌面では表現できないので、動画でご確認ください。

動画内ではオープンのモノコックを使っていますが、現在は実際の919ハイブリッドと同じ、クローズドに変わっています。ヴァイザッハ開発センターにあるテストコースのピットが少し映ります↓



装置の動きを中心に追いかけた映像↓



ドイツのRTLで放映した内容(ドイツ語)。最新のモノコックに変わっていますね。テストコース&ピットも映っています↓



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『ル・マン/WECのテクノロジー2015』:LMP1で開発は始まっていたストラッカ童夢S103編 [モータースポーツ]

ル・マン/WECのテクノロジー 2015 (モーターファン別冊)は発売中です。

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ブランド別で最も多くのページを割いているのは「ポルシェ」ですが、車種別では「ストラッカ童夢S103」です。

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2015年のWECにはLMP2カテゴリーで参戦していますが、当初はLMP1で設計が進んでいました。当時(2013年)の風洞モデルです。

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LMP2での参戦が正式に決まったため、LMP1からLMP2へ軌道修正しつつ、風洞モデルを新規に作って開発をつづけました。オリジナルモデルのコンセプトや変更点の背景などについては、誌面でご確認ください。

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実車ができあがってからもアップデートはつづきます。チームからの要望に応じて、リヤサスペンションの設計を変更しました。

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変更に至った背景に触れつつ、変更前と変更後の写真を掲載しています。

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ドアの構造変更など、その他のアップデートについても触れています。

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詳しくはル・マン/WECのテクノロジー 2015 (モーターファン別冊)でご確認ください。

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ル・マン24時間:別枠ダクトがあるNissan GT-R LM NISMOのリヤ [モータースポーツ]

Nissan GT-R LM NISMOです。フロントタイヤ2本だけ交換、なども含めてピットストップの練習をしているところですが、写真の場合は前後4本とも交換する練習をしているところ。リヤタイヤ(幅20cm)がフロント(幅31cm)に比べて細いのがわかります。

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公開車検の順番待ち中に車両の後ろにまわってみます。リヤフェンダー後部はお決まりのルーバーになっていますが、リヤタイヤがフロントに比べて11cm細いのを利用し、タイヤハウスの内側に別枠のダクトが設けられています(両矢印)。リヤサスペンションのインボード側ピックアップポイントあたりが透けて見えます。

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リヤセクションを前から見るとこんな感じ。両矢印で示している部分が別枠ダクト。

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裏返してフロアを見るとこんなふう。やはり、両矢印部分が別枠ダクト。

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ちょっと前のですが、他のLMP1(HPD ARX-03c)の例。

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こちらはLMP2(オレカ03R)の例。Nissan GT-R LM NISMOはリヤのオーバーハングが短く、そのため中央のボートテール部がかなり後方に位置していることがわかります。

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ところで、モノコックの両サイドを前から後ろまで貫通しているダクトですが……覗いてみました。

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公開車検時にはこんな使い方もされていましたが、1本だけゴロンと転がって真ん中の方まで行ってしまったら取るの大変だろうなぁと、余計な心配をしてしまいました。

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詳しくはル・マン/WECのテクノロジー 2015 (モーターファン別冊)でご確認ください。

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ポルシェ/アウディ/トヨタ/日産のル・マン24時間2015まとめ公式動画 [モータースポーツ]

2015年のル・マン24時間レースに参戦した4マニュファクチャラーの公式動画が出そろったようなので、見てみましょう。

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Porsche/ポルシェ


Audi/アウディ


Toyota/トヨタ


Nissan/日産


レースのダイジェストです。20分もある、と一瞬思いましたが、内容盛りだくさんで少しも飽きません(つうか、レースのダイジェストは10分で、残りは表彰式……)。振り返ってみると、いろいろありましたね。

ル・マン24時間レースハイライト/24 Heures du Mans - All race highlights


というわけで、アウディに1票。

ル・マン/WECのテクノロジー 2015 (モーターファン別冊)は7月3日発売です。

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