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ル・マン24時間:1スティントあたりの周回数は計算上13〜15周 [モータースポーツ]

自動車メーカーがワークス参戦するLMP1カテゴリーはハイブリッドシステム(エネルギー回生システム)の搭載が義務づけられており、1周(13.629km)あたりに放出できるエネルギー量のランク(2MJ/4MJ/6MJ/8MJから選択可)に応じて、1周あたりに使用できる燃料の量が定められています。

2015_LeMansTest_Sunday_afternoon_8.jpg

放出エネルギー量が多いほど、使える燃料は少なくされます(流量も減らされますが、ここでは省略)。それでも、エネルギー回生の効果で、2MJから4MJ、4MJから6MJへと1つランクを上げるごとにラップタイムで0.5秒〜1秒のゲインが見込める設定。

では、LMP1(ハイブリッド)各車の「1周あたりに使用できる燃料の量」を見てみましょう。

fuel_table.jpg

燃料タンク容量は決まっていますから、それを1周あたりの燃料使用量で割れば、燃料を目一杯使ったときの1タンクあたり周回数が導き出せます。1スティントで15周するのは、燃費面で頑張らないと難しいことがわかりますね。

燃料の量やタンク容量は重量ではなく容量で示されていますが、WEC/ル・マン24時間で使用するシェルのガソリン(エタノールを20%混合したE20)は、比重が0.731(15℃)なので、68.5Lで約50kg、軽油は比重が0.803なので、54.2Lで約43.5kgです。

軽油の割り当て量がガソリンより少ないのは、燃料が持つ単位あたりのエネルギー量の違いと、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの熱効率の差を補正しているため。一見するとディーゼルエンジンに不利に感じるかもしれませんが、ガソリン勢に言わせると、まだ出力面でアドバンテージがあるよう(総量よりも流量に関連した話ではありますが)。

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