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ル・マン24時間:ナイフエッジなトヨタのリヤウィング翼端板 [モータースポーツ]

2015年のレギュレーション変更で、リヤウィング翼端板にレインライトの装着が義務づけられました。先日のエントリーでお伝えしています↓

http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2015-06-03

翼端板にLED素子を埋め込むとこんなふうになります。NISSAN GT-R LM NISMOの例。

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こちらはリベリオンR-Oneの例。

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しつこくいきますが、こちらはオレカ05(KCMG)の例。テクニカルレギュレーションでは、リヤウィング翼端板は車両中心線と平行で、コンスタントに10mm以上の厚さがあり、端部は5mm以上の半径でラウンドしていなければならないと規定しています。

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という規定を確認したうえでトヨタTS040ハイブリッドのリヤウィング翼端板を見てみると……トレーリングエッジが薄い! まるでナイフの刃のようです(カミソリの刃でもいいですが)。どう見ても、厚さは10mmないし、エッジは5mmの半径でラウンドしていません。

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「これは翼端板ではなくボディワークの一部」という解釈なので、10mmの厚さも、半径5mmのラウンドした形状も考慮する必要がない、ということでしょう。

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LED素子を埋め込んでしまうと刃のように薄い形状にすることはできないので、光源は前方にある(レギュレーション上の)翼端板に埋め、クリア部に透過させる構造(でしょうか)。

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よく見ると、超極薄な(機能上の)翼端板(レギュレーション上はボディワーク?)です。

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他車のリヤウイング翼端板はどうか、と見てみると、例えばLMP1(ノンハイブリッド)のリベリオンR-Oneはこんなふう。リヤフェンダーに翼端板が載った格好。一般的な形態はこれで、いかにトヨタの設計がユニークなのか、がわかりますね。

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LMP1(ハイブリッド)のポルシェ919ハイブリッドも、構成的にはごくオーソドックスです。

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しかし、トヨタと同様、翼端板とボディーワークに分割して設計。トヨタと違って前方のパーツがボディーワーク、後方が翼端板という解釈。ボディワークなら車両中心線と平行に設計しなくてもいいので、強くカーブさせています。

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アウディR18 e-tronクワトロも、翼端板とボディワークの二重解釈構造。リヤウィング翼端板は2015年型LMP1(ハイブリッド)のホットな開発エリア、ということでしょうか。

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