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これであなたも(クルマに乗った際の)人体共振ツウ? [クルマ]

マツダは2013年11月にCX-5の商品改良を行った際、新構造のリヤダンパーを投入しました。そのときのエピソードを記事にまとめるにあたり、当時の資料を引っ張り出してみたり音声データを聞き返してみたところ、おもしろいデータがでてきました。例によって個人的備忘録を兼ねて記しておきます。

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不快な振動を排除するのがダンパーを開発する際の狙いのひとつであるわけですが、それにはまず、不快な振動を特定する必要があります。人体が感じる振動を周波数別に整理すると次のようになります(以下、主にマツダ提供の情報をもとに作成)。

1〜2Hz:三半規管
クルマ酔いの原因になる周波数帯。船の揺れのようなゆったりした振動。人間の三半規管の中にはリンパ液が入っており、その傾きを感知して平衡感覚をみています。ところが、1〜2Hzの振動を受けると三半規管内部のリンパ液が共振してしまい、目で感じる傾きと三半規管で感じる傾きがずれ、脳が混乱して気持ち悪くなる……と。

4〜7Hz:頭部
5〜6Hz:脊椎(上体)
10数Hz:内臓
椅子にドンと粗っぽく腰掛けたとき、頭が大きく揺れた直後に背骨と背骨の間の軟骨が縮み、同時にお腹の中で胃などの内臓が下がる動きが感じられるでしょうか。試してみてください。似たような振動を、クルマに乗っている際に感じているわけです。体の他の部分は揺れていないのに、内臓が揺られて(共振して)クルマ酔いを感じるケースもあります。

人間に疲労を与えつつ、もっとも不快に感じる周波数は4〜8Hzだそう。長距離ドライブした際、「なんだかこのクルマ疲れるなぁ」と感じたとしたら、そのクルマは4〜8Hzの振動成分が多いと考えられそうです。

12〜13Hz:上腕/太ももの筋肉
ステアリングを握った腕の筋肉がぶるぶる震えたとしたら、それは12〜13Hzの振動で腕の筋肉が共振している証拠です。太ももだけ揺れる現象が起きるのも10Hz帯の振動が原因だそう。

20〜30Hz:皮膚
皮膚がもっとも震えやすい共振周波数帯です。iPhoneのバイブレーションは22Hzだそう。持ち主に気づいてもらってナンボですから、皮膚が敏感に感じ取る周波数に設定しているわけですね。

とまあ、人体が感じる周波数にしぼってまとめましたが、例えば、気になる音にもいろいろ周波数帯があって、100〜200Hzのロードノイズは耳につくとも言われています。

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振動は奥が深いですね。



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