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2014年のF1がインテルラゴスで速いのはターボのおかげ [F1]

2014年F1第18戦ブラジルGPの予選では、N・ロズベルグ(メルセデスAMG)が1分10秒023でポールポジションを獲得しました。コースレコードは2004年にR・バリチェロ(フェラーリ)が記録した1分9秒822です。3.5L・V10エンジンを積んでいたマシンが記録したタイムに、1.6L・V6直噴ターボエンジンを積んだマシンが肉薄したことになります。

RSF1_PU.jpg

2.4L・V8自然吸気エンジンを積んだマシンで走っていた2013年ブラジルGPの予選はウェットだったので、ドライで行われた2012年の記録を引っ張り出してみると、ポールポジションを獲得したのはL・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)で、1分12秒458でした。2011年のポールタイムは1分11秒918(S・ベッテル/レッドブル・ルノー)。

2014年のマシンは2013年に比べて1〜2秒遅い状態(条件がさまざまなので例外はありますが)で推移していました。そのイメージにとらわれた状態でブラジルGPのラップタイムを見ると、「急に速くなった?」と疑問に感じてしまいます。

F1_Brazil.jpg

でも、カラクリはあります。2013年までは自然吸気エンジンだったのに対し、2014年はターボエンジンを積んで走っているから。インテルラゴスのサーキットは標高800mに位置しています。ルノー・スポールF1の発表によると、空気(酸素)密度は低地に比べて10%減になるそう。

自然吸気エンジンの場合は酸素密度の低下に応じて出力も低下しますが、ターボエンジンの場合はターボをいつも以上に働かせることによって低地と同程度の出力を得ることができます。自然吸気エンジン時代はあった高地によるハンデがターボエンジンにはないので、相対的にパフォーマンスが向上し、タイムアップにつながったと考えていいでしょう。その代わり、ターボには過酷。

F1_Brazil2.jpg

気温が高くても空気密度は低くなりますので、なおさらこの時期のブラジル開催は自然吸気エンジンに酷で、ターボに有利。というわけで、WECサンパウロ戦(11月30日決勝)にも注目です。

追記しておくと、速くなった要因のすべてがターボというわけではなく、再舗装によって路面の状態が良くなったこと(路面μの向上だけでなく、サーフェスがフラットになった)、それによってライドハイトを低く設定することができ、空力面でも効果が期待できる、といった変化も影響していると思います。

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