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フロントウィングのフラップ角度の話:フォーミュラE予選〜決勝 [モータースポーツ]

電気の話はまたの機会にするとして、今回は空力セットアップの話です。決勝レース前にアムリン・アグリのガレージ前をとおりかかると、ちょうどフロントウィングの角度を調整するところでした。

予選までは立たせていたのに……

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決勝に向けて寝かせていました。

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フラップを寝かせれば空気抵抗は減って最高速は延びますが、フロントのダウンフォースは減ってタイヤを地面に押さえつける力は減り、コーナリングでは不利になります。「予選は完全にグリップに頼った走り」(佐藤琢磨選手談)なので、ウイングを立てて走り、決勝では「エネルギーをセーブするため」ウイングを寝かせて少しでも走行抵抗を小さくしようという作戦です。予選で下位に沈んだので、最高速を稼いで少しでも追い抜きしやすいように、という考えもあったよう。

もちろん、ウイングを寝かせた結果コーナーが遅くなっては意味がないのですが、そこは自信があったよう。「非常にバランスのとれたウィングレベルだったと思います」と、琢磨選手はレース後にコメントしていました。

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※予選時

全チームを確認する余裕はありませんでしたが、例えばアウディ・スポーツ・アプトのウィングはもっと寝ていました。

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一方、ドラゴンレーシングは思いっきり立っていますね。

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レースは波乱の予感なフォーミュラE [モータースポーツ]

北京の市街地コース(北京オリンピックのメインスタジアム周辺を巡る全長3.453km)で、フォーミュラEのフリー走行が行われました。1コーナーからメインストレート越しに最終コーナー方向を望んだカットですが、もやっている感じですね。直角の1コーナーに進入しているのは、アムリン・アグリの佐藤琢磨選手(カーナンバー55)です。

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セーフティカーの先導で走った前日のシェイクダウンとは異なり、本気モードに切り替わったからでしょうか、姿勢を乱す車両が続出しました。1コーナーで眺めていただけでも、セバスチャン・ブエミ選手(チームeダムス・ルノー/カーナンバー9)がスピンしてリヤからバリアにヒット。カルン・チャンドック選手(マヒンドラ/カーナンバー5)は止まりきれず、アウト側のバリアにぶつかりました。

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アイタタタ。でも、壊れるべきところが壊れて衝撃を吸収してくれるので、大事には至りません。

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破断面はこんなふう。

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一方、チームメイトのブルーノ・セナ選手(カーナンバー21)はリラックスモード?

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チャンドック車のフロントウィングには、没後20周年に合わせて作成された「アイルトン・セナ・オールウェイズ」のステッカーが貼ってあります。

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ちなみに、ブエミ車のリヤランプです。

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しかし、これだけがちゃがちゃあると、レースは波乱必至でしょうか。

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急遽走ることになったフォーミュラE [モータースポーツ]

なぜだかメディアセンターに来るとFBとツイッターにつながります(よく落ちますが)。ホテルはダメ。さて、北京で開催されているフォーミュラEの開幕戦です。ワンデーイベントですので、当初は金曜日(イベントは土曜日)に走行プログラムは組み込まれていなかったのですが、急遽、セーフティカー(BMW i8)の先導で5周することになりました。

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レーシングスピードではなかったのですが、速いクルマが間近を駆け抜けていく迫力は感じられました。特有の走行音(主にインバーター由来?)も楽しめます。ただ、直角コーナーのブラインド側でクルマを待ち構えていると、予兆なく唐突にやって来る感じ、ではあります。

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どさくさに紛れて(?)カウルの下を覗きました。バッテリー容量は28kWhです(日産リーフは24kWh)。

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(クリックで拡大)

バッテリーパック単体で眺めるとこんなふう。

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佐藤琢磨選手が話してくれたところによると、レース距離を全開まま走り続けることはできないようですね。すぐにバッテリー容量がなくなってしまうと。「全開で走れるのはせいぜい2周」というのが実情だそう。

というコメントがあったので、ちょっと計算してみました。レースでは150kWに出力が制限されるので、常に150kWの出力で走り続けたとして、672秒(11分2秒)走れる計算になります。モーター最高出力の200kWで走ったとして540秒(9分)。

レースはほぼ1時間なので(途中、充電済みのクルマに乗り換えるので、合計56kWhのエネルギーを使える計算)、1時間走ると仮定して計算してみると、(いや、計算するまでもなく)平均56kWの出力でしか走れないわけです。日産リーフの最高出力が60kWですから、リーフが1時間全開で走るようなイメージでしょうか。

というような状況ですので、減速時のエネルギー回生が重要ですし、コーナーごとに効果的にエネルギーを放出してラップタイム短縮に結びつける必要があるわけです。チームもドライバーも頭使いますね。

ところで、フロントバルクヘッドの奥はこんなふう。スプリングはトーションバーを使っていますが(リヤはコイル)、コンベンショナルな設計と言っていいでしょう。サスペンションアームはスチール製。ステアリングのアシスト機構は備えていません。

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備えていないといえば、(油圧ブレーキの配分と回生ブレーキの配分を自動で制御する)協調回生ブレーキも備えていません。ローテクといえばローテクです。協調回生ブレーキの強弱に合わせて、油圧ブレーキの前後バランスをドライバーが手動で調整するわけです。「結構大変」と琢磨選手は苦笑まじりに説明してくれました。

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ぼちぼち始まった感のあるフォーミュラE [モータースポーツ]

メディアセンターが正式に開くのは明日(金曜日)からですし、走行するのは土曜日だけですが、木曜日の夕方にちょっとした(主に地元メディア向けだったよう)記者会見が開かれました。

FIA会長のジャン・トッド氏をはじめ、この日そろったドライバー(10人くらい)が集まっての記念撮影です。パドックで行われました。

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メディアセンターでは、協賛する地元企業のプレスコンファレンスが開催されました。

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せっかくなので、パドックを歩いてみます。ミシュランの溝付き18インチタイヤが鋭意準備中(というより荷解き中)でした。

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片側5チーム10台分(レース中に乗り換えるので20台分)のピットレーンを見ます。U字になったピットレーンの反対側にもう5チーム分あります。DHLが運んできたコンテナ(矢印)の中にマシン一式が収まっています。

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アムリン・アグリから参戦発表のあった佐藤琢磨選手のグラフィックも準備完了。

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コンテナの内部にはマシンがこのように収まっています(アムリン・アグリ車)。前後のウイング類を外した状態で収めているのですね。

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外したウイング類は一方の端に詰め込まれています。

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セーフティカーはプラグインハイブリッドのBMW i8。いかにも3気筒エンジンらしい音を響かせていました。

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i3も待機(充電)中。

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設営中のスタート/フィニッシュライン付近です。準備中のようにも見えますが、撤収中にも見えます。人ごとながら、間に合うのか心配になるような状況ではあります。

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「鳥の巣」のまわりを走るフォーミュラE [モータースポーツ]

北京に着きました。初開催のフォーミュラEを取材するのが目的です。空港で広告看板を発見しました。

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9月13日土曜日にフリー走行と予選と決勝レースが行われるフォーミュラEは、公道を走ります。コースは2008年北京オリンピックのメインスタジアム、国家体育場(通称「鳥の巣」)の周囲を反時計回りに巡ります。全長は3.44km。

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(クリックで拡大)

ホテルの部屋から鳥の巣とコースの一部が見えます。矢印の先にあるのは、コース図で16〜17〜18と記してあるシケイン。

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17の縁石に近寄ってみるとこんな感じです。プラスチックの部品をアスファルトにボルト留めしています。

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コースを1周しようと思ったのですが、暗くなったので諦めました(体のいい言い訳)。こちらはターン14。鋭意準備中です。

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左直角コーナーのターン14をクリアし、ターン15に向かっていく(ほぼ)ストレートです。真新しいガードレールに囲まれています。

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ターン20とターン1の間にあって、コの字になっているエリアがパドックです。そのパドックと鳥の巣の敷地はフェンスで仕切られています(自由にアクセスできません)。こちらも鋭意作業中でした。

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なぜ暗くなってしまったかというと、コースそっちのけで鳥の巣を観察していたからですね。

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あれから6年しか経っていませんが、だいぶくたびれて、というより汚れています。

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夕方は渋滞しますね。ひっきりなしにクラクションが鳴っています。ひと昔前のミラノ駅前みたいです。

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※ツイッターやFBでお送りいただいたメッセージはメール転送されてきますので、目を通しています。お送りいただいたみなさま、ありがとうございます。残念ながら、こちら(北京)ではツイッターやFBにアクセスできず、返信/返答することができません。ご了承ください。

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拡張工事中な東レ・カーボンマジック [モータースポーツ]

もう先々週の話ですが、東レ・カーボンマジックへとんぼ返りで訪問してきました。『auto spot』誌で連載している「いまさら聞けない〜基礎知識」シリーズのネタ仕込みのためです。レーシングカーに適用している「カーボン」について、ご教授いただきました。「3年にいっぺんくらい似たようなことしてません?」と聞かれましたが、「物覚えが悪くてすみません」としか答えようがありませんでした(汗)

さて、カーボンマジックといえば下の写真のような建屋のイメージだったのですが……

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拡張工事中でした。背の高い建物は型を収納する倉庫として利用。背の低い方は製造工程一式(とくに塗装工程の需要が増えているのだそう)を収めるそう。年内にオープンする予定。

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レクチャーを受けたのち、カーボン(炭素繊維強化プラスチック=CFRP)の各工程を見せていただきました。下の写真は、織物にした炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグのサンプル。「持って帰っていただいていいですよ」の申し出をいただき、よろこんで持ち帰ります(物欲しそうな目をしていたのかも)。

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こちらはケブラー(アラミド繊維)と炭素繊維のハイブリッドプリプレグ。

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樹脂を含浸させる前の生機(きばた)も見せていただきました。

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うまく保管しないと糸がほつれてしまいます。ほつれたのをいいことに観察……

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極細のフィラメントが千本単位(3000本だったり6000本だったり1万2000本だったり……)で束ねられ、糸になっています。

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まあ、おもしろい。

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アウディ・スポーツが新拠点に移転 [モータースポーツ]

アウディ・スポーツが年内を目処に移転します。移転先はノイブルク(Neuburg)で、現拠点であるインゴルシュタットの西方約20kmに位置。8月30日にオープニングセレモニーが行われました。

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アウディ・モータースポーツの責任者を務めるDr. W・ウルリッヒ氏が現職に就いた21年前から、専用の拠点を設ける構想はあったそう。当初はインゴルシュタットの研究施設内に専用施設を設置する考えだったそうですが、量産部門の拡張が進んでスペースがなくなったため、移転先としてノイブルク・アン・デア・ドナウが選ばれたそう。

ウルリッヒ氏にしてみれば、21年越しの夢実現、といったところでしょうか。それにしても格好いい建物です。完全に、見られることを意識していますね。

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目の前にハンドリング路があります。初期の機能チェック程度なら、サーキットまで行かずとも済んでしまうでしょう。

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新型マツダ・ロードスターはEPSを採用 [クルマ]

出てきましたね、4代目ロードスター。全長×全幅×全高は3915×1730×1235mm。ホイールベースは2315mm。車重は未公表ですが、1100kg超だった前型に対し100kg以上の軽量化を果たしているそう。タイヤサイズは195/60-16。

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6速MTです。

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このグラフィックはインパクトありますね。縦置きに搭載する4気筒エンジンの前端が、完全に前車軸の後ろにあります。

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ドライバーの尻の位置はだいぶ後ろ寄り。しかも、低い。

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前型(3代目)も後ろ寄りではありましたが。

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3代目までは油圧パワーステアリングでしたが、新型ロードスターはデュアルピニオン式の電動パワーステアリング(EPS)を採用しています。ちなみに現行アクセラはコラムアシスト式EPS。制御の自由度が高いことを歓迎しての採用でしょうか。デュアルピニオンを採用した背景やフィーリングも気になるところです。

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飫肥城下町 [旅(国内)]

青島から約43km、鵜戸神宮からは約18km内陸に進むと、飫肥の城下町に着きます。いい雰囲気です。

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散策の前に腹ごしらえです。名物「おび天」がついたうどんを注文しました。そのおび天、黒砂糖を混ぜ合わせているせいか、甘みがありますね。好みです。

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腹ごしらえが済んだので、散策です。飫肥城の門の内側に入ってみます。いい眺めです。

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御用商人の屋敷を飲食処に転用した服部亭。城の堀に沿った通りにあります。外観は純和風ですが……

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玄関はハッとするほど洋風です。

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武家屋敷が建ち並ぶ通りを後にして南下すると(城から離れます)、町家が立ち並ぶ通りに出くわします。貴族院議員を務めた高橋源治郎の住宅で、明治中期の建築だそう。タイムスリップしたような気分になります。

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厚焼き卵も名物なのですね。お店が何軒も並んでいました。

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厚焼き卵というより、プリンのような食感です。

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その土地のスーパーマーケットのチェックは必須(らしいです)。

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上の写真とは別の店の商品棚ですが、自動販売機もしかり、宮崎ではマンゴー味の「スコール」が目に付きました。ので、買いました。

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宮崎空港で預け荷物をチェックインしようとX線検査をしたところ、「お酒が入っていますね。出してください」と言われました。飲みかけの焼酎のボトルがいけなかったようです。ほかに未開封のボトルが2〜3本入っていたのですが、そっちはノーチェックだったような……。

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さてこれでオーケーと機内持ち込み荷物を検査したところが、また呼び止められました。いつの間にか子供がバッグに入れていた中国製のピストル(BB弾使用)がいけなかったようです。「すみません、これは持ち込めないんですぅ」と、申し訳なさそうに言う係員。理由はなんとなくわかるような気がします。

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鵜戸神宮 [旅(国内)]

青島を起点に日南海岸を25kmほど南下し、鵜戸神宮を目指します。日差しが強くてふくらはぎが痛みます……。門の前にある灯籠は、天保三年(1832年)に大坂の両替商・油屋善兵衛が紙開発(飫肥藩領内で生産し、善兵衛が大坂で販売)の成功を祈念して奉納したもの。といった由来を読みながら歩くのが楽しい。

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本殿は日向灘に面した岩窟内に建てられています。見物ですね。

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参拝を済ませた後は、賽銭がわりのレクリエーションです。運玉。

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素焼きの運玉(5個100円)を亀石の枡形(矢印)に向かって投げ入れます。俯瞰するとこんな情景。

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左利きの男性と右利きの女性に有利にできたルール(難癖です)。

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一投するたびに「あ〜〜〜」と腰を落として我が事のようにリアクションする隣の観光客にペースを乱されて完敗(と、言い訳)。でも、亀の背中には当たったので、願いは叶うはず。

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