気づいたらもう週末ですね。WEC第2戦スパ。ポルシェは「ル・マンのドレスリハーサル」と位置づけていますが、トヨタやアウディにとっても同じでしょう。アウディは昨年と同様、3台目をスパ戦に投入します。この3台目だけがル・マンを念頭に置いたロードラッグの空力パッケージをまといます。
(クリックで拡大)
2013年と同じでリヤカウルをリヤウイング翼端板の後端まで延長した(リヤオーバーハングは最大750mm)のが目を引きます。第1戦シルバーストンまでの状態はこちら。
ただそれだけだろうといったんスルーしたのですが、フロントセクションに目を向けると、様子が違う。フェンダーに義務付けられている開口部が上面から側面に移っています。上面バージョンはこちら。
公開された3Dレンダリングではフロントカウルの様子がわかりませんが、変化あるでしょうか。2014年のレギュレーションではフロントアンダーパネルにフラップを追加することが認められていますが、アウディに限ってはフラップを採用していることが外からはっきりわかります。ビバンダムの脇の下あたりにある穴からツールを差し込んで角度を調節するのでしょう。
シルバーストン戦で公表していたとおり、トヨタはル・マンにも投入するロードラッグ仕様をスパ戦に投入します。
ハイダウンフォース仕様とは、フロントフェンダーやフロントカウルの形状/構成が異なります。
両者の比較は過去エントリーをご覧ください↓
http://serakota.blog.so-net.ne.jp/2014-03-28
ル・マンで1周あたりに放出できるエネルギー量は2MJ/4MJ/6MJ/8MJから選べますが、ポルシェとトヨタは6MJを選びました。1周13.629kmのサルトサーキットでは「6MJ」ですが、その他のサーキットでは距離に応じて補正されます。1周7.004kmのスパ・フランコルシャンでは「4.78MJ」まで放出可能。単純に距離の比率で割り出すと3.08MJになりますが、ル・マン以外のサーキットでは「1.55」の係数を掛けることになっているので、3.08×1.55で4.78になります。
ポルシェは6時間のレースで170周以上周回すると試算。すべての周回で4.78MJを放出すると仮定して(充放電時の変換ロスなどがあるので、4.78MJ以上を回生する必要あり。どうかなぁ……)、170周で226.1kWhの電力を放出する計算。たった6時間で夏の1ヵ月に一般家庭が消費する電力とほぼ同等に達すると説明しています。これだけ過酷なことをサーキットで試すので、必ず将来の量産ハイブリッド車に役立つだろうと。
シルバーストン戦でも手堅い(というか手強い)走りを披露していたので、スパ戦も楽しみですね。三つ巴間違いなし!
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